名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20180901

2018-09-01 | 大山将棋研究
後手番中原先生の手を考えます。

第1問


飛車交換は不利です。
A 65同歩 B 45歩 C 94飛

第2問


このあたりが頃合いで、形勢不利なので戦線拡大しておきます。
A 15歩 B 57香 C 45金

第3問


攻め駒が足りないので単純に攻めてはいけません。
A 58銀成 B 38銀成 C 18歩

第4問


上から攻めたいです。
A 25桂 B 16歩 C 46桂

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大山将棋研究(995);石田流に天守閣美濃(中原誠)

2018-09-01 | 大山将棋研究

今日の棋譜20180901
平成元年8月、中原誠先生と第10回日本シリーズです。

大山先生の先手三間飛車に中原先生は天守閣美濃です。

大山先生は石田流へ

中原先生は44歩と止めて高美濃へ。

大山先生から動きだします。65歩は同歩74歩の筋。ここでは後手の角筋が止まっているので飛車交換は先手もちでしょう。中原先生は94飛とかわしておきます。

大山先生は6筋を押さえて86歩。取ってはもらえないでしょうから後手の動きを催促した感じです。

中原先生は角を使い

大山先生は角を追って(55角に56銀)から74歩。これで飛車交換になります。

飛車交換で桂を逃げるのは振り飛車有利のパターンですが

中原先生には香を取って田楽刺しがあります。

大山先生も田楽刺しで返し

まだ先手もちですが、36桂はどうだったか。(結果的に金を取ることはありませんでした。)91竜からゆっくりもあったでしょう。

48歩にどう応じるかは難しいところですが、大山先生は金をかわし

端を工作されてから、またも田楽刺しです。清算するのも自然ですが78歩の手筋で

58香成同金78竜59歩、実戦ならではのやりとりでした。中原先生は銀を打ちこんで形勢不明です。

39銀の受けに18歩は(多分)好手です。

銀と桂の取り合いになりました。(単に取らないで18金38玉29と がわかりやすい。)

この形は29玉と23玉の位置が形勢の差です。先手玉は上からは寄せやすくて、後手玉は横から攻められた時に遠いのです。

大山先生の29香は攻防手ですが

36桂と21桂の取り合いというのは損しています。(だいぶ前に打った36桂は金を取れずに取られてしまいました。)

中原先生は57歩成から銀を取り、48同角37桂成で詰めろをかけます。

後手玉は詰まないのでここまで。

中盤では大山先生が有利なのですが、天守閣美濃への距離感を間違った感じです。横から攻めると遠いので、駒得を生かして(91竜で駒得になります)ゆっくり攻めていくほうが良いはず。中原先生はうまく食いついて玉の位置を利用して手勝ちになりました。
天守閣美濃もかなり流行しているので、この距離感覚は認識されていたと思うのですが、大山先生は中原先生相手だと指し手が乱れます。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1989/08/20
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:中原誠棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 5八金(69)
16 5四歩(53)
17 5六歩(57)
18 1四歩(13)
19 1六歩(17)
20 2四歩(23)
21 2八玉(38)
22 2三玉(32)
23 3八銀(39)
24 3二銀(31)
25 7五歩(76)
26 9四歩(93)
27 6七銀(68)
28 8四飛(82)
29 6八角(77)
30 6四歩(63)
31 7六飛(78)
32 6三銀(62)
33 7七桂(89)
34 9五歩(94)
35 5七角(68)
36 3三角(22)
37 4六歩(47)
38 4四歩(43)
39 9八香(99)
40 4三金(52)
41 6五歩(66)
42 9四飛(84)
43 6四歩(65)
44 同 銀(63)
45 6五歩打
46 5三銀(64)
47 8六歩(87)
48 4五歩(44)
49 同 歩(46)
50 5五歩(54)
51 同 歩(56)
52 同 角(33)
53 5六銀(67)
54 3三角(55)
55 7四歩(75)
56 同 飛(94)
57 同 飛(76)
58 同 歩(73)
59 8五桂(77)
60 8八飛打
61 7一飛打
62 9八飛成(88)
63 8一飛成(71)
64 5五歩打
65 6七銀(56)
66 5六香打
67 8四角(57)
68 5八香成(56)
69 同 銀(67)
70 5六歩(55)
71 4四香打
72 同 銀(53)
73 同 歩(45)
74 同 金(43)
75 4二歩打
76 同 金(41)
77 3六桂打
78 4八歩打
79 5九金(49)
80 1五歩(14)
81 同 歩(16)
82 1八歩打
83 同 香(19)
84 1七歩打
85 同 香(18)
86 5七香打
87 7八歩打
88 5八香成(57)
89 同 金(59)
90 7八龍(98)
91 5九歩打
92 4九銀打
93 3九銀打
94 1八歩打
95 4八銀(39)
96 1九歩成(18)
97 4九銀(38)
98 2九と(19)
99 同 玉(28)
100 1六歩打
101 同 香(17)
102 1七金打
103 1九銀打
104 2七金(17)
105 3九玉(29)
106 4五桂打
107 2九香打
108 3七金(27)
109 2二歩打
110 3六金(37)
111 2一歩成(22)
112 5七歩成(56)
113 3一龍(81)
114 4八と(57)
115 同 角(84)
116 3七桂成(45)
117 2二と(21)
118 同 角(33)
119 2四香(29)
120 3三玉(23)
121 2二龍(31)
122 4三玉(33)
123 投了
まで122手で後手の勝ち



