Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

海外有識者・文化人による、米軍普天間飛行場・辺野古移設への反対声明

2014-01-08 | Weblog
アメリカ、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパなど海外の有識者や文化人ら29人が、7日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先として同県名護市辺野古に代替施設を建設する計画に、反対声明を発表した。
声明では、普天間の辺野古移設について「人間と環境を犠牲にして沖縄の軍事植民地状態を深化し、拡大させる」と批判。米軍が沖縄戦の最中に住民の土地を奪って普天間飛行場をつくった経緯に触れ「終戦後、(沖縄に)返還されるべきだった」、さらに「沖縄への新たな基地建設に反対し、平和と尊厳、人権、環境保護のために闘う沖縄の人々を支持する」「普天間飛行場を即時・無条件で沖縄に返還すべきだ」としている。
県外移設を公約して再選された沖縄県の仲井真弘多知事が昨年末「経済振興をエサ」にした安倍晋三首相に応じ、辺野古の埋め立てを承認したことを「沖縄県民に対する裏切り」と非難。辺野古移設について、近年の県民世論調査で7~9割が反対していることに触れ、県外移設を公約に掲げた知事が埋め立てを承認したことを「県民の民意を反映したものではない」「人間と環境を犠牲にして沖縄の軍事植民地状態を深化し拡大させるための取り決めに反対する」としている。
さらに、米兵による犯罪や米軍機の騒音、環境汚染によって「戦後ずっと、沖縄の人々は米国の独立宣言が糾弾する『権力の乱用や強奪』に苦しめられ続けている」と指摘。普天間の辺野古移設は「沖縄の人々の苦しみを恒久化させることにもつながる」とした。

昨年8月に米軍基地問題の調査で沖縄県を訪れたオリバー・ストーン監督
敗戦後の日本を描いた著書「敗北を抱きしめて」で知られる知日派の米国の歴史学者、ピュリツァー賞を受賞したジョン・ダワー氏
ベトナム戦争をめぐる米政府の情報隠蔽(いんぺい)を示す国防総省文書を暴露した元国防次官補佐官、ダニエル・エルズバーグ氏
北アイルランド紛争の解決に尽力し1976年にノーベル平和賞を受賞した平和活動家、マイレッド・マグワイア氏
言語哲学者ノーム・チョムスキー氏
映画監督マイケル・ムーア氏
国連のパレスチナ問題特別報告者でプリンストン大名誉教授のリチャード・フォーク氏
ジャーナリストで「ショック・ドクトリン」著者のナオミ・クライン氏
らが呼び掛け人に名を連ね、賛同者を募っている。

賛同人の一人、米平和団体アメリカンフレンズ奉仕委員会のジョセフ・ガーソン氏は声明の目的について、「沖縄の約70年にもおよぶ軍事植民地化を終わらせ、自らの尊厳と人権を守り、平和と環境保護を確保するための非暴力運動への国際的支援を集める」と述べているという。

このような声明が出されることは画期的ではある。
「世界の常識は、日本とアメリカ保守派の非常識」ということを、より明白にしたものである。
名護市長選の追い風になってくれると信じる。
また、この主旨は安倍政権を批判するものであり、日本国内のリベラル派を、国内の孤立から助けるものでもある。
「外圧」が有効にはたらかない国内情勢だが、この国の現在に対して責任ある立場の者は、世界の目に晒されていることを、自覚すべきである。


