名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋研究(164); 四間飛車に中央位取り

2016-05-24 | 大山将棋研究
昭和49年7月、桐山先生と第4回早指し選手権です。


大山先生の四間飛車に桐山先生は中央位取り。

6筋の歩を交換すれば居飛車のポイントです。後で69歩があるので玉がかなり堅いのです。

だからと言って右から動くのは方向が悪いと思うのですが、こういう指し方ばかり見ますね。

派手な手が出ました。角を下に引いて飛車交換はよく見る手筋ですが、銀冠ですし、13香なので飛車打ちの隙が多いということなんですね。角もさばいたほうが飛車打ちの目標にならないので納得できます。こういうのが早指しでぱっと指せるのが大山先生の感覚の良さです。

飛角総交換の後、86歩が先手玉を直撃するので77角は普通の手なのですが、香を逃げられているのが癪で、つまりは振り飛車が指しやすいようです。

飛車打ちで飛車を合わせるのは手筋、少し桐山先生が得をしたようですが

両取りで飛車打ちを狙えば影響はないようです。

結局飛車を打って、先に桂香を拾えそうです。大山先生がやや有利。

とはいえ底歩が打てるので先は長いです。

端を工作して飛車打ち、結構うるさいですね。桐山先生が盛り返します。

これで駒損は大分回復できるのですが

銀と桂香の2枚換え、遊んでいた銀を取った(さばいた)のですから、大山先生がやや有利です。

43歩成をめぐり小競り合いから

2枚換え。トータルでは飛と銀桂香の3枚換え+歩切れですから大山先生の駒得です。そろそろ寄せに入ります。

互いに守りの金を攻め

でも大山先生はしっかり受けて手堅いですね。逆転を許さない指し方です。

と金が働き出してはっきりしました。

投了図。

中盤のさばき合いで指せるとみた大山先生の感覚が冴えていました。手堅くまとめる指し方は是非身につけたいですね。小さな駒得でも長引けば有利がはっきりしてきます。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:桐山清澄7段
後手:大山十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5八金(49)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5六歩(57)
14 8二玉(72)
15 5七銀(48)
16 7二銀(71)
17 9六歩(97)
18 9四歩(93)
19 6八銀(79)
20 4三銀(32)
21 5五歩(56)
22 5二金(41)
23 5六銀(57)
24 6四歩(63)
25 6六歩(67)
26 6三金(52)
27 6五歩(66)
28 同 歩(64)
29 同 銀(56)
30 6四歩打
31 5六銀(65)
32 7四歩(73)
33 5七銀(68)
34 1四歩(13)
35 6七金(58)
36 8四歩(83)
37 2五歩(26)
38 3三角(22)
39 3六歩(37)
40 8三銀(72)
41 3八飛(28)
42 3二飛(42)
43 1六歩(17)
44 7二金(61)
45 6八金(69)
46 8五歩(84)
47 4六歩(47)
48 1三香(11)
49 4五歩(46)
50 同 歩(44)
51 3五歩(36)
52 同 歩(34)
53 同 飛(38)
54 5五角(33)
55 3二飛成(35)
56 8八角成(55)
57 同 玉(78)
58 3二銀(43)
59 7七角打
60 3九飛打
61 3七飛打
62 同 飛成(39)
63 同 桂(29)
64 8六歩(85)
65 同 歩(87)
66 8七歩打
67 7八玉(88)
68 8八角打
69 8七玉(78)
70 7七角成(88)
71 同 金(67)
72 3九飛打
73 6九歩打
74 3七飛成(39)
75 3三歩打
76 同 龍(37)
77 1五歩(16)
78 同 歩(14)
79 1四歩打
80 同 香(13)
81 1二飛打
82 3七角打
83 1八香(19)
84 2八角成(37)
85 1四飛成(12)
86 1八馬(28)
87 3四香打
88 4二龍(33)
89 3二香成(34)
90 同 龍(42)
91 2四歩(25)
92 同 歩(23)
93 同 龍(14)
94 2三歩打
95 3三歩打
96 同 桂(21)
97 3四龍(24)
98 4六歩(45)
99 4四歩打
100 4七歩成(46)
101 4三歩成(44)
102 5七と(47)
103 3二と(43)
104 5六と(57)
105 4二飛打
106 6五香打
107 6一銀打
108 6二銀打
109 7二銀成(61)
110 同 銀(83)
111 3三と(32)
112 8三香打
113 5二金打
114 7一銀打
115 4三と(33)
116 6八香成(65)
117 同 歩(69)
118 6五桂打
119 7八金(77)
120 6六と(56)
121 8八桂打
122 8五歩打
123 同 歩(86)
124 8六歩打
125 同 玉(87)
126 7三桂(81)
127 投了
まで126手で後手の勝ち
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20160524今日の一手<その330>; 自然な手が正しい時

2016-05-24 | 今日の一手

20160524今日の一手

4月9日の名南将棋大会から、SさんとJさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の2歩得です。後手に持ち歩がないので先手の駒得です。
玉の堅さは同程度。28飛の守備まで考えればやや先手のほうが堅いのかもしれません。
先手の攻め駒は37角と持ち駒桂で2枚、66銀も交換になりそうなのでその時は3枚です。
後手の攻め駒は51飛33角65銀と持ち駒桂で4枚。

総合すれば互角です。

大局観として
後手の攻め駒が4枚なので減らさないといけません。つまり後手の飛角どちらかの利きを遮る手を考えます。そして駒得のまま局面が収まれば先手がよくなります。後手に持ち歩がなければ歩得だけでも十分です。

