memorandum 338 三日坊主

　まずはじめに、三日坊主は悪くないどころか、むしろ人生を豊かにする、と確信することが必要である。三日坊主を悪いことだと思っていれば、絶対にそれから抜けることはできない。三日坊主は良い。事実、三日坊主なくして、人間は知識の蓄積はできない。また人格の陶冶も、文明文化に根差した考えかたを身につけることもできない。
　三日坊主万歳！　人生は三日坊主でどんどん好きなことをやろう。どんどん好きなことを経験しよう。その日その日、気にかかるものは何にでも食らいつこう。そして三日で止めればよい。
　こう思うと、人生はかなり楽しく面白いものに見えてくる。しかもそれは正しい。今の自分は三日坊主のおかげで存在している。
（中略）
　要するに、我々は三日坊主のままでいきながら、人生の柱だけに一生坊主を貫く必要がある。我々は子どもの時代からあまりに三日坊主に慣れ過ぎてしまっている。それを踏まえたとしても、人生の柱に適用する危険さえ避ければよいのだ。
執行草舟『生くる』講談社、2010年、339-340頁。

私の髪型は坊主頭だが、好奇心は三日坊主、人生の柱となることには一生坊主として生きるのがいいようだ。