大橋むつおのブログ

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タキさんの押しつけ映画評1

2012-06-03 22:10:32 | 評論
タキさんの押しつけ映画評1

 これは、友人の映画評論家ミスター・タキさんが、個人的に身内に流して、互いに楽しんでいる映画評ですが、あまりに面白くモッタイナイので、タキさんの許諾を得て転載したものです。

(1)ミッドナイト イン パリ
ウッディ・アレン最高!最上級の大人のメルヘン(メーフィェンと言うべきか?) 主人公の興奮がストレートに伝わって来ます。
 実にたわいのない話ですが、W・アレンの夢が詰まっていて(元々パリが大好きな人ですから) 創っていて監督本人が一番興奮していたんだろうなぁと想像出来る。
 ギル(主人公であると共に監督の分身、演じるオーウェン・ウィルソンが段々W・アレンに見えてくる)は売れっ子のシナリオライター、婚約者のイネズ及びその父母とパリに来ている。彼は1920年代のパリに憧れが有り、パリに暮らして小説家に成りたい。対して、イネズとその家族は典型的な俗物ヤンキーで、そもそもこの二人が婚約者だというのが不思議(まぁ、そう言う設定ですわ) ある夜、深夜道に迷ったギルは年代物のプジョーに乗った男女からパーティーに誘われる。
 着いた所は20年代のカフェで、そこではコール・ポーターが弾き語りをしており、彼をパーティーに誘ってくれたのはフィッツジェラルド夫妻だった。
 そこでヘミングウェイにも出会い、翌日には自身の小説を持ってガートルード・スタインのサロンに赴く、そこにはピカソと愛人アドリアナがいた。
……と、およそ作家・芸術家ならめくるめく、失神してしまいそうな興奮の体験をする。
 ってなストーリー、現代のアメリカ人はみんな俗物に描かれていて、こりゃあカンヌで大受けしたはずですわ。フィッツジェラルドは妻ゼルダに振り回されてるわ、ヘミングウェイは暑苦しいオッサンだわ、etc etc…ギルはダリの絵画のモデルになったり、ルイス・ブニュエルに映画のアイデアを語ったり、まさにアレンの想像、夢がこれでもかと詰まっていて、それがこちらに伝わって見ている観客も一緒に興奮してしまう。 このままだとギルは勿論、観客も20年代のパリから抜け出られなくなる…と思いきや、もう一つの仕掛けで、ちゃんと現代に帰って来る。ここがアカデミー脚本賞の真骨頂、唸らせてもらった。別段、この時代の知識などなくとも、本作の楽しさは減じるものではない。ギルの興奮をそのまま受け入れれば良い。
 キャスティングも実に豪華で、特にアドリアナを演じるマリオン・コティアールに恋しない男はいない。エイドリアン・ブロディのダリもそっくりだし、アリソン・ピルのゼルダはまさにこんな女(ひと)だったのだろうと思わせる。 五夜のタイムスリップの結果、ギルは多くを失うが、最後に素敵なプレゼントが待っている。兎に角、ユーモア・ウィット・優しさ満載の作品です。全身全霊をこめて鑑賞をお薦め。

(2)メン イン ブラック3
 アッハヒハヒハ、ようやる!! 全3作中 最高作です。但し!!! タイムパラドックスの細かい決まり事を一切考えてはならない!それを言い出すと最初から最後まで引っかかりまくる。 一切問答無用で受け入れなければならない。このルールさえ守れば、至極楽しめる作品であると保証します。SFのそこいらに拘りをお持ちの方は鑑賞をお止めになられた方が無難であります。
 ウィル・スミスはいつものウィル、あまりにも歳を取らないので、彼こそがエイリアンじゃないのかと思うほどです。K(T・L・ジョーンズ)の40年前を演じたジョッシュ・ブローリンがこれまた嵌り役で傑作です。小難しい理屈抜きに楽しんでいただきたい。
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