海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

骨董品のカメラマンベスト

2016-05-18 | 写真日記

骨董品に近いカメラマンベストはtamrac

 

このカメラマンベストを見て懐かしいと思ったりまだ持ってんの!?と思った人は、フィルム時代を知っている人。1989年に始めて買いこのベストは3着目。一番活躍したのは1990年にF1の取材から始まり国内の送電線の鉄塔やダムの現場(建築中)やレインボーブリッジ(建築中)やマレーシアのペトロナスタワー(建築中)そして、モンゴルの砂漠など身軽でないと危険が待ち受けている場所で、カメラバックが邪魔になる場所のみで使用してきたベスト。今回は約10年ぶりにこの「tamrac」のベストにお世話になった。

本来こんなベストを着るのは好きではない。でも、このベストの中にレンズやボディなどを詰め込むと機動性が相当上るので、危険な場所などすべて一人で行動しなければならない場所では必需品なのだ。このベストを今でも持っている理由は着丈が短い事に尽きる。そして、私の今使っているミラーレスカメラに丁度良いサイズ。

今回の茶畑ではこのベストを着て一番小さいバックをたすき掛けにして撮影したので、狭い樹と樹の間も難なく通り抜ける事が出来たし人を追いかけて走る事も出来た。このベストの中には背中のポケットに雨具も入っているので、急な天気にも対応出来る。今回はフジのミラーレスのみで撮影したのだが、カメラがコンパクトで軽く機動性は抜群。これが、数年前まで使っていたフルサイズ一眼レフだと思うと腰が引けてしまうし、もうフルサイズ一眼には戻れない。

そして、茶摘みの現場で一番活躍したレンズはズームレンズ。寄れない引けない現場ではズームに頼るしかない。そして、室内では明るい単焦点レンズを使いストロボは一切使わなかった。こんな時には小型のLEDライト(色温度調整付)が一番適している。使い方は室内の灯りを利用し足りない部分をLEDで補うという使い方なので、メインライトでなくあくまでも補助光としてスポット的に使う。最近はカメラの高感度特性が飛躍的に良くなっているので小さな光量のLEDは私の最近の一番の武器ともいえる。

☆山の中や砂漠など埃やダニなどの小さな生物がいる場所では、カメラやレンズの取り扱いに注意した方がよい。一度だけの経験だが、ファインダーを覗いていると小さな虫がファインダースクリーンを横断した事があった。最悪なのはその虫の糞がセンサーに付着すること。また、砂漠などではレンズ交換は極力控える事と、レンズを交換する場合は大きめのゴミ袋の中で風向きを考えて交換しゴミ袋は使い捨てにする事をお勧めする。砂漠では目に見えないような微粒子の砂が舞っているからだ。なのでレンズ交換をする必要のないズームレンズは重宝する。

フジやオリンパスのミラーレスを使い、レンズ付ボディ3台を肩と首からぶら下げてカメラマンベストを着れば機動性抜群。

 

 

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鳳凰単叢の茶畑へ 2

2016-05-17 | 写真日記

山頂に泊まった翌日は思ったほど寒くなく天気も悪くないとの事だが、山頂の天気ほど読めないものはない。また、今日晴れても明日の保証はないので、今日撮れるだけ撮りまくる。足場が悪い山に入るので、10年ぶりにカメラマンベスト着用。

 

朝の食事へ 

 

霧ではなく雲の中を徒歩で現場へ

 

山頂付近は数分おきに厚い雲に覆われ10m先が見えなくなる事も


足場は岩と土で崩れやすい場所も多い

 

この日は樹齢17年の樹を摘む

 

摘み取るのは先の方の若葉のみ

 

摘んだ葉を集め下の道まで 

 

摘みたての茶葉

 

摘んだ茶葉を天日干し

 

この天日干しも気温や湿度により時間調整しなければならない

今回はフジの単焦点レンズで通すつもりだったが、茶摘みの現場は山の傾斜がきつく茶の樹もあり寄りも引きも出来ず、結局ズームレンズに頼らざるをえなかった。途中カメラのストラップが切れるアクシデントも。そして、晴れ男のジンクスはこの日守り通した。その後、室内で茶が出来るまでの工程を撮影。もう一泊して撮影する予定だったが、翌日は天候の問題で中止になり山を下りる。

緑茶は不発酵だが、烏龍茶は青茶の部類に入り半発酵させる。製造工程は、採茶→天日干→室内で冷却→発酵→釜炒り(発酵を止める)→揉捻→包揉(形成)→ほぐす→乾燥→仕上げと続く。工程を撮影していると室内に茶の香りが充満し、もうそれは身も心も洗われるような気分に。

☆X-Pro1 X-T1 XFレンズ この茶畑ではフジのカメラのみで撮影。このフジのXシリーズは緑の表現がとても美しい。そして、小型軽量レンズ性能良し。

 ☆これらの画像の無断転載禁止 権利は私とこの茶の製造会社にあります☆
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鳳凰単叢の茶畑へ 1

2016-05-16 | 写真日記

茶摘みは天気が勝負だが、山の天気は気まぐれなのでまったく読めない。私が関わっている茶の会社は鳳凰山の山頂にあるので、一年に一度しか収穫出来ない。なので4月から5月中旬までの45日間が勝負で、一年で一番忙しい時期。この期間は昼夜を問わず作業は終わらない。しかも天気が悪いと茶摘みが出来ないので、この45日間の茶摘み期間は必然的に天気との戦いとなる。もしこの収穫時期が過ぎてしまうと、茶の葉が育ちすぎて本来の品質が保てないのだ。

