怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

マレーシア人のドイツ出張

2016年10月27日 | カテゴリー分けするのに飽き
ドイツで北欧某国の会社に勤務しているKさんが数ヶ月前から東京勤務になった。
Kさんはマレー系マレーシア人だ。
どうしてドイツにマレー系マレーシア人のエンジニアが多いのかというと、マレーシア政府がせっせと外国に若いマレー系を留学させているらしい。
もちろん、そこで学んだものを母国で発揮させてもらいたいという目的なのだが、留学した本人たちは、たいていその留学先の給与や生活レベルの高さに魅せられて現地就職をしてしまうらしい。
Kさんもその一人なのだろう。

Kさんは二週間の出張で、東京からドイツにやってきた。同じくマレー系マレーシア人の奥さんも一緒だ。
彼らのために、パーティが開かれた。
 
私も親しくしているマレー系マレーシア人Z子さんの料理。
そういえば、彼女もマレーシア政府がドイツに派遣し、ドイツ語を学んでマレーシアの学校でドイツ語を教える予定だった人物だ。
ドイツ留学中にドイツ人男性と結婚したんだ。
この日の料理はかなり辛かった。ほんの少ししか食べられなかった。

デザートはしっかりいただいた。おいしかった。

Kさんは日本数ヶ月の滞在中にかなりのレベルの日本語を習得していた。マレーシア人は語学習得能力に優れている人が多い。
日本の職場では英語が使われているが、やはり生活には日本語が必要ということで、勉強しているのだとか。
彼のお祖母さんがシンガポールで生まれ育った中国系だそうで、孫の彼も、かなりモンゴロイド種風の特徴を備えていて、日本の雑踏で特に目立つというわけでもない風貌だ。
奥さんのS子さんは四年のドイツ生活経験がある。
彼女に、イスラム教徒としての東京での生活の感想を聞いた。
「ドイツより、ずっと過ごしやすいです」
これにはかなりたまげた。
イスラム教徒と接するのは、歴史的には長い欧州だから、きっとドイツの方が良いだろうと予想していたからだ。
「近所のショッピングモールには祈祷所があります。ここにはないでしょう?」
むむっ、日本、空港どころか物を売る場所にもイスラム祈祷所を造ったのか。
「ハラールフードも簡単に手に入りますし、ハラールレストランも多いです」
そのハラールレストラン、大丈夫?とちらりと思ったが黙っておいた。
とんかつを提供しているハラールレストランを見たことがある私だ。
「回転寿司、大好き!」とか「ダイソーとセリア、素晴らしい」という発言。
イスラム教徒としての生活より、そのほかの面で日本の生活はドイツより楽しくて便利らしい。
「人々は優しくて親切です」
これも、ドイツ生活との比較だ。ああ、よくわかるぞ!
イスラム頭巾の女性たちを嫌う高齢者も多いドイツだ。日本では、そのイスラム教徒の存在が、まだ物珍しいので大事にしてくれるのだろう、と彼らと話し合った。

Kさんも、物価の高さを除けばおおむね東京の生活には満足している様子だ。
「でもね、日本の会社では働きたいと思いません」
数週間前の超過勤務続きの女性の死亡事件がテーマになった。
日本に住みたいけれど、日本の会社で働きたくない、という外国人の意見は以前にも聞いたことがあった。

集まったのは、私を除き、みなイスラム教徒。
成人女性は皆、頭巾着用。
 
私は無宗教主義を公言しているけれど、こうして彼らの集まりにも招かれている。
彼らは意外と大らかだ。
東京周辺で在住していると思われる頭巾女性を見かけたら、日本語でいいから積極的に話しかけてみることを提案する。
「あなたのお国の料理を教えて欲しいです」
とか、喜ばれる質問だ。