この前の問題は形勢がやや悪い時で、不自然な手も考えなければいけなかったのですが、今度は形勢が悪くないので自然な手から選びます。それで形勢は悪化しないはずです。

× 77銀と引けば56銀

これは後手に持ち歩ができて攻め駒4枚、十分です。


△ パッと見える手は44桂です。

これで角筋は止まるのですが66銀同銀56飛

金取りは放置でさばかれます。57銀打36飛65歩

と、一回嫌味をつけますが、73銀64歩同銀直32桂成

66角同銀同飛67歩76飛77歩

これくらいのところでしょう。先手の駒得ですが、遊んでいた金を持ち駒で取るというのはあまり良い手ではありません。形勢は互角とはいえ後手玉のほうが堅くて攻め駒も4枚なのですから、あまり選びたくはないのです。


○ 実戦での55銀とかわすのが一番自然でしょう。ただし王手のラインがあるので怖いのですが。

これで66歩と打てれば安心できます。実戦は43桂66歩55桂

銀桂交換ですが玉の安全度を重視しました。55同歩56銀打65歩47銀成

桂馬を得しましたが、37の角は逃げられません。77銀37成銀同桂55角

後手に持ち歩ができたので角と銀桂の2枚換えです。ですが後手の飛角の働きがよいので先手の難局です。桂取りを受ける気にもならないので(それでまだこれからでしたが)58飛57歩同飛77角成

これは気持ちよく攻められて敗勢です。

途中、56銀打に44桂

が正しいです。角筋を止めてしまえば慌てて銀を取る必要はありません。これなら先手有利でした。

後手の43桂はあまり良い感触の手ではありません。つまり44銀と相手の手に合わせて出るのが自然な手です。

角取りですし、43の桂が働きそうにないので一目先手よしです。56銀の時に33銀成67銀成同金33桂52歩

先手玉が薄いとはいえ、後手からはたいした攻めがなく、割打ちや26角を見て攻められます。これでもよさそうですね。

後手は55銀には54銀引が普通の手です。

今度は44銀では角を逃げられて空振りです。44桂42金54銀同銀24歩同歩22銀

これで22同角に64角が王手金取りで優勢です。


○ 前の変化、64角が両取りになるのでよかったのですが、少々危険な感じでした。55桂と打てば堅実です。

先手の角筋は止まりますが、後手の飛角両方が止まるのです。44桂は32桂成と使うくらいしかなかったのですが、55桂なら63桂成で囲いの銀をはがせるのです。まあすぐにとれるわけではないのですが、遊びにくいし、桂馬が移動すればまた角が使えます。
両取りなので66銀同銀54銀くらい。

45の歩を取られないように48飛73銀44歩

飛車も使って先手優勢です。後手は歩切れが痛いですね。


△ 一番普通なのは55歩ですが

55の利きが足りないのでやや不安です。また、37角を使うためには54歩と突きだすしかないので実現しにくく、ここで戦いになった時には反撃筋が少ないのが不安です。
66銀同銀47銀

これで36銀成あるいは56銀成が受けにくいです。両方受けるのは48桂ですが、35歩同歩36桂

と強引にこじ開けられてもまずそうです。26飛48桂成同金同銀成同角65歩77銀55角

手数が長いですが一本道で、清算して角をさばかれてこれではだめでしょう。

26飛と片方だけ受けたら

56銀成67銀55成銀

55同銀同角同角同飛

形勢は互角ですが後手も十分さばけました。


形勢が互角かやや指しよいと思えば、自然な手を選びます。
問題図で銀は取れない、66銀と56歩の両取りですから、66銀と56銀の両方を防ぐ手を考えます。

実戦の55銀は少し怖いのですが、後で64銀という攻め筋もあるので、問題がなければ選択したいという手です。相手の手を読まないと指しきれませんから、読みが得意な人向けです。

55歩は一番普通ですが、66銀同銀で相手の手番で(忙しくないのでなんでも選べる)、いつでも55角から攻められそうなので、ちょっと不安です。

44桂は金取りですが56銀を受けていないので手抜かれたら金を取るのがそっぽに行く感じです。

55桂が一番堅実ですね。55の地点に利きが3枚、怖いのは54歩で取られることですが、後手は歩切れです。
44桂がアウトで、55桂がセーフ、こういう感覚は身につけておきたいです。


