Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

「保険の自由制度」は責任逃れか

2013-03-03 | Weblog
食物連鎖の上位の生き物に高濃度の放射性物質が蓄積する傾向があると、東京農工大と北海道大の研究チームの調査で判明している。福島第1原発から西約40キロの山林で、カエルから1キログラム当たり最高6700ベクレル超のセシウム137が検出されたという。決して消えない放射性物質が食物連鎖の末に濃縮しているということだ。事故や被害が広がれば、より広いエリアで何も食べられなくなるのではないか。……河北新報によると、福島第1原発原子炉建屋内の放射能汚染水を取り除いてためる貯蔵エリアが初めてオープンにされた。汚染水処理は廃炉作業の目下の最大の懸案で、貯蔵容量の限界が迫る中、タンクの増設でしのぐ背水の処理が続いている。貯蔵量は現時点で26万トン、飽和量の約32万トンに迫る。東電は2014年前半までに約8万トンのタンクを増設し、敷地を造成して15年度までに計70万トンの容量を確保する計画というが、タンクは既に敷地を埋め尽くすように並び、用地に余裕があるようには見えない。東電は処理水を最終的に海へ放出する考えだが、漁業関係者が反発し、最終処理の見通しは立っていない。地下水の流入は止まらず、さまざまな濃度の汚染水に姿を変え続ける。収束作業に当たる作業員たちは高放射線量や気象条件と闘いながら続く作業の中で、「臭いも色もなく、慣れるとだんだん恐怖感がなくなってくる」「人類の誰も経験したことのない作業に使命感を持ち、技術を駆使して挑んでいる。何とか役に立ちたい思いで作業していることを分かってほしい」と涙ぐんで訴えたという。現在は凍った現場で足を滑らせている冬場の作業の難しさを訴えるが、4号機からの燃料取り出しのため建屋をカバーで覆う工事に当たる技術者は「重装備に全面マスク。15分で汗だくになり、下手すれば倒れる」と、夏の熱中症対策が課題と訴える。これは地方紙で紹介されるだけでなく、全国で認識すべき問題ではないのか。……安倍首相はそれでも原発再稼働なのだ。うかうかTPP交渉に加わるというが、医療分野の危機をどう思っているのか。「国民皆保険制度」が崩壊するとき、放射能汚染にさらされた下請け労働者・国民の健康を支えるシステムまで視野に入れているのか。治療や生活保障のケアはどう考えているのか。今からTPPによる「保険の自由制度」を盾に、無責任体制にしておく作戦を立てているのか。
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