魚釣りを趣味とする人は釣果があった場合でも周囲からよく「そんなにお金を使うくらいなら家の近くの魚屋で買った方が安上がりじゃないですか」、と揶揄されます。私も過去に幾度も経験したことです。しかし、それは本当に釣りの面白さや、釣果だけが目的ではないことを知らない人の発言です。大自然の中に身を置いているときの心地よさ、浮子に動きが有ったときのあの、世の中の全てのことが頭から消え去る状況は例えようがありません。加えて事前の準備、釣り現場での対応の想像などで心は浮き立ちます。結果的に所謂「ぼうず」(釣果がないこと)に終わっても毛の先ほども後悔は無く、次回に対する意欲が湧くばかりです。勿論、釣れれば尚、嬉しいことは云うまでもありません。結果とは別に充分な満足感が存在しているのです。一方、写真活動についても同様のことが私の場合は云えます。自分の能力、資質、感性、技量の程度をイヤと云うほど知っていますので芸術的な高度な写真を撮ることは土台不可能ですし、求めてもいません。私は私好みの被写体を探し当ててシャッターを切る、そこに、えも云えない満足感が生まれます。その事だけで写真活動は続いています。釣果が無くても良い、芸術写真が撮れなくても良い、そこに至る迄の過程が喜び、幸せです。勿論、ここでも結果として芸術写真が撮れれば尚、喜びが大きくなることは勿論です。
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