細部修正しました。20170524

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大山将棋研究(163); 石田流に棒金

2016-05-23 | 大山将棋研究
昭和49年6月、米長先生と第15期王位戦です。


米長先生の三間飛車、となれば大山先生は居飛車です。

さらに穴熊ですね。大山先生の持久戦、位取りを見越してのことでしょう。

それを見て大山先生は棒金に。

普通の石田崩し棒金は46歩47金の形の後ですが、米長先生は45歩から44銀と組みました。13角としていないので端は攻められません。

4筋の歩を交換して、47銀の形を作ります。

米長先生は角を転回し、これでは右から攻めにくいです。1歩持っていれば45歩があるのですが、歩は手に入れにくいですね。そこで大山先生は65歩と頑張りました。

米長先生は反発したので1歩手に入り、大山先生は45歩と行きたいのですが角のにらみがあると危ないです。ですから角を追いに行きます。互いに強気です。

その流れで銀を出てしまったのですが、これがまずいです。角を引かれて銀が殺されそう。ここは65歩53角17桂として、24歩を逆用する動きに出るべきでしょう。

角を追って歩を突きだします。でも25歩からチャンバラです。

金銀の交換で桂取りが残るので、まあまあに見えるのですが

空間に金を打たれるのが痛いです。

桂取りも防がれて、64歩があります。銀を打って64歩を防いだのですが、これが敗着です。ここは64歩と打っておくくらいです。

ここから米長先生の寄せの手順。角を切って銀を打ち込み手ごたえありです。

桂馬を成って大さばき。飛車は取られますが

銀を取って打ち込みます。これで77金と69角があるので受けはありません。

大山先生は66金を消去しますが米長先生は金を取って馬を潜り

これで必至です。


米長先生と大山先生は、将棋の上では気が合わないので反発してけんかになります。将棋を指していないときは米長先生が折れていたと聞きますが。
米長先生の石田流と穴熊を欲張りと見たのでしょう、大山先生は棒金で動きますが、13角と指されていないので47銀の形が必要でした。44銀で35の歩を守られては大山先生の作戦失敗です。
そこからどちらも玉を囲わずに戦います。勢いで出た65銀がまずく、米長先生が有利、さらに75銀と打ったのが敗着で、そこからの穴熊(入っていませんが)の強引にもみえるきれいな寄せが決まりました。
ケンカ将棋を楽しめます。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十段
後手:米長邦雄8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3五歩(34)
5 5六歩(57)
6 3二飛(82)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 6八銀(79)
14 8二玉(72)
15 9六歩(97)
16 9二香(91)
17 2六歩(27)
18 4四歩(43)
19 2五歩(26)
20 3四飛(32)
21 3八金(49)
22 1四歩(13)
23 2七金(38)
24 4三銀(42)
25 6七銀(68)
26 3三桂(21)
27 2六金(27)
28 4五歩(44)
29 1六歩(17)
30 5二金(41)
31 7九角(88)
32 4四銀(43)
33 4六歩(47)
34 同 歩(45)
35 同 角(79)
36 1三角(22)
37 6八角(46)
38 5四歩(53)
39 4六歩打
40 3一角(13)
41 4七銀(48)
42 5三角(31)
43 6五歩(66)
44 6四歩(63)
45 同 歩(65)
46 同 角(53)
47 6六銀(67)
48 2四歩(23)
49 6五銀(66)
50 4二角(64)
51 4五歩(46)
52 2五歩(24)
53 同 金(26)
54 同 桂(33)
55 4四歩(45)
56 同 飛(34)
57 4六歩打
58 6六金打
59 7七桂(89)
60 6七歩打
61 7九角(68)
62 2四飛(44)
63 7五銀打
64 同 角(42)
65 同 歩(76)
66 6八銀打
67 同 角(79)
68 同 歩成(67)
69 同 金(69)
70 6七歩打
71 5八金(68)
72 3七桂成(25)
73 2四飛(28)
74 4七成桂(37)
75 同 金(58)
76 6八銀打
77 8九桂打
78 6九角打
79 8八玉(78)
80 4七角成(69)
81 3三角打
82 6九馬(47)
83 6六角成(33)
84 7九馬(69)
85 9八玉(88)
86 7八金打
87 8五桂(77)
88 7七銀(68)
89 同 馬(66)
90 同 金(78)
91 投了
まで90手で後手の勝ち
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大山将棋研究(162); 四間飛車に中央位取り

2016-05-22 | 大山将棋研究
昭和49年6月、有吉先生と第1回名将戦です。


大山先生の四間飛車に有吉先生は中央位取り、有吉先生のイメージは玉頭位取りなのですが。

6筋の歩交換ができれば居飛車のポイントです。後になって62飛から迎え撃つ対策が出て、この順は難しくなりました。

大山先生が居飛車を持っても石田流に46歩を突くのですが、現代風は(といってもこの頃は見ないのですが)16歩から26飛ですね。66銀~97角~65歩というのがこの場合の理想です。銀冠で対応されたら66角の形のほうがよいという場合はあります。

玉を固めたら強く戦うのが有吉先生らしいです。

36歩を手抜くことは少ないのですが、見向きもしません。37歩成なら24飛なので問題なし。

飛車を切って角を打つのは当たり前ですが、32から打つのが普通ですね。33飛なら61角成で2枚換えなのですから33飛を嫌ったということでしょうが、32角33飛21角成でも悪くないので、小さなミスかもしれません。

