司祭たちの嘘を退けた後、われわれにはまだ、しなければならないことがある。堂々と生きること、自分自身の心に激しい苦痛を与えないこと、そして伝染によって、大げさな悲劇的なことばによって、他人に苦痛を与えないことである。さらにもっとよいことがある。なぜなら、すべてのことは互いにつながっているのだから。人生の小さな不幸について、それを吹聴したり、見せびらかしたり、誇張したりしないことである。他人に対して、また自分に対しても親切であること。他人が生きるのを支えてあげること、自分が生きて行くのも支えてあげること。これこそ、ほんとうの愛徳(シャリテ)である。親切とはよろこびにほかならない。愛(アムール)とはよろこびにほかならない。
アラン『幸福論 (岩波文庫)
』神谷幹夫訳、岩波書店、1998、246頁.
生きることは支えがいる。よろこびがいる。
アラン『幸福論 (岩波文庫)
生きることは支えがいる。よろこびがいる。