第1問

これがうまい攻め方になりました。
A 88飛成 B 76飛 C 55銀
第2問

桂取りなのですが
A 62金 B 44歩 C 78馬
第3問

ここを攻めるのが急所になりました。
A 45桂打 B 88竜 C 48香
第4問

パッと見えても切りすてそうですが。
A 86飛 B 37桂成 C 62香
第5問

鋭い寄り筋がありました。
A 55角 B 47銀直成 C 35香
今日の棋譜20180913
平成元年11月、塚田泰明先生と第48期A級順位戦、千日手指し直し局です。
大山先生の先手三間飛車に塚田先生は右桂を跳ねて65歩ねらいですが、これはうまくいかないということになっています。
なので腰掛銀にして
天守閣美濃まで囲って仕掛けました。
55銀同銀同角同角同歩というのもありそうですが、57銀のほうが普通で
角交換から22角。67飛か67金が普通(86飛には64角がある)の受けですが
55歩同角67飛というのは振り飛車らしい、でも64角がなくて86飛を与えてしまった損な受け方でした。
角を追うと46角が王手になるというのもマイナスです。
これも銀当たりで
ずいぶん損をしました。84角は攻防ですが
44歩と待たれると73角成くらい。66歩を打たれて
57飛に同馬同金77飛成。これで後手がリードしています。
大山先生は天守閣美濃攻略のために27香を据えて
角を打って竜と交換し
細かい攻防が続いてずいぶん持ち直しました。
だけどこの両取りがちょっと痛かったのです。46馬は37桂成同銀45香ですね。
45銀から25歩と攻めて
83歩と手を戻したというのはちょっと駒損で後手を引いています。歩を打たずに64馬66飛74馬とか45桂から王手をかけて55馬とか64馬をねらうとか、少し働いた手順が欲しかったのです。
37の地点を攻められて
角を合わされて馬が消えることになり
46銀から
47銀打が寄せの手順になり
49歩には36銀不成~27銀成が鋭い寄せ方で
空き王手、合駒は35角27玉26香で寄りです。17玉とかわしますが
投了図。
塚田先生の見慣れない攻め方ですが、調べられたらうまくいかないでしょう。初見で時間が短いので成功しました。今度は終盤もうまくいって着地成功です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1989/11/25
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:塚田泰明8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 4二玉(51)
9 6八銀(79)
10 3二玉(42)
11 4八玉(59)
12 6二銀(71)
13 3八玉(48)
14 7四歩(73)
15 2八玉(38)
16 6四歩(63)
17 5八金(69)
18 7三桂(81)
19 8八飛(78)
20 6三銀(62)
21 5六歩(57)
22 5四銀(63)
23 5七銀(68)
24 5二金(61)
25 3八銀(39)
26 1四歩(13)
27 1六歩(17)
28 2四歩(23)
29 4六歩(47)
30 2三玉(32)
31 3六歩(37)
32 3二銀(31)
33 2六歩(27)
34 6五歩(64)
35 6八飛(88)
36 8六歩(85)
37 同 歩(87)
38 6六歩(65)
39 同 銀(57)
40 6五歩打
41 5七銀(66)
42 7七角成(22)
43 同 桂(89)
44 2二角打
45 5五歩(56)
46 同 角(22)
47 6七飛(68)
48 8六飛(82)
49 5六銀(57)
50 4六角(55)
51 3七桂(29)
52 7六飛(86)
53 4七金(58)
54 7九角成(46)
55 8四角打
56 4四歩(43)
57 7三角成(84)
58 6六歩(65)
59 5七飛(67)
60 同 馬(79)
61 同 金(47)
62 7七飛成(76)
63 5八金(57)
64 6九飛打
65 9一馬(73)
66 9九飛成(69)
67 2七香打
68 3三桂(21)
69 6八角打
70 同 龍(77)
71 同 金(58)
72 4五桂打
73 6九歩打
74 9七龍(99)
75 7七歩打
76 6七歩成(66)
77 同 金(68)
78 8八龍(97)
79 6八飛打
80 同 龍(88)
81 同 金(67)
82 8二歩打
83 同 馬(91)
84 8六飛打
85 4五銀(56)
86 同 桂(33)
87 2五歩(26)
88 3三玉(23)
89 2四歩(25)
90 2二歩打
91 8三歩打
92 3七桂成(45)
93 同 銀(38)
94 4五桂打
95 2九桂打
96 5五角打
97 2五桂打
98 4三玉(33)
99 7一飛打
100 6一歩打
101 4八金(49)
102 3七桂成(45)
103 同 桂(29)
104 4六銀打
105 2九桂打
106 8二角(55)