42歩と受けられて桂馬を取りに行くのでは2手損です。

桂馬を取って銀を追います。飛角交換ですが、先に桂馬を取って主導権があります。

香も拾ってまあまあです。

大山先生も桂馬を拾っていい勝負ですね。

この馬が好位置。居飛車よしかと思えば

この桂馬も急所です。

金と交換できて、歩を伸ばす。これが取りにくいので形勢は難しいとはいえ、振り飛車がよいのかもしれません。

互いに桂馬を打ちあいます。すぐに55桂とできないので大山先生のほうがいいのでしょう。

強引に打ちこみます。馬取りなので65銀は利かず。

香で手を稼ぐのは少し苦しい受けです。

香を取られる前に

銀を打って補強します。

でもこの歩は痛いです。

これで一段落ですが、いつの間にか後手玉が固まっています。大山先生が有利。

さらに飛車を活用できて優勢になりました。

一度竜を引くあたりがさすがに大山先生、よく見えています。

あとは難しい手は必要なく、べったり金を打って底歩を払えば寄せになります。

もう受けがありません。

投了図。

仕掛けは有吉先生がまずまずですが、32から打ってややよしかという気がします。そこから長い攻防ですが、振り飛車からの55桂や65桂がかなり有効に効きました。位の歩を突き捨てたのならもう少し戦果がないといけないということですね。有吉先生が悪手を指したとも思えないのですが、細かい攻防でいつの間にか有利にしてしまう大山先生の強さ、繰り返し並べるとよくわかります。
私が居飛車をもってこんな負かされ方をしたら脱帽しかありません。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:有吉道夫8段
後手:大山十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5八金(49)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5六歩(57)
14 7二玉(62)
15 5七銀(48)
16 8二玉(72)
17 9六歩(97)
18 9四歩(93)
19 5五歩(56)
20 7二銀(71)
21 5六銀(57)
22 5二金(41)
23 6八銀(79)
24 6四歩(63)
25 6六歩(67)
26 6三金(52)
27 6五歩(66)
28 同 歩(64)
29 同 銀(56)
30 6四歩打
31 5六銀(65)
32 7四歩(73)
33 5七銀(68)
34 1四歩(13)
35 2五歩(26)
36 3三角(22)
37 6八金(69)
38 3五歩(34)
39 6七金(58)
40 3二飛(42)
41 4六歩(47)
42 1三香(11)
43 1六歩(17)
44 5一角(33)
45 2四歩(25)
46 同 角(51)
47 4五歩(46)
48 3六歩(35)
49 4四歩(45)
50 同 銀(43)
51 5四歩(55)
52 4二飛(32)
53 4三歩打
54 同 飛(42)
55 2四飛(28)
56 同 歩(23)
57 3四角打
58 4二歩打
59 4五歩打
60 3三銀(44)
61 1二角成(34)
62 5四歩(53)
63 2一馬(12)
64 3四銀(33)
65 4四歩(45)
66 5三飛(43)
67 1二馬(21)
68 2五銀(34)
69 4五桂打
70 5二飛(53)
71 1三馬(12)
72 4九飛打
73 2四馬(13)
74 2九飛成(49)
75 3六歩(37)
76 同 銀(25)
77 4六馬(24)
78 4五銀(36)
79 同 銀(56)
80 5五桂打
81 5六銀(45)
82 6七桂成(55)
83 同 銀(56)
84 5五歩(54)
85 6九歩打
86 6五桂打
87 6六銀(57)
88 4九龍(29)
89 4七桂打
90 5六金打
91 同 銀(67)
92 同 歩(55)
93 5八歩打
94 5七銀打
95 同 歩(58)
96 同 歩成(56)
97 5五香打
98 6八と(57)
99 同 歩(69)
100 5四歩打
101 6七銀打
102 5五歩(54)
103 5八銀打
104 3九龍(49)
105 4三歩成(44)
106 同 歩(42)
107 5五桂(47)
108 5七歩打
109 6五銀(66)
110 5八歩成(57)
111 同 銀(67)
112 7三金(63)
113 5六銀(65)
114 3二飛(52)
115 4九歩打
116 3八飛成(32)
117 4七銀(56)
118 4四香打
119 4五桂打
120 3四龍(38)
121 5六銀(47)
122 5九金打
123 6七銀(58)
124 4九龍(39)
125 4七歩打
126 3八龍(34)
127 4三桂成(55)
128 4五香(44)
129 同 銀(56)
130 5八金(59)
131 同 銀(67)
132 同 龍(38)
133 6七金打
134 6五桂打
135 投了
まで134手で後手の勝ち
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20160522今日の一手<その329>; 自然な手でもうまくいかないとき

2016-05-22 | 今日の一手

20160522今日の一手

4月9日の名南将棋大会から、YさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。一昨日と似ていますが、何が違うか考えてみるのもいいでしょう。先手のYさんは同じ人です。





一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は86角と持ち駒銀で2枚。
後手の攻め駒は51飛44角65銀で3枚。

総合すればやや後手が指しやすいです。

大局観として
先手Yさんがが86角と出て角を使ったのですが、攻め駒は増えたとはいえ守りが弱くなるのでやや危険でした。チャンスと見た後手Hさんは銀を打って攻めに出ました。持ち駒の銀を打ってもらったのは良いのですが、後手の攻め駒は3枚、さらに45桂と跳ねられたら4枚で受けきれなくなります。ここはしっかり考えなくてはいけません。
受けるのですから駒損ではだめです。と言って駒得でも玉が危険になったら元も子もないです。相手より優位なところがないのに受けるのは難しいです。どうにか形勢互角までもっていきたいという局面です。


× 56と66の地点を受けるのですから一目は57銀と打つのですが、45桂

これがあるので難しい局面なんですね。46銀66銀45銀67銀成

44銀78成銀同玉44歩

これで一段落です。金銀歩と角桂の交換(将棋用語で三枚換えというのですが、1対3のときと2対3のときがあって紛らわしいです)でやや後手が駒得、先手玉が薄くなり、後手の攻め駒も4枚になっています。ですからこれは後手が優勢。

