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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180905

2018-09-05 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


受けるか攻めるか悩みます。
A 85桂 B 51歩 C 52銀

第2問


受けにくそうですが。
A 71金 B 71銀 C 81飛

第3問


ここも受けにくそうです。
A 91金 B 52角 C 65角

第4問


玉頭戦では駒の損得は脇に置いておきます。
A 76香 B 76桂 C 65金

第5問


持ち駒よりも盤上の駒のほうが価値が高いです。
A 65金 B 76桂 C 62銀打

第6問


これが好手です。
A 79同竜 B 55角 C 76桂


大山将棋研究(999);中飛車に居飛車穴熊(阿部隆)

2018-09-05 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180905
阿部隆先生と第15期棋王戦です。(初対局)

大山先生の中飛車に阿部先生は居飛車穴熊です。

大山先生はツノ銀中飛車と思ったら向い飛車で

木村美濃。美濃囲いから外れても気にならないようです。

阿部先生は角を46に出て

中央の歩を交換し

7筋の歩を交換し

角頭に手を付け

中央へ。55歩同歩54歩同銀直55銀と戦うのでしょうか。

大山先生は65歩~55歩ですが阿部先生はどちらも堂々と取ります。

銀を引いたので飛角交換になって

両取り。

11角成も大きい手ですが、56竜の位置も良くて大山先生が指しやすいでしょう。

阿部先生は44香の犠打(47飛成を防いだ)から21桂を取り

33歩成を阻止されたところでは、もうひと押しあれば有利というくらいです。

33角に大山先生の92香打は堂々と攻めてきなさいという感じですが、34竜のほうが良かったのではないかとおもいます。

両取りが入り

清算したところではほぼ損得なしです。玉の堅さは違うけれど、29桂19香が働いていないから大山先生も十分指せると思っていたでしょう。

阿部先生の41飛はちょっとおかしな感じで、銀を打たれ

後手玉を攻めにくくしたのではないでしょうか。長くなると29桂19香を拾われそうです。

31飛~51馬で強攻したら、大山先生は64角を利かせようとして

飛銀の取り合いから61銀。

81飛の自陣飛車には金をはがして再度の61銀から

王手角取りがあり

やはり駒割は互角です。阿部先生は3枚の攻め駒で食いつけるかどうか。

43で清算して

早逃げに

61銀同玉81飛。左右挟撃になりました。

後手玉が不安定な分だけ先手もちです。

と金を作り

飛車を殺されても と金を寄せていきます。91金51と同銀61銀は先手の勝ち筋で

大山先生は65角で何とか受けるのですが、銀を取られて

43角に61銀同角81竜

清算してひと段落つくと、飛と金香の二枚換え、攻め駒3枚強ありますから先手もちです。

阿部先生の75歩~76銀は不思議な感じですが玉頭戦を目指しています。

38飛打~78飛成を食らっては悪いだろうと思うのですが

78同金同飛成79金としてまだこれから。玉頭戦を制したほうが勝ちそうです。

68歩には78飛

59竜には86角。受けただけのようでも玉頭に利いています。

こういう戦いになると小さな駒損でも響いてくるもので、大山先生がが逆転したのではないかと思います。

金で7筋を受けて

銀交換で桂を使われ

桂の好打があり

それでも銀を受けてみると、まだまだ形勢は難しいのですが先手が攻め切るのも簡単ではないです。

角が働いて先手の攻め駒は4枚になり

銀2枚で食いついて、阿部先生も再び手ごたえを感じたか。

7筋を歩で攻められても

飛車交換は先手の勝ちなので先手よしに見えますが

76桂同飛77桂打、先手玉に詰めろが続き

39歩で竜の利きを止められるとは言え、かなりうるさいのです。ここは大山先生が勝ちになったか。

金を取って詰めろ

桂を取って詰めろ

この銀は詰めろかどうかとっさにはわからないですが

阿部先生が62銀成と攻めたら、そのまま詰んでいたようです。

堅い玉を相手に攻められているのは昨日の将棋と同じですが、今回は大山先生に駒得の楽しみがあります。ちょっと楽しく受けているのではないでしょうか。先手の攻め駒が3枚のままというのも楽しみがあるところで、ずっと良い勝負だと思います。
この時大山先生は66歳、最初のガン手術の後の時期ですが、長い将棋でも若手相手に体力負けしませんね。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1989/09/12
手合割:平手  
先手:阿部隆4段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 5二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5七銀(48)
14 5四歩(53)
15 7七角(88)
16 8二玉(72)
17 8八玉(78)