107 同 歩成(83)
108 4七銀打
109 4九歩打
110 3六銀(47)
111 7三角打
112 2七銀成(36)
113 同 玉(28)
114 2六香打
115 同 玉(27)
116 4七銀(46)
117 1七玉(26)
118 4八銀成(47)
119 4六香打
120 3九角打
121 2七玉(17)
122 2六香打
123 同 玉(27)
124 3五金打
125 2七玉(26)
126 4六飛(86)
127 投了
まで126手で後手の勝ち
20180913今日の一手
5月5日の名南将棋大会から、SさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度。ただし先手玉は横から攻められると一路遠いです。
先手の攻め駒は41飛と持ち駒角銀で3枚。
後手の攻め駒は24角と持ち駒飛銀で3枚。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
玉の堅さだけがわずかに違っていて、87玉の位置が(上から攻められないならば)横からの攻めには遠いこと、32金と57金の違いがあること、52歩の存在もプラスに働きそうです。79金にひもがついていないのがマイナスですが、少し先手が指しやすいのかもしれません。
さて金取りに角を打たれた(51歩成にも対応した攻防の角打ち)ところです。金取りを受けるかどうか、どう受けるか、いくつか選択肢があります。受けるだけでは24角が良い手になりそうなので、踏み込んだ順も考えてみたいです。
△ 実戦は46歩と素直に受けて59飛
金金桂取りで飛車を打たれるのは嫌な感じです。けれど71銀同金26角
という筋が生じていて、詰めろ飛車取りです。銀飛の交換で後手は大駒を攻めに使えなくなっているので先手有利でした。
実戦では71銀を逃して68銀29飛成21飛成31歩
と進んで、銀を受けに使ったけれど玉の堅さが違うから先手が少し有利でした。少し進んで
田楽刺しが疑問手です。66角同歩56桂
というのは32金31歩が壁を作って守っており、先手玉に食いつかれているので後手よしになっています。(角を打って受ければ粘れたかもしれませんが、69銀68桂成同銀67香で先手負けにしました。)
△ 他の受けは46角
46同角同金とは限らず、49飛が利きます。(73角成同桂49飛成57角成は後手よし)89金46角同金
というのは46金が負担なので難しいです。
△か× 68銀と打って受けると31歩
21桂を取れなくなります。先手の29桂11香を守るために48飛成とすれば長いですが、戦力不足なので後手もちです。
× 受けずに21飛成だと
57角成51歩成79馬
は後手優勢でしょう。
△か○ 先手の工夫は先に51歩成で
57角成61と は手勝ちです。51同金21飛成31歩46歩
手順に桂を取りましたが、手が戻ります。でも27飛(59飛は71銀)69桂29飛成ならば銀を温存したから51歩成の効果があったのかも、という感じです。
○ 強い攻めは62銀で
美濃囲い崩しの代表的な手筋ですね。62同金71角92玉62角成
ならば先手の勝ちでしょう。
後手の粘りは71銀
くらいしかないのですが、61銀成同銀同飛成62飛
62同竜同銀61飛71銀打46歩
やはり手が戻るのですが、金1枚得しています。これなら先手優勢でしょう。
△ 53角だと
57角成61竜同銀71銀92玉82金93玉81金
後手玉に詰めろ以上の手で迫れます。後手は79馬とすると簡単に詰まされてしまうのがつらいところです。72金など受けても、82銀不成同金71馬
受けが無くなります。
後手はやはり71銀
が粘りの手です。これで攻める手が無くなって、51歩成同金21飛成31歩68銀
くらいです。53角71銀の交換はどちらが得なのでしょうか。
○ ひねると89金(69金よりも少し優ります)
57角成を誘って51歩成
後手の攻防の角を攻めに使わせて、守りを薄くさせたというわけです。71金52と61銀打
というのが受けの手筋で、61と同銀21飛成31歩12竜
先手の駒得ですし33歩成もあります。先手玉が薄くなったのですが修復もできそうなので(後手の攻め駒3枚)先手有利です。
後手が57角成とできないならば42金
と守りに使いたいところ(先手62銀が見えている)ですが、61飛成同銀51歩成
と強攻する(少し不安)よりは
21飛成57角成51歩成
のほうがわかりやすそうです。
☆ まとめ
「肉を切らせて骨を断つ」というのは剣道の言葉のようですね。将棋でも形勢互角ならば自力だけで攻め切るのは難しいものです。相手の疑問手に期待するよりも、相手にも攻めさせて斬り合いにするほうがうまく技がかかります。カウンターは強力な攻め方になるのです。
一番激しく62銀57角成・・・というのはわかりやすく先手優勢でしょう。先手玉の遠さが生きています。後手に粘る手段が乏しいので先手がはっきり有利になります。
89金57角成を誘って51歩成というのも面白い手段で、57金が肉で、肉を取らせて攻めることができます。