飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

理解力を高める意識

2021年05月10日 09時58分08秒 | 教師論
物事を指導したり、学んだりするときには理解力は高い方がよい。
その方が効率よく学習も進められ、進歩も早い。
しかし、ただ単純に学んでいたのでは理解力を高めることはできない。
そこにはある共通した姿勢がある。
例えば次のような自己意識である。

1 話の大事な部分はメモをとる
誰かの教えを請うたり、指導を受けたときには必ずメモをとる。
人間の記録など曖昧なものだ。
聞いた話のほとんどは忘れる。
記憶は整理した形で保存されないとあとで再生できない。
その点で、見返したり、復習したりするときに不可欠な情報源となる。
情報の多くはタイムリーにインプットされることは少ない。
後日、問題意識をもったときに、「そういえばあのときに関連した話を聞いた」と記憶が蘇るのである。

2 物事を論理的に考える
身の回りで様々な事象が起きる。
その多くは何事もなく過ぎることが多い。
しかし、その出来事を論理的に分析したり、考察したりする習慣は人を成長させる。
ただ漠然と日々を過ごすことなく、「なぜだろう」「どういう因果関係でこのことが起きたのか」と考えることは大切である。

3 自分で抱え込みすぎない
中堅と言われる立場になると後輩をもつようになる。
自分に能力もつき、仕事の見通しもたつのですべて自分がやった方が早いと感じる。
しかし、適材適所で仕事を割り振ることも大切である。
分業を意識して、スペシャリストが担当した方が効率的ということも多い。
また、問題が発生したときには、自分だけで考えていると迷宮に迷い込むこともある。
同僚に相談したり、先輩に指導を受けたりすると簡単に踏ん切りがついたり、問題が解決したりすることもある。
自分で抱え込むことは避けた方がよい。

4 聞いた内容を人に説明してみる
最近はインプット同時に、アウトプットも重要性も強く感じる。
これに関する書籍も多く本屋に並んでいる。
アウトプットすることにより思考が整理され、新たな課題や問題点も見えてくる。
自分の論理の脆弱性も感じるのである。

5 不明点は周りの人に聞く
わからないことはすぐに人に聞く。
まず自分で調べる習慣も大切である。
今は、スマホが身近にあり、すぐにインターネット検索ができる。
その点では便利になった。
言葉の意味とか、自分で調べればすぐにわかるようなことは、自分で調べるべきだと思う。
それは、聞かれた方の都合や時間もあるからだ。
同じことを何度もきいてくる人がいるが、教える方も忙しいことを慮る配慮はほしい。
その配慮の上で、積極的に人に聞くべきだと思う。

6 相手や話題に興味をもつ
年を経るにつれて時間の進み具合が早く感じる。
1年などあっと言うまだ。
しかし、子どもにとっては1年間は長い。
それは好奇心や新しい物への感動が多いからだと言われる。
年をとっても感動する心を持ち続けて、様々なことに興味関心を持ち続けることは大事なことである。

7 一度やってしまった失敗は覚えておく
人は必ず失敗をする。
そして、失敗から多くのことを学び成長していく。
これは真理である。
だから、失敗してもくよくよしたり、落ち込んだりする必要はない。
以前読んだ本に、ある航空会社では、ミスしたことや失敗したことを共有するノートがあったという。
そこに個人の失敗したことを記録して、同じ間違いを周りの人間もしないようにする。
航空会社のミスは、すぐに命に直結する。

8 知識をしっかりと身につける
良い土に種をまかないと芽がでなかったり、良い作物が収穫できないように、人間の知識、すなわち土台を堅固にする必要がある。
幅広い知識の上に、よいアイディアが生まれ、進んだ考えが浮かぶ。
無からは有は生まれないである。

9 本で読んで読解力を身につける
これはなかなか難しい方法である。
ただ漠然と本を読んでいてもなかなか読解力は身につかない。
この文書の論理展開はどのようになっているかとか、ここまでを要約するとどういうことなのかという観点で常に読み進めていく意識も重要である。
目に見えない部分での蓄積もあるが。

saitani

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