Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

唐十郎氏の戯曲の著作権

2016-10-26 | Weblog
劇団唐組の公式ホームページに以下のように記されている。

ご報告

状況劇場時代の唐十郎の戯曲、小説等113点について、女優の李麗仙氏が著作権の譲渡を受けたと主張していた件について、本日、東京地裁民事第46部は李氏の請求を根拠の無いものとして全て棄却し、著作権は全て唐十郎に帰属すると認める判決を下しました。(平成27年(ワ)第34837号)。
創作者の権利が認められた当然の判決ではありますが、これを受けて、唐組関係者ともども今後も一層唐作品の保存及び上演をはかって参りますので、何卒ご支援を頂ければ幸いです。

2016年10月25日
唐組

いろいろな情報が入ってきていたが、外野としては、経緯を見守るしかなかった。
私としては「作品が上演されること」が大切と思っていた。
日本は「裁判沙汰」になったこと自体に対する偏見がある国だが、そういう色眼鏡はなくなってほしい。
ただ、「著作権」は本来作者に帰属すべきであり、付帯するさまざまな条件と混ぜて語られるべきではないという原則は、あるのではないかと思ってきた。
これで決着してほしいという思いはある。
もちろん、今後がどうなるかはわからない。
それでも、唐十郎戯曲に魅力を感じながらなんとなく距離を置いたり、上演を検討しながら躊躇していた人たちは、積極的に上演してほしいと思う。
唐十郎戯曲の上演の可能性じたいは明瞭に「開かれた」わけで、そのことはもう覆らないと思う。
これまでだって閉じられていたわけではないのかもしれないが、だとすれば、さまざまな誤解を招いていた。
今後、唐十郎作品の上演が活発化することじたいが、「演劇」そのものにとっては、幸福な解決といえる。

コメント
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