第1問

読まないで指してはいけません。
A 54同歩 B 46角 C 45銀
第2問

これが好判断でした。
A 77同桂 B 85歩 C 65金
第3問

これで有利になります。
A 53銀 B 45桂 C 74金
第4問

まぎれの少ない寄せ方は?
A 42金 B 54銀 C 24同角
今日の棋譜20180903
平成元年8月、前田祐司先生と第15期棋王戦です。
大山先生の位取り中飛車で
78金~68銀は古風な感じです。
前田先生は棒銀で、大山先生は居玉のまま金銀で守ります。
戦いが始まり
銀を5段目に進めさせてから玉を囲います。(大山先生はたまにこういう指し方をします。)
ちょっと間違うと先手陣が崩壊しそうですが
中央を抑えて一安心、形勢は互角です。
前田先生は6筋の歩を伸ばして66歩が入り
大山先生も64歩と伸ばして、良い勝負です。
前田先生が決戦に出ました。桂を跳ねて
77歩成ですが、77桂成が正しいのではないかと思うのです。先手から85歩もあるので微妙なところですが
桂銀を取られて二枚換えはちょっと損だと思います。
そのまま と金の作り合いですが、67歩成はまだぬるく、63歩成は金取りなので大山先生が有利になっているのかも。(後手は67歩成の前に何か工夫すべきでした。)
大山先生は金をはがし銀を打ちこみ
俗手で攻めていきます。
明確な1手勝ちのようで、46飛にも
清算して73飛で投了図。合駒に64金などで一手一手です。
前田先生は53手目65金からの二枚換えをうっかりしたのか軽視したのか、と金を作られた(59手目63歩成)ところでは勝ち筋がありません。
もう少し良いところを見せてくれないとつまりませんね。大山先生は普通に指して勝ちでした。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1989/08/31
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:前田祐司7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 3四歩(33)
5 5五歩(56)
6 6二銀(71)
7 5八飛(28)
8 4二玉(51)
9 7八金(69)
10 3二玉(42)
11 6八銀(79)
12 4二銀(31)
13 5七銀(68)
14 8五歩(84)
15 7七角(88)
16 5二金(61)
17 5六銀(57)
18 7四歩(73)
19 6六歩(67)
20 7三銀(62)
21 6七金(78)
22 8四銀(73)
23 7八飛(58)
24 7五歩(74)
25 6八角(77)
26 7二飛(82)
27 7五歩(76)
28 同 銀(84)
29 4八玉(59)
30 7六歩打
31 3八玉(48)
32 5四歩(53)
33 4六角(68)
34 5五歩(54)
35 同 銀(56)
36 7四飛(72)
37 5四歩打
38 6四歩(63)
39 4八銀(39)
40 6五歩(64)
41 同 歩(66)
42 6六歩打
43 5七金(67)
44 8六歩(85)
45 同 歩(87)
46 7三桂(81)
47 6四歩(65)
48 8四飛(74)
49 8八飛(78)
50 6五桂(73)
51 5六金(57)
52 7七歩成(76)
53 6五金(56)
54 8八と(77)
55 7五金(65)
56 8六飛(84)
57 7四金(75)
58 6七歩成(66)
59 6三歩成(64)
60 5七歩打
61 5二と(63)
62 同 金(41)
63 5三銀打
64 同 銀(42)
65 同 歩成(54)
66 同 金(52)
67 4五桂打
68 5二金(53)
69 5三金打
70 同 金(52)
71 同 桂成(45)
72 2四歩(23)
73 5四銀(55)
74 4六飛(86)
75 4三銀成(54)
76 同 飛(46)
77 同 成桂(53)
78 同 玉(32)
79 7三飛打
80 投了
まで79手で先手の勝ち
20180903今日の一手
5月5日の名南将棋大会から、KさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
