飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

要約指導 1

2024年09月07日 05時05分38秒 | 国語科
要約の大原則は何か。
それは。「だれがやっても同じ答えになる」ということである。
だから、客観性が条件となるペーパーテストに「次の文章を30字以内で要約しなさい」という問題が存在する。
これが、「要約はひとりひとり違って当然である。個性があっていいのだ。」なんてことになると、採点する方もあいまいなものになってしまう。
算数の計算は全員同じ答えになる。
理科や社会の答えもほぼ同じになる。
それと同じように要約させれば、ほとんどの答えは同じになる指導が大切になってくる。

まず、子どもたちにきいてみた。
「要約とは、どういう意味ですか。」
手が上がらないので、辞書を引かせてみた。
「文章などの大切な点を短く言い表すこと」と書かれている。
「では、要約の仕方には、どんな方法がありますか。」とさらに子どもたちに問う。
当然分からなくても当たり前である。
要約という意味の理解も不十分であるのだから、方法も分からない。
それが、授業後に明確になればいい。
それが授業をするひとつの意味なのだから。

「桃太郎の話を20字以内にまとめなさい。
 句読点も字数に入れます。」
皆さんだったらどうするだろう。
一度書いてみると面白いと思う。
「なぜ、20字なのか。」
という確たる根拠はない。
21字でも19字でも良い気もする。
しかし、出題の多くは20字以内ということが多い。
国語の問題集をひらいてみるとわかるが、なぜか不思議と20字のことが多い。
考えやすいし、問題点も出やすいということかもしれない。
多くの要約をしている間に、一つ20字以内である必然性を思いついた。
あくまでも私なりの根拠だが、後ほど解説する。

子供たちはノートにまとめていく。
なかなか鉛筆の動かない子もいる。
そこで、次のように言った。
「最初から20字にまとめようとしては思ってはいけません。
 まず、書いてみるのです。
 一度書いてしまってから、20字に削っていきなさい。」
次のような質問も出た。
「20字以内なら何文字でもいいんですか?」
私は答える。
「ふつう、20字といったら、18、19、20字あたりでまとめのが常です。
 やはり、極端に少ない字数は不適です。」
このことにも根拠があるのだが。
13分後、作業をやめさせ、数名の子に要約分を画用紙に書いてもらい、黒板にはった。

(続く)
saitani