Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「くまモン」に手紙を渡したら

2013-11-18 | Weblog
熊本県のPRキャラクター、いわゆる「ゆるキャラ」である「くまモン」は、大人気のようで、CMにも多く登場、グッズもいっぱい作られているし、「くまモン体操」などというのもあるらしい。「くまモン」は蒲島知事とともに米国を訪問したり、ハーバード大学で特別講義をする予定だというから英語もできるのだろう。大分市の高崎山自然動物園では「くまモン」が、一時失踪してC群のボスに戻った人気ザル「ベンツ」の復帰のお祝いに駆けつけたという。くまモンはリヤカーに乗って登場。木に隠れながら、恐る恐るベンツの後ろから歩み寄ったが、さすがのボスも姿に気付くと驚いて逃げ去ったという。くまモンは「ベンツに会ってドキドキした。伝説のボスザルと言われるベンツみたいになりたい。僕の憧れでもあるんだモン」と語ったという。立派に熊本県のマスコット=「象徴」の役割を果たしているのである。
そういえば「くまモン」は先日、天皇の訪問を受けたとも聞いている。
で、なんとなくその直後の「山本太郎の園遊会での天皇への手紙渡し事件」がいろいろと問題になった頃、これが「くまモン」相手だったらどうだったのだろうと考えた。
たとえば、熊本県の議員が、何らかの公式の場で(例えば、イベント「くまモンと熊本の魅力について語ろう」)、登場した着ぐるみのゆるキャラ「くまモン」に手紙を渡したとする。彼が「くまモン、球磨川の自然を守るためには、瀬戸石ダムはいらないよね。一緒に考えてほしいんだ。詳しい説明はここに書いてある!」「県民の皆さんにも読んでもらおうね」と、手紙を渡すことは、「くまモン」の着ぐるみに入っている人には迷惑だろうし、周囲から「ださい」と思われたりするだろうが、その手紙を公開して人々にアピールすることが主旨ならば、あくまでも県民に向かった表現行為である。
くまモンはマスコット=象徴であるに過ぎない。議員はとくにくまモンの意見を聞こうとはしないはずである。(着ぐるみの中の人と事前に相談しておいて仲良くパフォーマンスにつきあってもらえれば別だが)
そして、「くまモンの政治利用禁止」が県の条例に記してあれば、もちろんその議員はそれに違反したことになる。
その議員が本気で「くまモンに現実をわかってもらって、くまモンの気持ちを動かせば、県民も、熊本県も、変わる!」と思っていたら、その人は、「マスコット=象徴」がどういうものであるかがわかっていないということだ。あるいは、「くまモン」が着ぐるみで中に人が入っていることを信じられないでいるたいへんおめでたい人だということだ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ここには映画館があった』... | トップ | 『ここには映画館があった』... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事