 

ゲートで車をチェック 

標高300mまでは道路は舗装されていて誰でも通る事が出来るが、この先は車のナンバーを登録した車しか通行出来ない。これは車の排気ガスで茶の樹を守るためでもある。このゲートを抜けてしばらくすると途中から未舗装なので、4WD車でなければ山頂までは行くことは無理。私達が潮州に着いた前の日までは市内の道が冠水したほど大雨だったのと、鳳凰山に登る前日も雨だったので一部崖崩れも発生していたため別ルートで標高1392mを目指した。

 

山頂一歩手前から下界を この鳳凰山は休火山だ

 

 

久しぶりに大陸で見る美しい夕暮れはモンゴルの砂漠以来の事。ここはPM2.5とは無縁の楽園だ。 

潮州市内から約2時間ほどかけてやっと茶畑に到着。到着後すぐに茶摘み現場に直行しロケハンも含めた撮影。その後、この会社の社長と会い数種類の茶の試飲をしながら打ち合わせ。ここの会社の茶は完全有機栽培でEUの検査にもトップで通過した折り紙つきの茶葉を製造している会社だ。昨年の2015年は300年ぶりの大雪で茶の収穫は大変だったそうだが、その中でも3kgしか収穫出来なかった樹齢数百年の樹から採れた鳳凰単叢の王様「通天香」をいただく。老木から採れたこの通天香は、クセがなく穏やかで口の中にも香りが漂い残る。名前の由来は、天にも届くほどの香りという意味。

この数日間に潮洲の茶の本社も含め試飲した烏龍茶は他に、八仙香・水仙香・蜜蘭香・杏仁香・鴨尿香など。この鴨尿香という茶は、直訳すると鴨のウンコ。外から来た人に教えたくない為にあえて鴨のウンコと命名したのが由来。鳳凰単叢は他の烏龍茶と違い、花やフルーツの香りがするので烏龍茶の中でも人気が高いのだが、日本では意外に知られてない。

明日は早朝から茶摘み。

X-T1 X-Pro1 XFレンズ 

☆これらの画像の無断転載禁止 権利は私とこの茶の製造会社にあります☆

 

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潮州の龍湖古寨は、広東省でもっとも古い街並みが残っている 2

2016-05-15 | 写真日記

この龍湖古寨の城内には一部修復された家屋が何軒かあり中に入って見る事ができた。外観は完全に中華だが家の奥は海外で成功し戻って来た華僑らしい証が残っていて、西洋風と中華風がミックスされている。

 

当時を再現し補修された門

 

奥に行くと西洋文化を一部取り入れた建物が

 

遺跡に近い

 

壁と木製ドアが風化し同化

大昔この村が倭寇に攻められた。その時にこの村の村長がとった行動は、飯や酒を大量に用意して海賊を盛大にもてなしたそうだ。そして、海賊達を酔わせ油断させた後に倭寇の頭領の首を刀で切り落とした。その突然の出来事に倭寇らは慌てふためき返り討ちに合い村を守ったという記述があった。上海もそうだが、倭寇が暴れまわった大陸の沿岸部には城壁が残っている場所が多い。

 

 南国らしくガジュマルの樹が多く、この樹もなすがままに育っている

 

 この村の奥ではゆっくりとした時間が流れていた

 

近代の過酷な時代を生き抜いた老女

老女は何か私達三人に語りかけてきたのだが、普通語がまったく通じないのと潮州市内の潮州語とも違う言語なので会話にならず。この「龍湖古寨」は観光地に入っているのだが人気がないので観光客は相当少ない。でも、無理して観光客を呼びこもうともしてないのが良い。

ここ龍湖古寨へは、晴れてない薄曇りの日にもう一度行ってみたいな。

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潮州の龍湖古寨は、広東省でもっとも古い街並みが残っている 1

2016-05-14 | 写真日記

龍湖古寨の入口

 

通りは細い路地が無数に

 

潮州の城内と同じような門が

 

門には無数の線香が

 

かろうじて色彩が残っている

 

一部廃墟状態の家屋もある

 

この「龍湖古寨」は、広東省の中でもっとも古い街並が残っている場所で、最古の家屋は南宋時代の建物もあるが、多くは明清時代の建物がほとんど。城内の中は細い路地で構成されていて車をこの城内ではまったく見なかった。ここは、観光客にはまったく人気がないようで、外国人客もここを訪れる人は数少なく、当日の客は私達のみ。


焼きそばだけで金賞を受賞

龍湖古寨の中では飯屋はたった一件だけで、家の軒先にテーブルが二つのみの店のメニューは焼きそばだけ。でも、ここの焼きそばはとても有名で賞を受賞しているだ。そのオヤジに作ってもらった焼きそばはびっくりするほど美味かった。麺は日本の焼きそばと同じ太さであっさりとした味付け。オヤジに聞くとコツは油を少ししか使わないとの事。あまりにも美味いので、三人であっという間に食べてしまったので画像はナシ。この潮州での食事は6日間ハズレが無かったのは、さすが広東省食い倒れの街。そして、食い倒れの街に美人はいないと言われる事にも納得。

 

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