鎌倉 佐助の風街便り

陶芸、街歩き、クルマ、オーディオ・・。思いのまま徒然に

秋の夜長のポール・マッカートニー東京公演。プレイバック・ビートルズに思わず「グスン…」

2013-11-19 21:29:21 | エンタメ
それはまだ夏の暑さが残る9月半ばのある日の午後。ウチの同居人さんの旧くからの友人夫妻であるオッくんと和子さんから一本の電話が入りました。

リビングの電話の受話器から「もしもし、マキロウさん。ビートルズ、大好きだったでしょ!。この秋のポール・マッカートニーのコンサート、観に行きませんか?」と、まさに夢のような誘いが。されど、あまりに突然の話に、ワタシはただただ「えっ?、えっ?、えっ?」で「えっ?」が三つのプチパニック状態に。

ワタシに代わって電話で事の流れを聞いた同居人さんによれば、オッくん夫妻がそれぞれに手分けしてポールのコンサートチケット入手作戦を敢行したところ、奇跡的に二人がともに2枚のチケット入手に成功。ならば、そのうちの2枚をわが家に・・となった次第でした。

以来、約2か月の時を経て、同居人さんと二人して「お上りさん」よろしく、神奈川から1時間少々かけて「華のお江戸」は秋深い夕闇の中に光輝く東京ドームに到着です。


ワタシがかつて勤務していたベースボール・マガジン社もこのドームのある水道橋駅から徒歩数分のところに位置しています。そのようなこともあり、今から約30年近く前の「週刊ベースボール」編集部員当時の楽しい思い出や苦しかった出来事等が次々に思い出されて、しばし「自分探し」に浸る一瞬も…。

「あの頃、ここは後楽園球場から東京ドームに移り変わる時だったなぁ‥」などと思い返す間も無く、入口ゲート前の「入場は順番に‥」とのアナウンスに急かされながら館内へ。
 
3塁側シート一階に身を沈めて開演を心待ちにしながら、あらためて今回のライブ鑑賞の機会を与えてくれたオッくん・和子さん夫妻に感謝、感謝。

そして、開演予定の午後7時を数分遅れていよいよコンサートがスタート。

今年のアメリカ公演、そして大阪、福岡でのライブと同じく、オープニングはビートルズ中期の軽快なナンバー「EIGHT DAYS A WEEK」から。「♪Oohh I need your love babe‥」から始まるその圧倒的な声量にまずビックリ!。そして、その歌声を聴きながら「ポールは、やっぱりこのヘフナーのベースギターが似合うなぁ」などと思っていたら…。

この一曲目の途中にして不覚にも感動の涙を流している自分にビックリ!?。自分自身としては、ビートルズの4人の中ではジョンとジョージにシンパシーを感じていたのですが、ポールの超絶的な歌唱力を目の当たりにしての感動の「涙」に他ならなかったような。

この一曲目が終わった時、ワタシ達の周りの同世代の人たちの間からも「スゴい‥。スゴ過ぎる!」「次元が違う!」といったような、ただただ驚嘆するような感想の声が交わされていました。

3曲目となったビートルズ初期の名曲「ALL MY LOVING」やウイングス時代の曲を聴きながら、「ポールが奏でるベースラインはホントにメロディアス‥」、「ウイングス時代の曲はコクがある歌い方だなぁ‥」などと生意気にも思いつつ。

コンサートの終盤、25曲目にはワタシにとって「最も愛するビートル」であるジョージ・ハリスンのあの名曲「SOMETHING」をカバー。まずはジョージがポールに託したウクレレを奏でながら歌い始め、

ステージの奥の液晶大画面には、ビートルズ時代のポールとジョージが演奏するシーンが次々に流れていきます。曲の途中、ポールはウクレレからギターに持ち替えて演奏しましたが、できれば「SOMETHING」のあの美し過ぎるベースラインをポール自らがあのヘフナー・ベースで奏でて欲しかったなぁ…。

計31曲、かの名曲「HEY JUDE」でライブはひとまず ジ・エンド。そして2回に及ぶアンコールでは、ポール自ら「福島の被災者の皆さんに捧げます」と前置きして、「YESTERDAY」を切々と歌い上げてくれました。


アンコールも含め全39曲のラストは、ビートルズ最後のレコード収録となった名盤「ABBEY ROAD」B面に収められている「GOLDEN SLUMBERS~CARRY THAT WAIGHT~THE END」に至るメドレー。

ビートルズとしての最終盤、バンドユニットとしてはすでに破局しつつある最中、この3曲のメドレーの中でジョンとポール、そしてジョージが代わる代わるコクとキレのあるギターソロを残してくれていたのでした。

今回のライブツアーの最後の曲としてこのメドレーをチョイスしたその奥に、ポール自身がこのツアーをとおして「ビートルズとともに辿る巡礼の旅」に出ていたの‥、などとワタシ自身、勝手に思いを巡らせたりもしてみたり。ポール、その人こそがビートルズを世界一愛していたのかも…。

ともあれ、ふと自らも小学生時代から現在まで約半世紀に及ばんとするビートル・マニアとしての道程を巡りつつ、「あっ、あんな事があった…」と思い起こされるこの一枚のチケット。

今から30年以上も前の1980年1月に開催されるはずだったポール&ウイングスのコンサートのチケットです。この時、来日したポールは麻薬不法所持とかで逮捕され、コンサートは幻となってしまいました。その時、「ポールのコンサートを観ることが出来ない‥」というあまりに残念な気持ちから、「せめて、コレだけは手元に残しておこう」と敢えて払い戻しをせずにとっておいたチケットです。

当時は3800円でポールに会えた、ハズなのですね。今回のチケット料金はその約4倍ほど。されど、ポールの次元を超えた歌声に包まれた2時間40分はまさにその万倍以上の価値があったことは疑いもありません。

ライブを共に楽しんだ同居人さんの「ちょっと早いけど、冥途の土産になったでしょ!?」との言葉にも、素直に「ごもっとも‥」の一夜なり…。

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