戻って、45桂に58金57桂成同金85銀

銀桂交換で我慢しようとしても角の位置をとがめられます。68角76銀右(左もある)77桂67銀成同金上54銀

銀歩と桂の2枚換えでこれではだめです。


× 56を受けて58飛66銀同銀同角とか



× 66を受けて77角56銀同銀同飛67金51飛とか

こういうのは歩を損していますからダメな受け方です。


○ となれば残りの受けは55銀しかありません。

角が逃げてくれればよいのですが、56銀同銀55角

この攻め方、少し前に矢倉の将棋で出てくる攻め方だと書きましたね。一目やられた、という感じです。でも55同銀同飛21角

こんなところに返し技があるので、これは互角以上です。仮に11香の形なら後手がよいです。

実戦では角を取り切れず67銀打44角58飛69銀

中央から反撃を狙いましたが後手のペースです。この後は57歩から58金と打ちこんでから飛車交換に持ち込み、後手が簡単に勝ちました。


○ 単純な受けはここまで。あとは86角を生かす手です。53銀。

53同角同角成同飛65歩

57角と打たれますが、46銀84角成75角

馬は消せます。この変化は互角以上です。

53銀に66角は

66同銀同銀に39角が好手。65銀には77桂


57銀打には24歩同歩同飛

これで67歩を狙います。

57歩には68飛65銀77桂

どれも先手がよさそうです。余裕ができれば(56飛を防げれば)42銀成がありますし、後手が53の銀を取るには41飛~52歩の2手が必要ですからどうにかなるのです。


△ 欲張って42銀と打ってみます。

42同金は同角成66銀43馬

67銀成44馬78成銀同玉56飛67金

先手玉が薄いのでまだまだ大変ですが、馬の存在も大きいです。57金と打たれて66銀・・・これはいい勝負。

あるいは少し戻って43馬に41飛44馬67銀成43金78成銀同玉

というのもありますか。これもいい勝負です。

42銀に66銀もあり

66同銀同角77銀同角成同桂56飛21角

これもいい勝負ですが、先ほどよりは先手玉が堅いので少し安心できそうな気もします。

42銀に54飛と逃げると

53銀成74飛(取れば53銀の変化に合流します)77金

84飛65歩86飛同歩53角

これも互角に近いです。

あるいは53銀成に84飛

55歩86飛同歩53角65歩

どちらもありそうです。

42銀に52飛は41銀不成で

54飛32銀不成66銀43銀成

これは銀が手順に使えるのでやや先手よしです。


問題図はやや後手がよいので、自然な手である57銀(受けるなら歩が前で金駒が下のほうがよい)は45桂を食らって悪くなりそうです。

実戦の55銀はやや不自然、角が逃げてもらえば優勢、というのはムシの良い話で、こういう手は危険なのです。56銀と根元の歩を取られて強引に攻められます。
ただしこの後21角があるので形勢は互角以上です。もし21角がなければ後手よしです。

受ける手がなければ(実際は55銀でまあまあのわけですが)、前に指した86角を生かすことを考えます。53銀に気が付けばややよしです。

飛車取りに42銀もよさそうに見えますが、44角の働きがよいのですから角取りの53銀よりも劣ります。これはなかなか難しい変化があります。

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第162回名南将棋大会(壱)速報

2016-05-21 | 名南将棋大会
今日は第162回名南将棋大会(壱)を行いました。結果速報です。

A級優勝
渋江朔矢さん


B級優勝
葛西直樹さん


C級優勝
大河内正男さん


優勝おめでとうございます。
参加いただいた皆様ありがとうございました。


前回までの優勝者12か月分をまとめてみました。(クリックで大きくなります。)
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大山将棋研究(161); 急戦向い飛車

2016-05-21 | 大山将棋研究
昭和49年6月、佐藤大五郎先生と第22回王座戦です。


佐藤大五郎先生の急戦向い飛車。ずいぶん早い仕掛けです。四間飛車が多かったとおもいますが、攻める振り飛車党です。

角で取ってから金を上がりました。

それなら42に引いて歩を打たせたほうが得なのですが、23歩から飛車交換されて困ります。
そこを妥協したので大山先生も控えて歩を打ちました。25から打てば35歩から34銀とか、45歩とか、14歩から13桂とかを気にしなければいけません。

局面は落ち着いて大山先生は玉頭位取りに。ただし応援は少ないので危ない感じです。

85銀は角を逃げておけば銀は助けにくいので一応は大丈夫。

一呼吸おいてぶつけられました。

銀の打ちあいは大山先生のほうが形がよいですが

これで位は保てません。

大山先生は歩損を気にしないほうで、3筋を突き捨ててから25歩と伸ばします。左で損をしたので戦いを起こしたいのです。

角を移動して5筋4筋と突き捨てて

角を出て24歩と伸ばします。34金があるのですが。

これで飛車の取り合い、いや、角も取られますね。

角を損しても飛車打ちが厳しいということですが

これで角を取って飛金交換では2枚飛車でややこしいということでしょうか、飛車を逃げました。

佐藤先生はうまくしのぎました。

桂馬は取りましたが大山先生の駒損です。ただし玉の堅さでは優ります。形勢は難しいところですが、この局面、46歩ではないでしょうか。同銀は27角、同竜は56歩。でも35竜から飛車交換で22飛から金を取る手段もありますね。
35竜でもうるさいからと、佐藤先生は玉頭から動いたのでしょう。

