あるとき鍛冶町を抜けてプラモデルの店に向かっていたのは小学生のころである。
河川敷に自衛隊が整列して、磐井川にカーキ色のボートが浮かび、雨で増水した川面にザンブと隊員が飛び込み、両岸に渡されたロープに必死に縋っている。
ずぶ濡れにへばり付いた軍服のまま救助訓練は始まったが、ヘルメットの下の顔は洪水に濡れて大変な迫力で頑張っている。
そのとき、堤防の石段をジープが45度の傾斜でゆっくり登り降りして、増水期に恒例の水防訓練は始まっていた記憶がある。
ジープは、熱中していたプラモデルの資料によると、4輪の二つが地雷で破損してもスペアタイヤを使い、3輪のまま100キロ走れることなど、性能を極めた車体の後部にタイヤが付いているのは地雷を避けるためらしい。
当方の車は先日パンクし上着を脱いで更生したが、あのていどでビクともしないのがジープである。
皐月の陽気にロイスの道端に小判草を揺らし、ジープとエンブレムの付いた車が停まると、ひょうひょうと入ってきた長身の御仁が居た。
座頭市の番組にみる、腰に長い刀を一本差して登場するような、ただものではなさそうな御仁であるが、タンノイを聴きたいと要点を言い、どこか笑っている。
分析不能の人物に注目しているとやがて、18歳の時世田谷のホーム商会でコーヒーを喫しながらクオードESLを買った話や、もしかするとそれは当時からおぼっちゃまが大きくなったのか。
当方の年齢を知ると、生まれは2歳ほどあとでも、腕前はだいぶ先を行っているようだ。
「昼はroyce、夜は川向こうで、ふたりのおにいちゃんに遊んでもらうのも面白そうだ。一関に住もうかな」
長刀を鞘から抜いて一閃してみせると、もう一方の専門家とふたり、乗ってきた最新型のジープ右ハンドルの「チェロキー」にカーナビを打ち込んで、名物の食堂に去っていった。
河川敷に自衛隊が整列して、磐井川にカーキ色のボートが浮かび、雨で増水した川面にザンブと隊員が飛び込み、両岸に渡されたロープに必死に縋っている。
ずぶ濡れにへばり付いた軍服のまま救助訓練は始まったが、ヘルメットの下の顔は洪水に濡れて大変な迫力で頑張っている。
そのとき、堤防の石段をジープが45度の傾斜でゆっくり登り降りして、増水期に恒例の水防訓練は始まっていた記憶がある。
ジープは、熱中していたプラモデルの資料によると、4輪の二つが地雷で破損してもスペアタイヤを使い、3輪のまま100キロ走れることなど、性能を極めた車体の後部にタイヤが付いているのは地雷を避けるためらしい。
当方の車は先日パンクし上着を脱いで更生したが、あのていどでビクともしないのがジープである。
皐月の陽気にロイスの道端に小判草を揺らし、ジープとエンブレムの付いた車が停まると、ひょうひょうと入ってきた長身の御仁が居た。
座頭市の番組にみる、腰に長い刀を一本差して登場するような、ただものではなさそうな御仁であるが、タンノイを聴きたいと要点を言い、どこか笑っている。
分析不能の人物に注目しているとやがて、18歳の時世田谷のホーム商会でコーヒーを喫しながらクオードESLを買った話や、もしかするとそれは当時からおぼっちゃまが大きくなったのか。
当方の年齢を知ると、生まれは2歳ほどあとでも、腕前はだいぶ先を行っているようだ。
「昼はroyce、夜は川向こうで、ふたりのおにいちゃんに遊んでもらうのも面白そうだ。一関に住もうかな」
長刀を鞘から抜いて一閃してみせると、もう一方の専門家とふたり、乗ってきた最新型のジープ右ハンドルの「チェロキー」にカーナビを打ち込んで、名物の食堂に去っていった。