ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

雲と霧の二楽章

2011年10月01日 | 旅の話
きのう発表された9月末の日本の株式時価総額は266兆円であった。
これが1989年のバブル絶頂期には890兆円計上されていた。
『おあし』は羽根が生えて手強い。
色即是空する世の、寿司はどのみち2人前で腹一杯とわかり、カセットテープでジャズを聴く。
すると、『マイファニー・バレンタイン』が予想外の節回しで、美空ひばりのようにイントネーションが凝っている。誰だろう。
シングス・ザ・ヴィーナスから収録されたアニタ・オディであった。
新潟からお見えになった御仁は、ご自宅のウエストミンスターの写真を見せてくださった。
部屋の反対側にはJBLが置いてあり、本来ジャズの人であるが、Royceで聴いたヴィヴァルディの冬の二楽章を覚えていてくださって、さっそく買い求めて、それからよく聴いておられるそうである。
あるとき、そのヴィヴァルデイの生息の地、ベニスに行ってみた。
ベニスは土地が狭く、どの家も一族郎党が集団で1軒に住むといい、ベニスは決して窮屈ではないがびっしり家が立ちこめている。
ここで生活した彼は、もうれつなスピードで作曲しながらピェタ慈善音楽院の業務をこなし、『四季』をはじめ幾多の名曲を生み、人気が出ると外遊するようになった。
驚いたベニスの事業主は、給料はそのままで作曲生産を厳命している。
はじめに四季は、慈善音楽院の子供たちで演奏されたのであるとしたら、いまRoyceのタンノイで鳴っている演奏は格闘技のような音であるので、作曲者も「誰の曲だ!」と驚くのかも知れない。


※Zeiss1.4/85


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