金に銀をぶつけようということですね。大山先生はこの合間に香を拾って

金銀交換の後

香打ちです。これで角は逃げにくく、形勢は大山先生のほうに傾きました。

大山先生の玉は右辺に逃げ出します。でも2筋の飛金に近づくので大変そうです。

これで37金から28飛成が実現すれば事件です。

83角から27歩ですか。これが明快です。普通に38歩は37金同桂29飛成で詰めろ。39金で残っているように見えますが。

36の歩を消去して竜が受けに利いています。

後手玉はこれで詰める。受けはなさそうです。

投了図。


角を捨てての飛交換は驚きました。大山先生は悪くないと判断しているのですが、仕掛けの時にわかっていたのでしょうか。そのあと佐藤先生もうまくしのいで形勢は難しかったと思います。途中、やはり46歩を入れておけば本譜の順で79角から竜を取れたわけですし、そのあたりで形勢が揺れ動いたのかという気がします。
大山先生のうまいしのぎと寄せの確かさが学べます。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十段
後手:佐藤大五郎8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 3二銀(31)
9 5六歩(57)
10 4三銀(32)
11 6八玉(59)
12 2二飛(82)
13 7八玉(68)
14 2四歩(23)
15 同 歩(25)
16 同 角(33)
17 4六歩(47)
18 3二金(41)
19 6八銀(79)
20 3三角(24)
21 2六歩打
22 6二玉(51)
23 3六歩(37)
24 7二玉(62)
25 4七銀(48)
26 5四歩(53)
27 9六歩(97)
28 9四歩(93)
29 6六歩(67)
30 6四歩(63)
31 1六歩(17)
32 6二銀(71)
33 7五歩(76)
34 6三銀(62)
35 6七銀(68)
36 7四歩(73)
37 同 歩(75)
38 同 銀(63)
39 9七角(88)
40 4二角(33)
41 7五歩打
42 6三銀(74)
43 8六角(97)
44 8四歩(83)
45 8八玉(78)
46 5二銀(43)
47 7六銀(67)
48 7四歩打
49 同 歩(75)
50 同 銀(63)
51 7五歩打
52 8五銀(74)
53 同 銀(76)
54 同 歩(84)
55 5九角(86)
56 6三銀(52)
57 7六銀打
58 8四銀打
59 7八金(69)
60 7四歩打
61 同 歩(75)
62 同 銀(63)
63 5八金(49)
64 7五歩打
65 6七銀(76)
66 3三角(42)
67 3五歩(36)
68 同 歩(34)
69 2五歩(26)
70 1四歩(13)
71 6八角(59)
72 6五歩(64)
73 3四歩打
74 4二角(33)
75 6五歩(66)
76 同 銀(74)
77 6六歩打
78 7四銀(65)
79 5五歩(56)
80 同 歩(54)
81 4五歩(46)
82 同 歩(44)
83 3五角(68)
84 4三金(32)
85 2四歩(25)
86 2六歩打
87 同 飛(28)
88 3四金(43)
89 2三歩成(24)
90 3五金(34)
91 2二と(23)
92 2六金(35)
93 3二飛打
94 5一金(61)
95 4三歩打
96 4一金(51)
97 3四飛成(32)
98 2四飛打
99 4五龍(34)
100 5三角(42)
101 5四歩打
102 6四角(53)
103 2一と(22)
104 8六歩(85)
105 同 歩(87)
106 8七歩打
107 同 金(78)
108 8五歩打
109 1一と(21)
110 8六歩(85)
111 同 金(87)
112 7六歩(75)
113 同 金(86)
114 8七歩打
115 7八玉(88)
116 7五銀(84)
117 同 金(76)
118 同 銀(74)
119 6五香打
120 7七歩打
121 6八玉(78)
122 8八歩成(87)
123 6四香(65)
124 7八歩成(77)
125 5七玉(68)
126 6四銀(75)
127 7六桂打
128 7九角打
129 4八玉(57)
130 7三銀(64)
131 8四歩打
132 3六歩打
133 8三角打
134 8二玉(72)
135 2七歩打
136 同 金(26)
137 3六龍(45)
138 7二歩打
139 6三銀打
140 6二金打
141 同 銀成(63)
142 同 銀(73)
143 7四角成(83)
144 6八と(78)
145 8三歩成(84)
146 7一玉(82)
147 8二金打
148 投了
まで147手で先手の勝ち
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大山将棋研究(160); 向い飛車に金立ち戦法

2016-05-20 | 大山将棋研究
昭和49年6月、大内先生と第24期棋聖戦です。


大内先生の向い飛車。大内先生は振り飛車党ですがたまに矢倉もあります。攻める振り飛車党なので、向い飛車もそれらしい選択です。

向い飛車に金立ち戦法、初めてみました。

大内先生は陣形整備の前にもう動きます。72銀は指しておきたかったのですが、55歩を嫌ったということでしょう。

1歩を手に入れて角交換。狙いが見えてきました。

46金には45歩で金が死にます。なので角を打って

金をぶつけます。どうやら大内先生の仕掛けが無理だったようです。

香を取って大山先生の駒得。

大内先生は飛車を逃げずに桂馬を生かすのですが

飛車を捨てて手に入れた銀を自陣に投入するのでは苦しいです。駒損で守っているのではだめでしょう。

大山先生は相手の手に乗って角をさばきます。

この歩を突くのは意味がわからない手です。攻めようがないからどうにか玉頭を手厚くしてということでしょうか。

桂馬を打ちあって

大内先生はまたも金を投入しますが、これでは逆転しようがないです。

こういう時には無理をせずに、長期戦でもいいですよ、と金で攻めますよ、というのがいいですね。

66の桂は金と交換できて、角が手順に玉頭をにらみます。

あとは と金で攻めるだけです。

88の銀は壁なので、逃げるのでもいいですし、取らせてもいいでしょう。

76桂の嫌味を消して

馬を逃げても問題はないのですが、ここで鋭い寄せがあります。

桂から金を捨てる。指されても何のことかわかりにくいですが、71馬同銀92銀の筋を狙っています。つまり香で取れないのです。

これで投了図。格好いい決め方です。

大山先生の快勝譜、有利なときの指し方を学べます。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十段
後手:大内延介8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 2二飛(82)
9 6八玉(59)
10 4二銀(31)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 9六歩(97)
14 7二玉(62)
15 3六歩(37)
16 8二玉(72)
17 5八金(49)
18 9四歩(93)
19 1六歩(17)
20 1四歩(13)
21 5六歩(57)
22 5四歩(53)
23 5七金(58)
24 4三銀(42)
25 4六金(57)
26 1五歩(14)
27 同 歩(16)
28 同 香(11)
29 1六歩打
30 4五歩(44)
31 同 金(46)
32 8八角成(33)
33 同 銀(79)
34 3三桂(21)
35 7七角打
36 3二飛(22)
37 2四歩(25)
38 同 歩(23)
39 4四金(45)
40 同 銀(43)
41 同 角(77)
42 2五桂(33)
43 1五歩(16)
44 3五歩(34)
45 3三銀打
46 3六歩(35)
47 3二銀成(33)
48 同 金(41)
49 2一飛打
50 7二銀打
51 8六香打
52 4三金(32)
53 3五角(44)
54 4四歩打
55 2四角(35)
56 3七桂成(25)
57 同 桂(29)
58 同 歩成(36)
59 同 銀(48)
60 2七歩打
61 5八飛(28)
62 7四歩(73)
63 4六角(24)
64 5五歩(54)
65 同 角(46)
66 6四桂打
67 6六桂打
68 8四歩(83)
69 2三飛成(21)
70 5二金打
71 3四歩打
72 4二金(52)
73 2二龍(23)
74 8三玉(82)
75 2四歩打
76 5三金(42)
77 3三歩成(34)
78 5四金(43)
79 同 桂(66)
80 同 金(53)
81 6六角(55)
82 7三銀(72)
83 4三と(33)
84 7二金(61)
85 5二と(43)
86 6五金(54)
87 4四角(66)
88 5七歩打
89 1八飛(58)
90 7六桂(64)
91 6一と(52)
92 8八桂成(76)
93 同 玉(78)
94 8二銀(71)
95 7七歩打
96 6四角打
97 6二と(61)
98 同 金(72)
99 同 角成(44)
100 4二歩打
101 6三馬(62)
102 3七角成(64)
103 4二龍(22)
104 6二歩打
105 同 馬(63)
106 7一銀打
107 9五桂打
108 同 歩(94)
109 9四金打
110 同 玉(83)
111 9五歩(96)
112 8三玉(94)
113 9三金打
114 投了
まで113手で先手の勝ち
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20160520今日の一手<その328>; 右玉の背景

