飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

勇気づけ

2020年09月13日 08時39分52秒 | 教育論
子どもたちが何か頑張ったり、良いことをしたときに教師は褒める。
褒めることによってやる気を出す子もいる。
これは間違いではないだろう。
しかし、教師は様々な観点から子どもたちを褒めると同時に勇気づけることも必要だ。
その勇気づけのテクニックには次のようなものがあるという。

1 貢献や協力に注目する
2 過程を大切にする
3 すでに達成できている成果を指摘する
4 失敗をも受け入れる
5 個人の成長を重視する
6 相手の判断にゆだねる
7 肯定的な表現を使う
8 「私メッセージ」を使う
9 意見言葉を使う
10 感謝し共感する

集団を形成する中で共同体感覚というものも重要でいつも意識しておく必要がある。

1 私は私のことが好きだということ。自己受容。
2 人々は信頼できる。基本的信頼感。
3 私は役に立てる人間だということ。貢献感。 

授業中に注目をされよう、注意をひこうとする子がいる。
通常なら、注意して静かになるのだ、そんなに簡単にいかないこともある。
その時、むきになって注意をくりかえすと、かえってひどくなることもある。
それは悪い行為であっても注目されるという欲求を満たしてしますことになるからだ。
その時の一つの方法として。
こんな言い方をしてみる。

私は〜するのはよくないと思うし、うれしくないな。
私は〜するほうが良いと思うし、うれしいな。

不適切な行動に対して注目するのをやめて、適切な行動に対して注目することが大切であるということ。
なかなか、難しい。

saitani


質問する力

2020年09月10日 17時59分21秒 | 授業論
質問する力は、言い換えると相手を大切にする力とも言える。
よく子どもたちに短いスピーチをさせたり、質問に対して自分の考えを発表させたりする。
そのときに、周りで聞いている子はその内容を正確に聞き取り、次に繋げなくてはならない。
そのことによって複線型の話し合いが成立する。

とは言うものの、なにか視点がないとなかなか質問しづらいことも事実である。
そこでこんな風に、コツを伝える。

き・く・こ・よ・ね

これは発表された内容に対して質問する観点である。

き…きっかけ
く…苦労したこと
こ…困ったこと
よ…喜んだこと
ね…今後の願い

機械的ではあるが、何も思いつかない子にとっては足がかりにはなると思う。

saitani

不可能を可能に

2020年09月10日 12時38分31秒 | 人生論
北海道で子供の魔術師と呼ばれる医師がいる。
高橋義男氏である。
誰もが匙を投げた難病の子供を救ってきた小児脳神経外科医である。
氏は手術だけでなく、NPOを立ち上げ子供たちの成長を長期的にサポートしているが、これまで幾度となく壁に直面してきたという。

高橋義男氏の言葉。

病気を治すだけじゃない。
子供たちを社会に送り出すことが僕にとっての治療だっていうのが信条でね。

信頼されていたというか、僕は昔から正義感が強くて、弱い者いじめなんかが許せないんですよ。
助けられる可能性があるかもしれない命を放っておくなんてできない。
だから、他の病院から治療適応外という診断を受けた子供でも、僕は可能性があるならどんどん手術していました。

これは小児医療に関わるようになってわかったことですが、子供っていうのは、皆一生懸命に生きている。
彼らは絶対に諦めないし、可能性も塊です。
だから、たとえ他の医者が不可能だと思ったことでも、可能性を探っていくのが僕の役割だと思っています。

この諦めないっていうのは、すごく重要で、考えすぎずに何でもチャレンジしてみる人が不可能を可能にできるのだと思います。

医療は医師一人ではできない。
でも、結局のところ、最後は本人次第。
本人が努力することが一番大切です。
僕が他のお医者さんと違うのは、生き方を語って、本人に圧倒的に努力させることでしょうね。
子供には、「自分で道創れよ」っていうんですけど。
どんな難題にもチャレンジさせて、自分の人生を」切り開く力を養わせています。

昔から正義感の強いことだけが特徴で、「見て見ぬ振りするな。困っている人、弱い人を助けなさい。」との母の教えを貫き通していたため、学校の先生とよくぶつかっていた。

いわゆる世の中で出世する人は、何事も滞りなくうまくやらなきゃだめんだね。
僕は真正面から信念を貫き通し過ぎたんだと思う。

病院を退職する日には何と、病院の前に患者とその家族たちが200人近く集まってくれていたんです。
僕の名前を書いたのぼりや激励の横断幕なんかを準備し、小学二年生の患者が「宣言文」を読んでくれた。
「いつも僕たちに『ああしろ!』『こうしろ!』と命令していた先生言いたいことがある!!『まだ、できるぞ!』『これからだぞ!』」をそっくりそのまま返します。
この時僕は今後患者をどう導いたら良いのかと鬱に成る程苦しんでいたけど、この宣言文を聞いて心から感動し、勇気づけられました。
僕がそれまで子供たちに伝えたかったことがちゃんと伝わっていたんだと確信できたし、いつも激励していた子供とその家族から、「頑張れ義男!」とパワーを貰えたんです。

それから、子供たちによく伝えているのは「不可能を可能に」という言葉です。
難病の子供たちを助けたりすると、よく「奇跡だ」なんて言われるけど、本当は奇跡なんかじゃなくて、大人たちが初めから「できるはずがない」と決め付けていただけ。
常識に捉われずいろんな可能性にチャレンジしてみるべきだと思っています。