プレス・リリースは以下の通り

世界の識者と文化人による、沖縄の海兵隊基地建設にむけての合意への非難声明
私たちは沖縄県内の新基地建設に反対し、平和と尊厳、人権と環境保護のためにたたかう沖縄の人々を支持します。
 私たち署名者一同は、2013年末に安倍晋三首相と仲井真弘多沖縄県知事の間でかわされた、人間と環境を犠牲にして沖縄の軍事植民地状態を深化し拡大させるための取り決めに反対します。安倍首相は経済振興をエサに、軍港をともなう大型の海兵隊航空基地を作るために沖縄北東部の辺野古沿岸を埋め立てる承認を仲井真知事から引き出しました。
 辺野古に基地を作る計画は1960年代からありました。それが1996年に掘り起こされ、前年に起こった少女暴行事件もあり当時沖縄で最高潮に達していた反米軍基地感情を鎮めるために、日米政府は、宜野湾市の真ん中にある普天間基地を閉鎖して、辺野古の新基地にその機能を移転させようと計画しました。辺野古は稀に見る生物多様性を抱え、絶滅の危機にある海洋哺乳動物、ジュゴンが棲息する地域です。
 仲井真知事の埋め立て承認は沖縄県民の民意を反映したものではありません。知事は2010年の知事選直前に、それまでの新基地容認姿勢を変更し、「普天間基地移設は県外に求める」と言って、新基地反対で一貫していた候補を破って当選しました。近年の世論調査では県民の辺野古新基地への反対は7割から9割に上っていました。今回の仲井真知事埋め立て承認直後の世論調査では、沖縄県民の72.4%が知事の決定を「公約違反」と言っています。埋め立て承認は沖縄県民に対する裏切りだったのです。
 在日米軍専用基地面積の73.8%は日本国全体の面積の0.6%しかない沖縄県に置かれ、沖縄本島の18.3%は米軍に占拠されています。普天間基地はそもそも1945年の沖縄戦のさ中、米軍が本土決戦に備え、住民の土地を奪って作りました。終戦後返還されるべきであったのに、戦後70年近く経っても米軍は保持したままです。したがって、返還に条件がつくことは本来的に許されないことなのです。
 今回の合意は長年の沖縄の人々の苦しみを恒久化させることにもつながります。沖縄は、日本による17世紀初の侵略に始まり、19世紀末の日本国への強制併合を経て、1944年には、米軍の襲撃を控え、天皇制を守るための時間稼ぎの要塞とされました。沖縄戦では10万人以上、住民の4分の1にあたる人々が殺されました。戦後、米軍政下において基地はさらに増えました。沖縄は1972年に日本に「返還」されたものの、基地がなくなるとの沖縄住民の希望は打ち砕かれました。そして今日も、沖縄県民は基地の存在によってひき起こされる犯罪、事件、デシベル数の高い航空機の騒音や、環境汚染による被害を受け続けています。戦後ずっと、沖縄の人々は米国独立宣言が糾弾する「権力の濫用や強奪」に苦しめられ続けています。その例として同宣言が指摘する「われわれの議会による同意なしの常備軍の駐留」もあてはまります。
 沖縄の人々は、米国の20世紀における公民権運動に見られたように、軍事植民地状態を終わらせるために非暴力のたたかいを続けてきました。生活を脅かす実弾砲撃訓練に対し演習場に突入して阻止したり、米軍基地のまわりに人間の鎖を作って抵抗を表現したりしました。大規模なデモが時折持たれ、約10万人-人口の10分の1にもあたる人々が参加してきています。80代の人たちが辺野古基地建設を阻止するために立ち上がり、座り込みは何年も続いています。県議会は辺野古基地反対の決議を通し、2013年1月には全41市町村首長が、オスプレイ配備撤回と県内移設基地の建設を断念するよう政府に求める建白書に署名しました。
 私たちは、沖縄の人々による平和と尊厳、人権と環境保護のための非暴力のたたかいを支持します。辺野古の海兵隊基地建設は中止すべきであり、普天間は沖縄の人々に直ちに返すべきです。