2016-05-20 | 今日の一手

20160520今日の一手

4月9日の名南将棋大会から、YさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は28飛と持ち駒角銀で3枚。
後手の攻め駒は持ち駒角銀で2枚。

総合すれば先手やや有利です。

大局観として

角換わりの戦法は、棒銀(27~26)、早繰り銀(37~46)、腰掛銀(47~56)とあるわけですが、この比較をご存知でしょうか。攻め足の速さは 棒銀>早繰り銀>腰掛銀 の順です。でも棒銀には早繰り銀で対抗すれば隙が少なく、早繰り銀は腰掛銀で追い返すことができ、腰掛銀は攻め足が遅いので棒銀に対応が難しい、という三すくみの関係があります。
問題図は後手の63銀(これは腰掛銀になる)を見て棒銀に出て、銀交換に成功したので先手の作戦勝ちです。作戦負けの時には視点を変えるというか、玉の囲い方を変えるのが有力な考え方です。この場合は後手は右玉にしてしまおうとしています。先手の右銀と後手の左銀の交換で、後手の守りの銀が消えて囲いが弱体化、先手は攻め駒として十分使えた、ということで作戦勝ちなんですね。玉を右に、62か72にもっていけば、後手の金銀3枚が守りの駒、攻め駒として銀を手にしたのですから互角になっていくという寸法です。ただし32の金は玉の守備に就いているわけではないのでやや薄く、代わりに飛車の縦横の利きでカバーしようとするわけです。

つまりあまりのんびりしていると形勢互角になり、もっとのんびりしていると怪しくなります。相手の飛車のほうに玉を囲うわけですから。おそらく一番いいのは早期決戦です。
普通は右桂を使って4枚目の攻め駒とすることを考えるのですが、37~45と跳ねても目標がないので響きが薄いです。ですから後手陣の弱点はどこか考えて、攻め筋を見つけます。棒銀や早繰り銀はなかなか4枚目の攻め駒を作るのは大変です。だから腰掛銀が流行するのでしょう。


△ 実戦は15歩62玉25銀と進みました。

15歩はこの場合は後手玉の反対側なので、急戦を狙うなら省略したほうが良いです。(後手が42玉としてくれるならとても良い手だったとなります。)さらに持ち駒の銀を打つのは少しつまらないのですが、34銀を防ぐのは案外大変です。33銀56角35歩26飛

26飛も指さなくてよい手です。この後は72玉34銀同銀同角33桂

24歩同歩同飛45角

45同角同桂34銀57桂成同金65歩

ここで37角として後手玉を目指して反撃すればまだ先手有利でした。実戦は35桂から23桂成として桂馬を渡したのでこういう図になり

後手の攻めが強力すぎました。右玉に対して玉のいないほうばかりを攻めても大きな戦果は得られません。

途中、26飛を省略して34銀としたいです。

もちろん16歩51玉のままならもっといいのですが。23の地点が守れないので銀交換は避けられません。34同銀同角24銀くらいで、もう少し進めてこういう図

24銀など相手にしないで、56角と戻して75歩を狙います。この筋が急所です。
同じような形が後で出てきます。


× もし持久戦を目指すとこんな図で

右桂を跳ねることを考えるわけですが、後手からの55銀から65歩という筋がうるさく、これは先手不利です。あるいは55銀は打たないで65歩同歩同桂というのも結構うるさいです。


○ 問題図ではすぐに45角と打つことができます。

63角成同金72銀という筋と34角の両狙いです。これに54角は34角27銀48飛

後手に歩があれば38歩でよいのですが、この後がありません。

ですから45角には62玉34角となるでしょう。

33桂23角成21飛には22銀

これは先手優勢。後手がカウンターを狙うなら23角成の時に39角と打って

ここでも後手に歩があれば大変ですが、27飛23金同飛成45桂

48銀57桂成同銀49銀59歩

これでどうにかなりそうです。

後手は34角に24銀と辛抱すれば

56角54歩46歩55歩38角

と、7筋に目を向ければよいです。前に出てきた図と似ていますが、16歩の形とはいえ1歩得していますからより指しやすいです。84飛に75歩同歩76歩

と行きます。(96歩を突いてあれば端を絡めて攻めることもできました。)74銀75歩同銀74歩76歩73歩成同玉88銀

銀をへこまされても桂馬を取ることはできるでしょう。狙いは67桂66銀75銀です。24銀が質駒なので4枚目の攻め駒になり、攻めきることができると思います。


理論的に説明したつもりですが、わかっていただけるでしょうか。

右玉は作戦負けを解消するための手段として有力です。その右玉を攻めるなら、玉のいないほうを攻めるのではなく、玉のいる方を攻めたいです。7筋や9筋を攻めることを考えます。
今回は96歩を突いていないので9筋から攻めるのをやりませんでしたが、符号で言えば95歩同歩93歩同香92銀とか92角とか。あるいは(問題図では攻め足が遅いのですが)地下鉄飛車で98香から99飛を作るというのもありますね。
7筋を攻めるなら56~38角のラインで75歩です。54の地点が空いていれば75歩同歩74歩同銀54角(これが32の金取りになるとか)というのも出てきます。
せっかくの作戦勝ちなのですから、それを生かす手順を考える、という問題でした。