それから「人のために生きろ」とも伝えています。
僕自身の生き方を通して、不可能はないということや助け合いや思いやりといった生きる上で大切な人間本来の価値観を次世代につなぐことが僕の役割だと思っています。

Saitani


概念的知識の汎用性

2020年09月08日 08時53分22秒 | 授業論
例えば、スーパーマーケットの学習で「スーパーマーケットでは、消費者ニーズに応えるためにどのような工夫をしているのか」という学習課題があったとする。
そのときの視点として、店側の視点と消費者の視点を考える必要がある。
また、その二点がどのようにつながっているのかみていくことも重要である。
このこのことについて話し合うことにより、理解が強化されることになる。

ただ単に、見てきたことや観察したことを羅列するだけでは、知識が構造化されたことにはならない。
調べて気がついたことはたくさんある。
これを概念別にわけるのは教師が行う。

高い棚に何段にも品物が並べられていた。→品物・種類
商品にはきれいな証明があたっていた→品質・見た目
試食コーナーがあった→サービス・購買意欲
値札の値段が赤い字で安くなっていた→割引・時間サービス
チラシの先着100名様の商品は売り切れていた→集客・安さイメージ

これらの観点を、消費者視点でみるとまた違ってくる。
お店の工夫が、お客様にどのように便利になっているかである。

欲しいものが見やすい
おいしそうに見える
得した気分になる

これらのことは工夫を分析して出てくる考えである。

saitani

主体的・対話的ではあるが深い学びではない授業

2020年09月05日 17時53分22秒 | 授業論
授業を参観していると活発ではあるが学びがないと感じる時がある。
要するに、主体的で対話的ではあるが、そこに深い学びのともなわない授業である。

深い学びを定義する

習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見出して解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう学び。

この言葉の中にある深い理解を言い換えると「概念的な知識の獲得」となる。
霞が関には〇〇というビルがある。
これは、単なる事実である。
霞が関には、たくさんのビルがある。
これは、事実に加え霞が関の特徴をいっており、知識になる。
さらに、霞が関は、ほかの地域よりビルが密集している、霞が関は政府機関が集まっているので、官公庁ビルが多い、さらに深まった知識となる。

これは知識には概念化の階層があることを示してる。
概念の抽象化レベルと言ってもいいかもしれない。

この概念は、空間的、時間的、相関的に広がりをみせる。
限定的にとらえていた知識を、大きく広い視野で発展させ、大きな概念を形成していく、それが深い理解となる。
知識を教科の特性にあわせて体系化する、構造化することで学習内容を一般共通化することができる。

知識というものをただ単に子どもたちに身に付けさせる知識と捉えるのではなく、生きて働く知識、子供が後の学習でも使用できる知識にしていく、普遍性のある知識にしていくことが、概念的知識を形成することになる。


saitani



対話的な授業

2020年09月05日 17時36分03秒 | 授業論
対話的な授業とは、どんな授業をいうのだろうか。
ただ単に、子供たちが自分の立場で自分の根拠だけを手がかりに意見を言い合う授業形態は対話的とは言い難い。
しかし、現実的には子供たちの意見が噛み合わなくても「活発な意見が出た良い授業」と評価されることもままある。
社交辞令も含まれてはいると思うが。

子供が互いの言葉を受け止め合い、対話しながら集団や個人の考えている授業とはどんな授業なのか。

こんな観点で授業を見てみると判断評価できるのではないだろうか。
それは、子供たちが次のような言葉のやりとりを授業の具体的な場面でしているかどうか。

冒頭の接続詞を使って発言しているか。
だから〜だと思います。
なぜなら〜と思ったからです。
つまり、〜だからです。
それは、〜ということだと思います。

つなぎの言葉。
私の考えはAさんと似ていて、〜です。
Bくんの考えとはちょっと違うけど、〜だと思います。

要するに、子供同士の意見が絡み合っているか。
前言を受けて自分の論を展開して華道家である。

事実や情報をもとにして比較・関連づけたり総合したりしながら、社会的事象の特色や意味を考察する方向へ向かう、立場や根拠、理由づけを明確にしながら自分の考えを説明する方向へ、そんな対話的な学びを目指すべきだと思う。

Saitani

仕事の効率化

2020年09月04日 09時04分01秒 | 仕事術
仕事を効率化したり、人生を豊かにするコツはどうやら共通しているようだ。
最近読むこの類のほんでの主張は共通している。

ものが多い状態は恥ずかしいことなのだと、認識しよう

若いうちには、できるだけ頂点レベルの考えかたに触れておいたほうがいい

師匠が一流なら一流の学びのシャワーを日々浴びられるが、師匠が三流なら三流の学びのシャワーを浴びることになる

忘れようにも忘れられない出汁の一滴の言葉に出会うことこそが、あなたが本を読むだり、セミナーに参加したりする本当の意味なのだ

どんなにトップでも鶏ではだめで、たとえビリでも牛でなければならない世界は結構多いのだ。

手放すことでもたらされるものを知ろう

1年使わないものは、積極的に処分しよう

スペースには決して物を置かないと決めよう

ものが少ないということは運気がいいということである

本気で三流人生から脱出したければまず今の人脈をすべて断ち切る

あなたの印象は、鞄によって大きく左右される

できる人は、どんな状況にあっても荷物が少ない

今、この瞬間に片付ける

クオリティの高い人の仕事は速い

saitani