怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

欧州は醤油消費大国になる

2014年03月02日 | ひとびと
以前は夫と食べ放題の中国レストランで食べたものだ。
そこで驚いたのが、ドイツ人かあるいは欧州の人々の寿司の食べ方だった。(中国レストランに寿司があるのだ)
醤油を小皿になみなみと注ぎ、そこに寿司をどっぷり浸して真っ黒になったそれを口に入れる。
小皿の醤油は大量に残されたまま、席を立つ人々。
寿司が彼らの伝統的な食文化でないことは確かで、食べ方を知らないのは仕方が無いにしても、あんなに黒い状態になった飯の塊はしょっぱすぎないではないか?
大量に醤油を残すのも疑問だ。ここで醤油は安いものではないぞ。

その実際の光景を撮影するのは不可能なので、私が自ら作った。

初めて作ってみた裏巻き。失敗を想定して具は少なめにした。これを記憶どおりにしょうゆで真っ黒にしてみる。
うっわー。食べてびっくり、しょっぱいぞ。確実に塩分摂取過剰。

そういえば先日巻き寿司講習したKさんも食べる際に醤油をたっぷりと注いだので、私はあわてて注意した。
「そんなに醤油を使ってはいけません。ここの人たちは黒くして食べるようですが、それは日本人から見ると教養のない下品な人に見えます」と思い切り感じていたことを言った。
寿司飯、具材はすでに塩やその他の調味料でかなり濃い目に味付けがされているので醤油を使わなくても食べることができる、ということまで言ってみた。

よし、日本食を広める上で食べ方の指導も必要だな、と張り切ったのは数日間。
よくよく考えてみたら、私は醤油メーカー繁栄の足を引っ張る行為をしようとしているのだ。すでにほとんどのここの普通のスーパーにはキッコーマンの醤油が販売されている。
また、各スーパーは独自の醤油を数ヶ月ごとに売り出している。価格はキッコーマンの半額以下だ。
ドイツ人たちがこの醤油をどのように使っているか不明だが、おそらく今のところ家庭で「寿司もどき」を作って楽しむ人々がいるのことを容易に想像できる。(たいていのドイツ人、在住外国人は寿司飯は炊きあがった米飯に寿司酢を混ぜるという事実を知らない。なので「寿司もどき」さ)
こういった寿司を愛好する人々に「醤油は少なめに摂取」などと私が指導するのは醤油の普及に反する行為だ。
ここの人々にたくさん醤油を使ってもらうことはめぐりめぐってわたしのためにもなってくるだろう。
醤油価格の下落とか、他の料理にも醤油を使ったり添えたりする人々が出てくる可能性さえあるかもしれない。

そういうわけで、真っ黒寿司をこれからは否定しないようにしよう。
一緒にいただくときは「私は少なめに使うのが好きです」とあくまでも個人の好みということで自分の食べ方を披露しよう。
私も真っ黒にして食べて見せる方が効果的か!?

欧州の中でもドイツ人は塩分に対する感覚が鈍いようだ。
パンに含まれている塩分は周辺各国より高いということが二度ほど新聞に掲載されていた。
将来、シュニッツェル(薄切りカツレツ)に醤油が添えられるのが楽しみだ、あはは・・・