鎌倉市長谷に「露座の大仏」、「鎌倉の大仏」、「長谷の大仏」として名高い浄土宗の寺院「大異山高徳院清浄泉寺」が鎮座している。法然上人(1133-1212)を開祖とする浄土宗の仏教寺院である。創建年(伝)は暦仁元年(1238)とあり、凡そ八百年近く前とされる。本尊の「阿弥陀如来像」である。人は誰しも「南無阿弥陀仏」と称えれば、その御加護に与ることができ、臨終に際しては極楽浄土に迎え入れられるが法然上人の説かれた浄土宗の教に感じ入るところがある。鎌倉の大仏は青銅製で高さは13.35m、お顔は2.35m、目が1m、耳の1.9m、総重量は121tという大きさと重さである。規模は奈良東大寺の大仏( 盧舎那仏) に及ばないが、造立当初の像容を保ち、我が国の仏教芸術史上ひときわ重要な価値を有している。建武元年(1334 ) および応安2年(1369)の大風と明応七年(1498 ) の大地震によって損壊の記録もある。この大仏像を見ているとなんとも高貴で安らかな、そしてどっしりと何事にも動じない美しさが漂い、日本のギリシャ彫刻のような気品が溢れる姿には誰もが魅せられる。両手は前で合せ親指と人差し指をそれぞれ接するように上品・上生という最高の位を示す姿をしている。人は誰しもという法然上人の「南無阿弥陀仏」の教えがひしひしと伝わってくる。茨木の小学生が「座ってばかりいないで散歩にお出かけください」と作った「大わらじ」が展示されている。(2406)
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