A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

memorandum 336 運命

2016-08-04 23:20:32 | ことば
 運命は良くしようとしても良くはならない。運命を拓き愉しむ秘訣は、むしろ運命の悪さを愉しむことにある。その裏に潜む良いものを見るのだ。だから運命は悪いほど、良い。運命は悪いほど、人生は躍動する。運命は悪いほど、自己の能力は高まる。運命は悪いほど、幸福になる。これは逆説のようだが真理を言い当てていると思う。勇をふるって、そう考える癖を身につけると、運命は必ず向上すると断言できる。要するに、運命の波動の流れを愉しむのだ。
 この世の不運は、幸運を求めるその心の中にある。幸運は求めてはならない。求めなくともあるのだ。

執行草舟『生くる』講談社、2010年、288頁。

私もご多分にもれず運がいいとか悪いと考えてしまう。だが、運が良い悪いと変化するということは、運動である。運動はエネルギーの燃焼だから、運が動いているということになる。ならば、「運の悪さ」という運動の裏には「良いもの」があろう。運命の波動を愉しみたい。