香歩と金の交換で持ち歩があります。竜馬を作り合っていて、先手の駒得です。ただし終盤では重視しません。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は22竜と持ち駒角金桂で4枚。
後手の攻め駒は89飛99馬と持ち駒銀で3枚。
総合すれば先手優勢です。
☆ 大局観として
3つの要素で上回っています。駒得だから長引いても構わないのですが、後手玉が薄いので寄せを考えたほうが早く勝てそうです。
問題図では後手から77馬同金79飛成、あるいは79飛成同金77馬、という筋がありますね。王手竜取りになるのでこの筋に対応しなければならないでしょう。
一番早いのはその筋をかけさせて寄せてしまうことなのですが、危険も伴います。
× 11竜は攻めて来いという手で
後手の攻め筋を確認してみましょう。77馬同金79飛成48玉77竜は74桂
これは先手の勝ち筋です。
79飛成同金77馬
48玉11馬と進むのでしょう。先手の駒得はほとんど消えて、79金が離れているので玉の堅さも同程度。互いに攻め駒は十分で、形勢互角です。元が優勢でしたからこれでは不満です。
△ 31竜(あるいは21竜)と妥協すると
77馬48玉44馬
42角51銀24角成
問題図から見ると馬を作っても桂損しています。先手が悪くはないけれど、やはり「妥協した」という感じです。
○ 82歩が強い手で
77馬同金79飛成48玉77竜81歩成
これなら81と が残っています88竜58桂81竜11竜
と金を払われても先手玉が安全になり、豊富な攻め駒で寄せていけます。
79飛成同金77馬48玉22馬81歩成
これも と金が残っていて、後手玉を薄くする駒得で優勢です。
となれば82歩は同銀
という利かしを入れられたということになるのでしょう。これで後述の変化(33角が有力)がより厳しくなります。
○ 33角は攻防で
77馬を防いでいます。86歩などなら51金
51同金同角成同玉42金62玉52金72玉53金62銀打85香
これならやさしい寄せです。
後手は44銀
しかないです。42角成77馬48玉45桂38銀
77桂は取られますが、銀を使わせたので後手の攻めは厳しくありません。11竜~51金をねらって寄せられます。
○ 66角(あるいは55角)
でも受けに役立ちます。86歩には88歩、87歩には48玉88歩成には65桂
と跳ねるのが攻防です。78と99角79飛成54桂72玉84歩82歩53桂成
跳ねた桂馬を生かして寄せられます。
× 実戦は68玉で
77馬を防いだのですが、玉が危険な方に移動してしまいました。87歩42竜88歩成54桂72玉
後手玉を寄せる手段を間違ったようです。以下は78と~49飛成を食らって
負けてしまいました。
42竜では11竜88歩成75桂72銀66香74銀69金
桂打香打を利かせてから受けに回ればまだまだ有利でした。
△か○ 88歩は87歩
と合わせられて、87同歩には86歩同歩87歩あるいは88銀もありますし、受けにはなっていません。
だけど王手竜取りが消えているので、11竜87歩成75桂72銀66香74銀82金
角を温存しているので詰めろですね。これは先手の勝ちです。
○ 受けとしては69金が手堅くて
87歩11竜88歩成66香72銀75桂74銀
香を取って利かしを入れられます。88銀同馬同金同飛成82歩
これで先手優勢です。
△ 69桂だと少し弱くて
87歩11竜88歩成66香72銀
利かしはここまで。88銀同馬同金同飛成58金打78銀
清算して58金打と後手を引きます。これは駒得ですが逆転しているかもしれません。
× 88金打は悪手で同馬
を取れません。
☆ まとめ
一番強い手順が一番早い決着になるということがあります。(当然のようですが、その後落ち着いて長くなることも、ままあります。)相手の力も利用すると攻撃力が倍増するのです。
11竜で王手竜取りを食らうのではまずいのですが、82歩~81歩成で王手竜取りならば早い勝ち方になります。
あるいは88歩87歩としておいて、11竜から寄せ合うというのも早い勝ち方です。(早いというか速いというか表現に悩みますが。)
77馬を避けるならば、角を打てば攻防になります。33角あるいは55角や66角、これらがスマートな感じです。
受けるならば、先に受けるほうが手堅い、駒を打つ方が手堅いという2原則で、69金が一番でしょう。
実戦の68玉ではいかにも危なくて、48玉の早逃げのほうが(桂損ですが)まだしもです。