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20180901今日の一手(その747);序盤は角が主役になる戦型

2018-09-01 | 今日の一手

20180901今日の一手

5月5日の名南将棋大会から、IさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
少し前のこの図で

88銀と逃げておけば86歩から桂を取る順をねらえたのですが、銀を逃げずに35歩65歩34歩同銀

と進んだのが問題図です。

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが少し堅いです。(金2枚が玉に近接しています。)
先手の攻め駒は79角1枚。
後手の攻め駒は85桂と33角で2枚。

総合すれば後手もちです。

☆ 大局観として
後手は飛車先に桂を跳ねたのですから飛車を使いにくいはずです。だから問題図の前で85桂に88銀ならば先手が指しやすかったのです。ここではいつでも77桂不成がありますから先手の駒損になりそう。すると形勢判断の3つの要素がどれも後手が優ることになる、のではなくて先手の攻め駒も2枚になるから攻め駒の数は同じです。先手玉がより薄くなるからうれしくはないです。
つまり放置すると後手が良くなっていきます。少し守っておくか、攻め合いにするかという方針の分かれ目です。大差ではないので互角くらいにもっていきたい、その手段を考えましょう。


× 88銀は

66歩57金53銀35歩43銀86歩

桂を取ることはできます。97桂成同香85歩同歩同飛77桂81飛

歩歩と桂の交換で持ち歩があります。しかし75歩や94歩~95歩~96歩があります。、飛角も働いていない状況では攻めることもできず、後手有利です。


○ 65歩は

銀を逃げられないならば一番自然な手で、77桂成同金上53銀78玉

これくらいでバランスを取ります。75歩同歩85歩

これは怖い手で、37銀86歩同歩66歩同金直同角同金86飛

では敗勢です。

57角

で66の地点を守っておいてこれから。銀と桂歩歩の交換で後手に持ち歩があるから先手の駒損ではありますが、74歩を楽しみにしておきます。


○ 57角は守りの手で

77桂成同金上66歩同角同角同金左

44桂があるので後手が案外に難しい図です。43銀78玉85歩37角81飛64桂

これで駒損は解消できそうです。37角は後に36歩で追われてしまうので先手よしではありませんが。


○ 攻めるならば35銀、これが実戦の着手です。

35同銀同角34歩

26角と引いて77桂成同金寄53銀(71銀を避けた)65歩

と進んだならば先手が指しやすかったかもしれません。

実戦では71銀

急いで銀を打ったのが失敗です。銀を取ってもらえず35歩82銀成77桂不成同金上66歩同金左39角

で困っています。後手の39角がないとしても82成銀に働きがとぼしいので、持ち駒の銀を使っての角飛交換では割に合わないのです。後手玉は飛車打ちにはまあまあ強いですから。


× 35歩は筋の悪い手です。

でも34歩と取れば角に当たるので、後手は少し急がねばなりません。77液不成同金上66歩同金直43銀78玉85歩46歩

重いけれど確実に攻めようとしているのです。だけど86歩同歩66角同金65歩

角を切って攻められると、65同金は86飛87歩76飛、67金は66金、先手玉が薄すぎて受けきれる形ではありません。


× 38飛はよくある攻め方ですが

34飛と取る手が厳しくないのです。66歩同銀65歩を決められるのが難点で、77銀43銀34歩22角35銀77桂不成同金寄75歩

後手は65歩の拠点ができるので角筋を生かして攻めるのが厳しいです。


△ 他には24歩

24同歩が得かどうかがよくわかりませんが、やはり手を抜いて66歩同銀65歩77銀24角

角交換はやりにくくて35歩77桂不成同金寄43銀、ということになるのでしょう。

これで先手が悪いかと言えば、25銀と使えるから悪くもないです。


× 15歩は

手抜きで65歩同銀65歩を決められるから先手の損でしょう。


☆ まとめ

後手の言い分(85桂が77銀と交換になる)を通してしまったので先手が指しにくいかなという局面でした。

受けるならば65歩か57角か、6筋に手をかけます。銀桂交換をその先の図でカバーしきれるかどうか、構想が問われます。65歩は歩得あるいは傷のなさを主張しますし、57角は角も交換して反撃を考えます。

攻めるなら実戦の35銀が一番良いでしょう。銀交換になれば攻め駒が増えて後手の守りが薄くなります。飛角の働きもよくなるでしょう。だけどそのあとの71銀が勇み足、角を逃げた後にねらう手でした。

これは矢倉対雁木の戦いですが、(相矢倉と同じで)序盤の主役は角です。後手の33角が十分に働けば後手よしです。先手は矢倉なので引き角、それを使い切らなくてはなりません。33角よりも劣っていると悪くなります。

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