A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記1218 『配色の設計』

2016-08-17 23:52:40 | 書物
タイトル:配色の設計 ―色の知覚と相互作用 Interaction of Color
著者:ジョセフ・アルバース
監訳:永原康史
翻訳:和田美樹/ブレインウッズ株式会社
日本語版デザイン:市東 基
日本語版編集:石井早耶香
日本語版DTP:平野雅彦
版権コーディネート:イングリッシュ・エージェンシー
発行:東京 : ビー・エヌ・エヌ新社
発行日:2016.6
形態:205p ; 21cm
注記:原タイトル:Interaction of color 原著50周年記念版の翻訳
内容:
色を見る。組み合わせる。その本質を掴む伝説の授業。バウハウス、ブラック・マウンテン・カレッジ、イェールで教鞭をとったジョセフ・アルバースの大成『インタラクション・オブ・カラー』。ディスプレイ時代の今だからこそ読み継がれるべき名著、遂に復刊!

「色のインタラクション」とは「色と色のあいだで起きていること」であり、それは「私たちの心のなか」で起きていることなのだ。インタラクションを学ぶことは「私たち自身を学ぶこと」にほかならない。
(日本語版に寄せて/監訳者序文より)

目次

日本語版に寄せて  永原康史
序文  ニコラス・フォックス・ウェバー
はじめに
I 色の記憶──ヴィジュアルメモリー
II 色の読解と構築
III なぜカラーペーパーか──絵の具の代わりに
IV 色はたくさんの顔を持つ──色の相対性
V 明るいか暗いか──光の強さ(明度)
 グラデーションの研究──新しい表現方法
 色の強さ(彩度)
VI 2色としての1色──地色を入れ替えることで見える色
VII ふたつの色を同じように見せる──色の引き算
VIII なぜ色はだます?──残像と同時対比
IX 紙による混色──透明性の錯覚
X 現実の混色──加法混色と減法混色
XI 透明性と空間錯視|色の境界と可塑作用
XII 光学的混色──同時対比の再考
XIII ベツォルト現象
XIV 色の間隔と移調
XV 中間混色ふたたび──交差する色
XVI 色の並置──調和──量
XVII フィルム・カラーとボリューム・カラー──ふたつの自然現象
XVIII 自由研究──想像への挑戦
 ストライプ──制限された並置
 紅葉の研究──アメリカでの発見
XIX 巨匠たち──色の楽器
XX ウェーバーとフェヒナーの法則──混色の測定
XXI 色の温度
XXII 揺れる境界──強い輪郭
XXIII 等しい光の強さ──境界の消失
XXIV 色彩理論──カラーシステム
XXV 色彩を教えるにあたって──色彩の用語について
XXVI 参考文献に代えて──私の最初の協力者
図版と解説

購入日:2016年8月17日
購入店:丸善 京都本店
購入理由:
 明楽和記展の参考文献として購入。たまたま別の本をアマゾンで調べていたら本書を知った。明楽和記の作品もまた「色彩の設計」と言えるかもしれない。内容は、前半が理論編、後半が図版編に分かれている。本書の白眉は、やはり図版だろう。色彩を解説した実用書の多くは、「色」の美しさを伝えるというより、色の心理学的、視覚的、光学的な特性を解説することに重点がおかれていて、図版から「色」の美しさを感じることはほとんどない。だが、本書はジョセフ・アルバースの作品集のように美しい。