飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

質問する力

2020年09月10日 17時59分21秒 | 授業論
質問する力は、言い換えると相手を大切にする力とも言える。
よく子どもたちに短いスピーチをさせたり、質問に対して自分の考えを発表させたりする。
そのときに、周りで聞いている子はその内容を正確に聞き取り、次に繋げなくてはならない。
そのことによって複線型の話し合いが成立する。

とは言うものの、なにか視点がないとなかなか質問しづらいことも事実である。
そこでこんな風に、コツを伝える。

き・く・こ・よ・ね

これは発表された内容に対して質問する観点である。

き…きっかけ
く…苦労したこと
こ…困ったこと
よ…喜んだこと
ね…今後の願い

機械的ではあるが、何も思いつかない子にとっては足がかりにはなると思う。

saitani

不可能を可能に

2020年09月10日 12時38分31秒 | 人生論
北海道で子供の魔術師と呼ばれる医師がいる。
高橋義男氏である。
誰もが匙を投げた難病の子供を救ってきた小児脳神経外科医である。
氏は手術だけでなく、NPOを立ち上げ子供たちの成長を長期的にサポートしているが、これまで幾度となく壁に直面してきたという。

高橋義男氏の言葉。

病気を治すだけじゃない。
子供たちを社会に送り出すことが僕にとっての治療だっていうのが信条でね。

信頼されていたというか、僕は昔から正義感が強くて、弱い者いじめなんかが許せないんですよ。
助けられる可能性があるかもしれない命を放っておくなんてできない。
だから、他の病院から治療適応外という診断を受けた子供でも、僕は可能性があるならどんどん手術していました。

これは小児医療に関わるようになってわかったことですが、子供っていうのは、皆一生懸命に生きている。
彼らは絶対に諦めないし、可能性も塊です。
だから、たとえ他の医者が不可能だと思ったことでも、可能性を探っていくのが僕の役割だと思っています。

この諦めないっていうのは、すごく重要で、考えすぎずに何でもチャレンジしてみる人が不可能を可能にできるのだと思います。

医療は医師一人ではできない。
でも、結局のところ、最後は本人次第。
本人が努力することが一番大切です。
僕が他のお医者さんと違うのは、生き方を語って、本人に圧倒的に努力させることでしょうね。
子供には、「自分で道創れよ」っていうんですけど。
どんな難題にもチャレンジさせて、自分の人生を」切り開く力を養わせています。

昔から正義感の強いことだけが特徴で、「見て見ぬ振りするな。困っている人、弱い人を助けなさい。」との母の教えを貫き通していたため、学校の先生とよくぶつかっていた。

いわゆる世の中で出世する人は、何事も滞りなくうまくやらなきゃだめんだね。
僕は真正面から信念を貫き通し過ぎたんだと思う。

病院を退職する日には何と、病院の前に患者とその家族たちが200人近く集まってくれていたんです。
僕の名前を書いたのぼりや激励の横断幕なんかを準備し、小学二年生の患者が「宣言文」を読んでくれた。
「いつも僕たちに『ああしろ!』『こうしろ!』と命令していた先生言いたいことがある!!『まだ、できるぞ!』『これからだぞ!』」をそっくりそのまま返します。
この時僕は今後患者をどう導いたら良いのかと鬱に成る程苦しんでいたけど、この宣言文を聞いて心から感動し、勇気づけられました。
僕がそれまで子供たちに伝えたかったことがちゃんと伝わっていたんだと確信できたし、いつも激励していた子供とその家族から、「頑張れ義男!」とパワーを貰えたんです。

それから、子供たちによく伝えているのは「不可能を可能に」という言葉です。
難病の子供たちを助けたりすると、よく「奇跡だ」なんて言われるけど、本当は奇跡なんかじゃなくて、大人たちが初めから「できるはずがない」と決め付けていただけ。
常識に捉われずいろんな可能性にチャレンジしてみるべきだと思っています。

それから「人のために生きろ」とも伝えています。
僕自身の生き方を通して、不可能はないということや助け合いや思いやりといった生きる上で大切な人間本来の価値観を次世代につなぐことが僕の役割だと思っています。

Saitani