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Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

猛暑の中、キリバスを思う

2025-07-27 | Weblog
猛暑の中、気候変動による海面上昇は、刻一刻と進んでいることを、思わざるを得ない。

国土が水没の危機にある太平洋のキリバス共和国のことを、思う。

1979年に独立。
1997年の京都議定書会議の時はまだ「十八歳」の国であった。

写真は、『KYOTO』に登場した、キリバス代表を演じた永瀬美陽。(撮影・姫田蘭)

キリバスは33のサンゴ礁から成り、東西約3,870キロメートル、南北2,050キロメートル、赤道付近に350万平方キロメートルにわたって散在している。
キリバスの有するEEZ(排他的経済水域)は世界第3位。ほとんどを海が占める。
陸地の総面積は730平方キロメートルと対馬と同程度で小さい。海抜は低く、首都のあるタラワ環礁は最高標高3メートル。

1995年1月1日に日付変更線の位置を東端にずらして全領域で統一、「世界で最も早く日付が変わる国」になった。

世界銀行の予測では、最悪の場合、2050年までにタラワ環礁は5〜8割が浸水するといわれている。
マングローブを植林したり防護壁を作るなど対応しているが、いつ限界が来るかわからない。 

その狭さでも戦後4,000人から6万人にまで人口増加したタラワ環礁には、深刻な都市問題がある。
淡水の確保の問題も深刻だ。雨が降らないと水不足になり、豪雨が続くと井戸の海水が流入して水質汚染につながる。
 
国の歳入の65パーセントを、キリバス領海で漁をするために外国船が支払う入漁料に頼っているという。就業人口は2割。ほとんどが自給自足。オーストラリア、日本はじめ、諸外国の支援に頼るところが大きい。
キリバスの経済活動維持を目的として日本の援助によって造られた官庁街バイリキと港町ベシオを結ぶ3.4キロの「ニッポン・コーズウェイ」は有名。
日本のマグロ・カツオ漁船でも多くのキリバス人が活躍している。
海水温の上昇により生態系に変化が見られる。現状が維持できるとは限らない。

『わが友、第五福竜丸』では、核実験によるマーシャル諸島の被害についても描いたが、クリスマス島等、核実験の脅威にもさらされてきている地域。
『KYOTO』を上演する機会がなければ、このキリバスという国のことを私が認識することはなかった。
知ってしまった以上、何かを続けなければならない。
その思いに駆られてやまない。


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