2014年1月

ノーマン・バーンボーム  ジョージタウン大学名誉教授
ハーバート・ビクス  ニューヨーク州立大ビンガムトン校歴史学・社会学名誉教授
ライナー・ブラウン  国際平和ビューロー(IPB)共同代表、国際反核兵器法律家協会(IALANA)事務局長
ノーム・チョムスキー  マサチューセッツ工科大学言語学名誉教授
ジョン・W・ダワー  マサチューセッツ工科大学歴史学名誉教授
アレクシス・ダデン  コネチカット大学歴史学教授
ダニエル・エルズバーグ  核時代平和財団(Nuclear Age Peace Foundation)上級研究員、元国防総省・国務省職員
ジョン・フェファー  政策研究所(IPS)「フォーリン・ポリシー・イン・フォーカス」(fpif.org) 共同代表
ブルース・ギャグノン   「宇宙への兵器と核エネルギーの配備に反対する地球ネットコーディネーター
ジョセフ・ガーソン   「アメリカン・フレンズ・サービス委員会」平和と経済の安全保障プログラム部長、政治学・国際安全保障学博士
リチャード・フォーク  プリンストン大学国際法名誉教授
ノーマ・フィールド  シカゴ大学東アジア言語文明学部名誉教授
ケイト・ハドソン  核軍縮キャンペーン事務局長
キャサリン・ルッツ  ブラウン大学人類学・国際問題学教授
ナオミ・クライン  著述家、ジャーナリスト
ジョイ・コガワ  作家、『オバサン』(和訳『失われた祖国』)著者
ピーター・カズニック  アメリカン大学歴史学教授
マイレッド・マグワイア  ノーベル平和賞受賞者
ケビン・マーティン   「ピース・アクション」事務局長
ガバン・マコーマック  オーストラリア国立大学名誉教授
キョー・マクレア  作家、児童文学者
スティーブ・ラブソン  ブラウン大学名誉教授・米陸軍退役軍人(沖縄・辺野古にて1967-68年駐留)
マーク・セルダン  コーネル大学東アジアプログラム上級研究員
オリバー・ストーン  映画監督
デイビッド・バイン  アメリカン大学人類学部准教授
ロイス・ウィルソン  世界教会協議会前総会議長
ローレンス・ウィットナー  ニューヨーク州立大学アルバニー校歴史学名誉教授
アン・ライト  元米陸軍大佐、元米国外交官

(苗字のアルファベット順、2014年1月7日現在)



STATEMENT

We oppose construction of a new US military base within Okinawa, and support the people of Okinawa in their struggle for peace, dignity, human rights and protection of the environment

We the undersigned oppose the deal made at the end of 2013 between Prime Minister Shinzo Abe and Governor of Okinawa Hirokazu Nakaima to deepen and extend the military colonization of Okinawa at the expense of the people and the environment. Using the lure of economic development, Mr. Abe has extracted approval from Governor Nakaima to reclaim the water off Henoko, on the northeastern shore of Okinawa, to build a massive new U.S. Marine air base with a military port.

Plans to build the base at Henoko have been on the drawing board since the 1960s. They were revitalized in 1996, when the sentiments against US military bases peaked following the rape of a twelve year-old Okinawan child by three U.S. servicemen. In order to pacify such sentiments, the US and Japanese governments planned to close Futenma Marine Air Base in the middle of Ginowan City and move its functions to a new base to be constructed at Henoko, a site of extraordinary bio-diversity and home to the endangered marine mammal dugong.

Governor Nakaima’s reclamation approval does not reflect the popular will of the people of Okinawa. Immediately before the gubernatorial election of 2010, Mr. Nakaima, who had previously accepted the new base construction plan, changed his position and called for relocation of the Futenma base outside the prefecture. He won the election by defeating a candidate who had consistently opposed the new base. Polls in recent years have shown that 70 to 90 percent of the people of Okinawa opposed the Henoko base plan. The poll conducted immediately after Nakaima’s recent reclamation approval showed that 72.4 percent of the people of Okinawa saw the governor’s decision as a “breach of his election pledge.” The reclamation approval was a betrayal of the people of Okinawa.

73.8 percent of the US military bases (those for exclusive US use) in Japan are concentrated in Okinawa, which is only .6 percent of the total land mass of Japan. 18.3 percent of the Okinawa Island is occupied by the US military. Futenma Air Base originally was built during the 1945 Battle of Okinawa by US forces in order to prepare for battles on the mainland of Japan. They simply usurped the land from local residents. The base should have been returned to its owners after the war, but the US military has retained it even though now almost seven decades have passed. Therefore, any conditional return of the base is fundamentally unjustifiable.