18 7二銀(71)
19 9八香(99)
20 6四歩(63)
21 9九玉(88)
22 9四歩(93)
23 8八銀(79)
24 4三銀(42)
25 7九金(69)
26 7四歩(73)
27 2五歩(26)
28 3三角(22)
29 6六銀(57)
30 6三銀(72)
31 6八角(77)
32 2二飛(52)
33 5九金(49)
34 7二金(61)
35 6九金(59)
36 5二金(41)
37 3六歩(37)
38 9五歩(94)
39 1六歩(17)
40 1四歩(13)
41 4六角(68)
42 4五歩(44)
43 3七角(46)
44 4四銀(43)
45 7八金(69)
46 5三銀(44)
47 5五歩(56)
48 同 歩(54)
49 同 銀(66)
50 5四歩打
51 6六銀(55)
52 7三桂(81)
53 7五歩(76)
54 同 歩(74)
55 同 銀(66)
56 7四歩打
57 6六銀(75)
58 4二飛(22)
59 2四歩(25)
60 同 歩(23)
61 3五歩(36)
62 3二飛(42)
63 5八飛(28)
64 6五歩(64)
65 同 銀(66)
66 5五歩(54)
67 同 飛(58)
68 4六歩(45)
69 同 角(37)
70 4二飛(32)
71 5四歩打
72 6二銀(53)
73 5六銀(65)
74 5五角(33)
75 同 角(46)
76 5九飛打
77 1一角成(55)
78 5六飛成(59)
79 4四香打
80 4三歩打
81 2一馬(11)
82 4四歩(43)
83 3四歩(35)
84 3六龍(56)
85 3三角打
86 9二香打
87 3一馬(21)
88 4三飛(42)
89 5五桂打
90 3三飛(43)
91 同 歩成(34)
92 同 龍(36)
93 6三桂成(55)
94 同 金(52)
95 4一飛打
96 5二銀打
97 4二飛成(41)
98 同 龍(33)
99 同 馬(31)
100 5一歩打
101 3一飛打
102 5八飛打
103 5一馬(42)
104 6四角打
105 5二馬(51)
106 3一角(64)
107 6一銀打
108 8一飛打
109 7二銀成(61)
110 同 玉(82)
111 6一銀打
112 同 飛(81)
113 同 馬(52)
114 同 玉(72)
115 4一飛打
116 5一銀打
117 3一飛成(41)
118 6四角打
119 4一龍(31)
120 5二銀打
121 3四角打
122 5四飛成(58)
123 5五歩打
124 5三龍(54)
125 4三金打
126 同 銀(52)
127 同 角成(34)
128 同 龍(53)
129 同 龍(41)
130 7二玉(61)
131 6一銀打
132 同 玉(72)
133 8一飛打
134 7一銀打
135 9一飛成(81)
136 8二金打
137 3三歩打
138 7二玉(61)
139 8六香打
140 8五桂打
141 3二歩成(33)
142 8一金(82)
143 4一と(32)
144 6五角打
145 5一と(41)
146 4三角(65)
147 6一銀打
148 同 角(43)
149 8一龍(91)
150 同 玉(72)
151 6一と(51)
152 7二銀打
153 6二と(61)
154 同 金(63)
155 7五歩打
156 2八飛打
157 7六銀打
158 3八飛打
159 8五香(86)
160 7八飛成(38)
161 同 金(79)
162 同 飛成(28)
163 7九金打
164 5八龍(78)
165 6六桂打
166 6八歩打
167 7八飛打
168 5九龍(58)
169 8六角打
170 8五桂(73)
171 同 銀(76)
172 2九龍(59)
173 6八角(86)
174 7五歩(74)
175 7三歩打
176 6三銀(72)
177 8六角(68)
178 6五金打
179 7四銀(85)
180 同 銀(63)
181 同 桂(66)
182 7三金(62)
183 5七桂打
184 7四金(73)
185 6五桂(57)
186 6二銀打
187 7二歩打
188 同 銀(71)
189 7三歩打
190 同 銀(62)
191 同 桂成(65)
192 同 角(64)
193 7五角(86)
194 6二金打
195 5三銀打
196 6三金(62)
197 6四銀打
198 7七歩打
199 同 飛(78)
200 8五桂打
201 7六飛(77)
202 7八歩打
203 6三銀(64)
204 同 銀(72)
205 6二金打
206 7九歩成(78)
207 同 飛(76)
208 7六桂打
209 同 飛(79)
210 7七桂打
211 3九歩打
212 7八金打
213 7七桂(89)
214 6二角(73)
215 8九桂打
216 2八龍(29)
217 3八桂打
218 7七桂成(85)
219 同 飛(76)
220 8八金(78)
221 同 玉(99)
222 6八銀打
223 6二銀成(53)
224 7七銀成(68)
225 同 玉(88)
226 6五桂打
227 投了
まで226手で後手の勝ち