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大山将棋研究(159); 三間飛車に位取り

2016-05-19 | 大山将棋研究
昭和49年6月、米長先生と第15期王位戦です。


米長先生の三間飛車、となれば相振りにはなりませんから

大山先生は6筋の位取りです。後手から54銀が気になるのですが、55歩65銀75歩から77桂で銀は取れます。

米長先生は位取りの圧力を減らすために穴熊に。

大山先生は左美濃から玉頭位取りにチェンジ。

米長先生は銀を繰り出します。大山先生としては素直に3筋の歩を交換させるわけにはいきません。

ここで歩を突きだすのは強気の一手。79角が普通でしょう。

1筋で歩を手に入れて銀を殺しますが

香歩3と銀の交換ですから得とは言えません。端をつきだされて忙しいです。

銀を手放して歩を手に入れるくらいならたいした戦果はありません。

27と が来る前にさばかなければいけません。

桂香を取って飛車あたり。これでよさそうですが

22飛とぶつけられて同馬同角39飛99角成77桂とは指しきれなかったか。逃げるのでは自信がありません。

飛車を取らせて14歩が反撃ですが、角を切られて飛車を取るのでは足りません。

飛車を逃げられて大失敗。米長先生が優勢です。

大山先生は馬を引いて粘ります。

でも歩切れで香を使われるときついです。

米長先生の攻めは重くてもしっかりしています。対して大山先生の41角から55桂は手順前後でしょう。悪くても55桂が先です。こういうところはわかっていても、相手の裏をかくような迷わせる手なのかもしれません。悪いのですから角桂を打つよりも、85歩~86香~96桂~84歩というほうがよかったという気もします。

2枚換えで馬を攻めるのは普通は良い手ではないのですが、清算して66角から57角成で寄せられます。

重い攻めでもよいのは、質駒を手に入れられそうだから。角を逃げれば金を引かれてしまいます。

これも筋の悪い攻め方ですが、取れないのではまずいです。85歩を突いてあればかなり粘れたのですが。

桂馬の両取りで駒柱。

反撃はここまでで、桂打ちは詰めろ。

投了図。

銀香交換での殴り合いです。でも歩切れでは振り飛車がよくなりやすく、米長先生が十分にさばけました。地味で重くて確実な攻め方が穴熊らしい指し方でした。米長先生に疑問手らしい手がないのですが、でもこれは本当に最善か?という手がいっぱい出てきます。穴熊を指す人以外は並べないほうがよさそうです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十段
後手:米長邦雄8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3五歩(34)
5 5六歩(57)
6 3二飛(82)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 6五歩(66)
14 4四歩(43)
15 5八金(49)
16 4三銀(42)
17 6七金(58)
18 5二金(41)
19 9六歩(97)
20 8二玉(72)
21 9五歩(96)
22 9二香(91)
23 8六歩(87)
24 9一玉(82)
25 8七玉(78)
26 8二銀(71)
27 7八銀(79)
28 7一金(61)
29 2六歩(27)
30 3四飛(32)
31 7五歩(76)
32 1四歩(13)
33 7七銀(78)
34 6二金(52)
35 7八金(69)
36 1三角(22)
37 1六歩(17)
38 5四銀(43)
39 7六銀(77)
40 4五銀(54)
41 4六歩(47)
42 同 銀(45)
43 6四歩(65)
44 同 歩(63)
45 1五歩(16)
46 同 歩(14)
47 同 香(19)
48 1四歩打
49 4七歩打
50 3七銀成(46)
51 同 銀(48)
52 1五歩(14)
53 4六銀(37)
54 3六歩(35)
55 3八飛(28)
56 1六歩(15)
57 2五銀打
58 3二飛(34)
59 4四角(88)
60 3七歩成(36)
61 同 桂(29)
62 1七歩成(16)
63 6三歩打
64 同 金(62)
65 1一角成(44)
66 2七と(17)
67 2一馬(11)
68 2二飛(32)
69 1一馬(21)
70 3八と(27)
71 1四歩打
72 4六角(13)
73 同 歩(47)
74 6二飛(22)
75 4五桂(37)
76 6九飛打
77 8八馬(11)
78 4四歩打
79 3三桂成(45)
80 6五香打
81 7七金(67)
82 6八香成(65)
83 4三成桂(33)
84 7九銀打
85 同 金(78)
86 同 成香(68)
87 7八銀打
88 5九飛成(69)
89 4一角打
90 6八金打
91 5五桂打
92 7八成香(79)
93 同 金(77)
94 同 金(68)
95 同 馬(88)
96 6八金打
97 8八馬(78)
98 7八銀打
99 9七玉(87)
100 8九銀成(78)
101 8七馬(88)
102 6一飛(62)
103 6三角成(41)
104 同 飛(61)
105 同 桂(55)
106 8八角打
107 9六玉(97)
108 8四桂打
109 8五玉(96)
110 7六桂(84)
111 7一桂成(63)
112 同 銀(82)
113 4二飛打
114 7二桂打
115 4一飛成(42)
116 8四銀打
117 9六玉(85)
118 9五銀(84)
119 投了
まで118手で後手の勝ち


コメント
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