恋のキューピッドになろうと『流星人間ゾーン』を女の子に見せたらこうなった その5

2017年10月29日 | オタク・サブカル
 前回(→こちら)の続き。
 
 地球の運命をかけた輪投げ勝負はガンダーギラス2ー0リードを奪うが、ゾーンファイターの3投目が微妙な判定となってしまい協議に入ってしまう。
             
 ここで問題なのはファイターの態度。
 
 ここでガンダーギラスにへそを曲げられては、ガロガの野望の前に屈してしまうことになる。
 
 ガンダーギラスはPS73を体内に入れているため、攻撃はできない。そこでファイターが取った最後の手段というが。
 
 
 「よし、ガンダーギラスの注意がそれたぞ。今だ!」
 
 
 大声でほえたかと思うと、やにわに敵にむかって攻撃をしかける。
 
 あれ? PS73があるから衝撃をあたえたらいけないんでは?
 
 という素朴な疑問もなんのその。かっこよく空中回転を決めたかと思うと、顔面に強烈なチョップ
 
 これには、すっかり意表をつかれたガンダーギラス。
 
 驚きのあまり、目がいにしえのマンガ表現のように「ビヨーン!」と飛び出すが、なんとファイターはその目を両手でつかむと、思いっきり引きちぎる
 
 ヒーローとは思えない、思わぬ残虐シーンに見ているこちらはどん引きだが、ゾーンファイターはかまわず恐獣の両目を投げ捨てると、目の見えなくなった敵を手拍子しながら挑発。 
 
 急激な形勢変化に余裕たっぷりのヒーローは
 
 
 「鬼さんこちら、手の鳴る方へ」
 
 
 ガンダーギラスをからかうが、目をちぎられた恐獣は苦悶の声を上げながらウロウロするのみ。
 
 そこに『流星人間ゾーン』の勇ましい主題歌がかかる。
 
 子門真人さんの歌うそれは、これ以上ないくらい士気の上がる名曲であるが、この場面にはあまりふさわしくないというか、こちらからすると、
 
 
 「ゾーンファイター、ひどすぎる……」

 「それが正義の味方のやることか!」

  「こんなひどい番組(いろんな意味で)、うちの子供には見せられません!」
 
 
 すでにヒーローから心が離れているので、ちっとも魂にひびかない。
 
 だが断然有利になったゾーンファイターは、ひんしゅくの目などおかまいなしに元気いっぱい。
 
 力なくうなだれるガンダーギラスの両腕を必殺技で切り落とし(だからPS73は?)、とどめに、
 
 
 「流星ミサイルマイト!」
 
 
 決めセリフを発すると、両手から強力なミサイルをマシンガンのごとく連射し(だからPS73……ってもういいです……)、ついに恐獣ガンダーギラスは倒されたのである。
 
 地球の平和は守られた。よかったよかった、一時はどうなることかと思ったが、さすがはゾーンファイター。
 
 ありがとう、ファイター。さようなら、ファイター。万歳、正義のヒーロー……。
 
 ……て、待たんかい
 
 ヒーローがあんなリンチ大会を行うなんて、教育上どうなのかというか。そもそも、その前のジャンケンや輪投げの意味はあったのか。
 
 などなど、いいたいことは山ほどあるが、ともかくもこれでお話は終了である。ここで記憶力の良い方は、
 
 「あれ? Kスイ星の地球衝突はどうなった?」
 
 そう不思議に思われるかもしれないが、正直どっちでもいいよ、もう。
 
 ともかくも、こうして地球の平和は守られたが、とにかくイカれた内容に上映中笑いっぱなし&ツッコミ入れっぱなし。
 
 私としては、こんな頭のおかしなヒーロー番組を皆に紹介できて、その充実感で胸がいっぱいだ。
 
 そこで、さらなるホームランを放とうとビデオをセット。そこにあらわれたタイトルは
 
 『怪傑ズバット』。
 
 宮内洋さんが演じる怪傑ズバットがムチを片手に
 
 
 「〇〇ならおまえは2番目だ」
 
 
 という名セリフを引っさげて大暴れ。
 
 ハッタリの効いたライバルとの対決や、宮内氏の熱演などで、またもや大爆笑だ。私だけ
 
 こうなるともう、だれにも止められません。
 
 
 『愛の戦士レインボーマン』『超人バロム1』『レッドマン』『シルバー仮面ジャイアント』『プロレスの星アステカイザー』『アイアンキング』『愛國戦隊大日本』
 
 
 などの迷作珍作が次々と投下される。もう絶好調。
 
 どこからか、女の子のか細い「あたし、帰るね……」という声が聞こえたような気がした。
 
 このパーティー以降、私は友人の間で「出会いの場クラッシャー」として大いに名を馳せることとなる。
 
 そのせいで、合コン、飲み会、お花見、夏は海、冬はスキーにスノボーといった、大学生活におけるともいえるイベントには、ちっとも呼んでもらえなくなったものだ。
 
 その後も、
 
 「お、今度みんなで鍋パーティーやるんやって? オレも行っていい?」
 
 などと気軽に声をかけると、ときにあわてて、ときに憤慨されながら、
 
 
 「アカン! おまえが来ると、また変なビデオ流すからアカン!」
 
 
 必死になって拒否られるのであった。
 
 おかげで、私のキャンパスライフは大変うるおい薄きものとなり、大いに困ったものであった。
 
 古来より日本では、こういうことを簡潔に「自業自得」と表現する。
 
 ついでに書きそえておくと、こうした献身にも関わらず、サカイ君とノリコちゃんの恋路は実らずに終わった。
 
 なにやら悪いことをしたような気もするが、私は楽しかったので、まあ全体的に見て差し引きドロー
 
 いや「アウェーの引き分けは勝ちと同じ」という言葉もあるため、総合的には
 
 「我々勝利だ」
 
 そう解釈しておいて、特に問題はないものと思われる。
 
 
 
 ★おまけ ゾーンファイター対ガンダーギラス戦の輪投対決は→こちら
 
 ☆おまけ2 ムダにカッコいい『流星人間ゾーン』のOPは→こちら
 
 
 

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