飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

要約指導 2 採点する

2024年09月09日 05時58分50秒 | 国語科
子どもたちに黒板にはってもらった要約文は次のようになった。
 
A 桃太郎は桃から生まれた元気な子供。
B 桃から生まれた桃太郎がおにたいじした。
C 桃から生まれた子、桃太郎が鬼を退治した。
D 桃太郎はおともをつれて、鬼たいじをした。
E 桃から生まれた桃太郎と一行、おにたいじ。
F もも太郎はおともとともに鬼をたいじした。
G 桃太郎は、鬼ヶ島で鬼をたいじした。
H 桃太郎という若者が鬼をたおし、宝をとった。

前回の時に書き忘れたが、授業の初めにこんな質問をした。
「みなさん、桃太郎のお話は知ってますよね。」
全員が知っていると頷く。
しかし、念のために桃太郎の絵本を読んだ。
子どもたちは低学年にもどったみたいな気分になったのか照れくさそうだった。

話をもどす。
8人とも見事なくらい違っている。
私は、それぞれの要約文に点数をつけていった。
私の採点は次のようになった。

A……5点
B……6点
C……6点
D……7点
E……7点
F……7点
G……6点
H……6点

桃太郎の話は、要約するのに最も易しい教材である。
だから、みんな高得点になる。
教科書の文章ではなかなかこうはいかない。
しかし、これが要約指導の第一歩なのだ。

要約するのだから、「一つの言葉」「一つの文字」も適当に書くことはできない。
選びに選びぬかれた言葉や文字が20時に入るべきである。
例えば、「桃から生まれた子ども」は「桃太郎」でいい。
「選び抜かれた言葉」とは、つまりキーワードなのである。

次に、子どもたちに指示した。

「桃太郎の話で、大切な言葉を三つ書き出しなさい。」

出てきた言葉は次のようになった。

桃太郎  おとも  仲間  鬼退治

「おとも、仲間をもう少し詳しく言うとどうなりますか。」
と子どもたちに聞いた。
「犬猿きじです。」
三つの言葉を「桃太郎 鬼退治 犬猿きじ」とおさえる。
三つのキーワードぬきには、「桃太郎」は語れない。
また、三つの言葉さえあれば、この物語の骨格をつかめる。

saitani