The new agreement would also perpetuate the long suffering of the people of Okinawa. Invaded in the beginning of the 17th century by Japan and annexed forcefully into the Japanese nation at the end of 19th century, Okinawa was in 1944 transformed into a fortress to resist advancing US forces and thus to buy time to protect the Emperor System. The Battle of Okinawa killed more than 100,000 local residents, about a quarter of the island’s population. After the war, more bases were built under the US military occupation. Okinawa “reverted” to Japan in 1972, but the Okinawans’ hope for the removal of the military bases was shattered. Today, people of Okinawa continue to suffer from crimes and accidents, high decibel aircraft noise and environmental pollution caused by the bases. Throughout these decades, they have suffered what the U.S. Declaration of Independence denounces as “abuses and usurpations,” including the presence of foreign “standing armies without the consent of our legislatures.”

Not unlike the 20th century U.S. Civil Rights struggle, Okinawans have non-violently pressed for the end to their military colonization. They tried to stop live-fire military drills that threatened their lives by entering the exercise zone in protest; they formed human chains around military bases to express their opposition; and about a hundred thousand people, one tenth of the population have turned out periodically for massive demonstrations. Octogenarians initiated the campaign to prevent the construction of the Henoko base with a sit-in that has been continuing for years. The prefectural assembly passed resolutions to oppose the Henoko base plan. In January 2013, leaders of all the 41 municipalities of Okinawa signed the petition to the government to remove the newly deployed MV-22 Osprey from Futenma base and to give up the plan to build a replacement base in Okinawa.

We support the people of Okinawa in their non-violent struggle for peace, dignity, human rights and protection of the environment. The Henoko marine base project must be canceled and Futenma returned forthwith to the people of Okinawa.

January 2014

Norman Birnbaum, Professor Emeritus, Georgetown University
Herbert Bix, Emeritus Professor of History and Sociology, State University of New York at Binghamton
Reiner Braun, Co-president International Peace Bureau and Executive Director of International Association of Lawyers Against Nuclear Arms
Noam Chomsky, Professor Emeritus of Linguistics, Massachusetts Institute of Technology
John W. Dower, Professor Emeritus of History, Massachusetts Institute of Technology
Alexis Dudden, Professor of History, University of Connecticut
Daniel Ellsberg, Senior Fellow at the Nuclear Age Peace Foundation, former Defense and State Department official
John Feffer, Co-director of Foreign Policy In Focus (www.fpif.org) at the Institute for Policy Studies
Bruce Gagnon, Coordinator of the Global Network Against Weapons & Nuclear Power in Space
Joseph Gerson (PhD), Director, Peace & Economic Security Program, American Friends Service Committee
Richard Falk, Milbank Professor of International law Emeritus, Princeton University
Norma Field, Professor Emerita, East Asian Languages and Civilizations, University of Chicago
Kate Hudson (PhD), General Secretary, Campaign for Nuclear Disarmament.
Catherine Lutz, Professor of Anthropology and International Studies, Brown University
Naomi Klein, Author and journalist
Joy Kogawa, Author of Obasan
Peter Kuznick, Professor of History, American University
Mairead Maguire, Nobel Peace laureate
Kevin Martin, Executive Director, Peace Action
Gavan McCormack, Professor Emeritus, Australian National University
Kyo Maclear, Writer and Children’s author
Michael Moore, Filmmaker
Steve Rabson, Professor Emeritus, Brown University/ Veteran, United States Army, Henoko, Okinawa, 1967-68
Mark Selden, a Senior Research Associate in the East Asia Program at Cornell University
Oliver Stone, Filmmaker
David Vine, Associate Professor of Anthropology, American University
The Very Rev. the Hon. Lois Wilson, Former President, World Council of Churches
Lawrence Wittner, Professor Emeritus of History, State University of New York/Albany
Ann Wright, Retired US Army Colonel and former US diplomat
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