恋のキューピッドになろうと『流星人間ゾーン』を女の子に見せたらこうなった その4

2017年10月28日 | オタク・サブカル
 前回(→こちら)の続き。
 
 悪の宇宙人ガロガが送りこんできた恐獣ガンダーギラス相手に、苦戦を強いられる正義のヒーロー、ゾーンファイター。
 
 敵がPS73という恐ろしい爆薬を飲みこんでいるため、うかつに衝撃を与えると大惨事になってしまうからだが、地球の運命をかけたジャンケンゲームに続いてファイターが提案したのが、なぜか
 
 「輪投げの3回戦勝負」。
 
 協力して競技用の輪を作り、山をこしらえて棒をたてるヒーローと怪獣。まずは先攻がガンダーギラスで、1、2の3!
 
 と投げた輪は、見事に目標の棒をとらえてワンポイント。
 
 ガンダーギラス、あざやかな先制である。
 
 続けてゾーンファイターの番。
 
 
 
 
           
           大まじめに輪を投げるゾーンファイター 
             
 
           
 1、2の3でポーンと投げると、おしくもはずれ
 
 これで1ー0。ガンダーギラスのリードである。
 
 まあ、こういうこともあろう。ヒーローがあっさり勝ってしまっては、ドラマに盛り上がりが生まれない。
 
 まずは相手に勝たしておいて、ピンチを演出してから大逆転でカタルシスを感じる。これが物語の基本である。
 
 で、第2回戦はといえば、これがガンダーギラスがまたも輪を入れて2ポイント目、ゾーンファイターははずしてしまう。
 
 これで2ー0とガンダーギラスがリーチをかける。ゾーンファイター後がないぞ! 地球が大ピンチだ!
 
 ……て、おまえ不器用か!
 
 ケダモノ相手に手先の器用さで負けてどうする! というか、おまえ正義のヒーローなんやから、超能力くらい使えへんのか!
 
 というか、無くてもはずすなよ! 輪投げくらい。
 
 ここで死ぬほど笑いまくりである。皆の反応を見ると、男子はちょいちょい笑ってくれているが、女子の方は静かなままだ。
 
 きっと、このスリリングな展開に息をのんでいるに違いない。
 
 剣が峰でむかえた第3戦。ガンダーギラスが勝負を決めるか、それともファイターがねばりを見せるか。
 
 ここは勝利を意識したか、ガンダーギラスははずしてしまう。
 
 一方ゾーンファイターはいい投球が決まって、輪は見事に棒に通った
 
 ……ように見えたが、おしいことに輪は棒を通らず、その上の部分に引っかかっている。
 
 そのまま輪が棒を囲むように落ちればOKだが、反対に落ちると外に出てしまいアウトになってしまう。
 
 インかアウトか微妙なところであるが、ガンダーギラスは「勝った、勝った!」と、大喜び。
 
 さもあろう。おしいことはおしいが、輪は棒を通ってない。ガンダーギラスの勝ちに見える。
 
 が、ここはゾーンファイターもゆずらない。
 
 なんといっても、これがアウトなら地球は終わりなのだから、不屈の闘志で食らいつく。勝利を主張するガンダーギラスに、
 
 
 「待てガンダーギラス。これはノーカウントだ!」
 
 
 決死の抗議
 
 私もSF小説や映画で山のように地球滅亡のピンチを見てきたが、
 
 「輪投げがノーカンかどうか」
 
 これですべてが決まるという最終決戦は、はじめてである。
 
 というか、このストーリーにはもうひとつ
 
 「Kスイ星の地球接近」
 
 という大ピンチもあったはずなのだが、みなとっくに忘れているというか、もうそんなことはだれも気にしていない
 
 こうして、「アウトだ」「いや、ノーカンだ」と不毛なやりとりをするヒーローと怪獣。
 
 なにをやっているのかとあきれるというか、そもそもにして、こんなスットコな提案に渋い顔をしながらも、いちいちつきあってくれるガンダーギラスって、すごいいいヤツじゃん!
 
 ついには、無茶ばかりいうゾーンファイターに業を煮やしたガンダーギラス(いい人)は、ふてくされてプイッと後ろを向いてしまう。
 
 まるで子供であるが、気持ちは大いにわかるところだ。
 
 こうして、いよいよ進退極まったに見えたファイターと視聴者だが、なんとここから話は、まったく予想もしなかったハードな展開になっていくのだから、昭和のドラマはあなどれないのである。
 
 
 
 (続く→こちら
 
 
 

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