20180905今日の一手(その749);構想力

2018-09-05 | 今日の一手

20180905今日の一手

5月5日の名南将棋大会から、TさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは金銀の枚数の多い先手のほうが堅いです。後手玉は一路深いですが。
先手の攻め駒は持ち駒角1枚、後手の攻め駒は64角1枚です。

総合すれば互角か先手もちです。

☆ 大局観として
後手が自陣角を打ってきました。角のラインで28飛をねらわれていますが、うまく受けられるでしょうか。
まずは46歩を守る手を考えます。自陣角が不発になれば先手が指しやすくなるはずです。
だめなら46歩を取らせたらどうか。序盤の1歩損は痛いのですが、代償があるでしょうか。


× 実戦は47銀で、一番自然な受け方ですが45歩

で困っています。45同桂同飛48飛

桂損で飛車を交換するわけにはいかず、我慢しました。桂歩の交換ということになります。少し進んで

先手から35歩同歩45角と攻めたのですが、形勢が少し悪い時に動くと簡単に負けてしまうものです。32金54角でも悪いですが、45同飛同歩19角成

駒損が広がってしまいました。飛車を打ち込むところもなくて劣勢でしょう。挽回できませんでした。

先手としては45歩には48飛

と耐えるしかなかったですが、46歩56銀

47歩成から飛車交換(47同金は37角成)でも自信がないですし、35歩45銀44銀

これも収めようがなくて困っています。


○ 47金は先手玉が薄くなりますが

45歩には同歩と取れます。45同飛

でだめなようでも、45同桂28角成53桂不成

があるのです。51金左61桂成同金31飛

62金があるので51歩21飛成、金得で先手優勢です。

47金に45歩が無理ならば24銀

26歩33桂25歩

25同桂同桂45歩も難しいですが、銀を引いてもらえば56金45歩同歩同桂同金

45同飛同桂28角成53桂不成

先ほどよりは条件が悪いですが、後手の13銀がひどいのでやや先手有利です。


△ 他には86角と合わせて

86同角同歩64角75角同角同歩64角

2手得ですが64角が歩の両取りになります。けれど47金75角56金

後手の角が窮屈で、局面が進めば金歩と角の交換か銀歩と角の交換くらいになります。守りの金か銀を失うので形勢互角くらいでしょう。

また86角に52金左

とされると先手から角を交換していくしかなさそう、結局1手損で収まるならばまあまあです。


○ 歩を取らせる構想もあって、38飛(ほかの手からでも合流しますが)

46角47銀45歩

88玉64角56銀46歩

右辺はこれくらいにして駒組みを進めれば小康状態になります。48飛とまわると、前の47銀の変化のようになり、35歩45銀44銀の筋

(前の図を使ったので先手陣の形が違いますが)または47歩成の筋

を食らってしまいます。

47銀を保留して88玉から

後手の角を狙うこともできます。

いつ決行するかは難しいですが、75歩同歩74歩をねらえます。

後手が24角と引くと

26歩から角を追ってこういう図

をねらいます。35同銀には45飛、35同歩には34角、先手十分な図です。


☆ まとめ

47銀は危ないと感じる、あるいはつぶれると読む、どちらかで避けねばなりません。

47金は後手の強攻が大丈夫だと読む必要があります。

ここで飛車を取り合って先手有利だと読めなければ指せません。
後手の強攻がないとすれば、自陣角を負担にできるかどうか。

この図で銀を引いてもらえるかどうかで優劣が決まります。

47金に自信がなければ、1歩損に甘んじます。歩損は痛いですが、後手の角が負担になればよいのです。


これらはかなり先の図ですが、後手の自陣角を生かしきることも難しいです。こういう構想を描けるでしょうか?
これは1歩損だけれど後手の角の移動が必要なので先手が手得しているということが関係しています。
歩得と手得、どちらが良いかは場合によります。将棋の序盤の水面下にあるテーマの一つなのでしょう。