飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

よい場所に、よいときにいる

2024年06月22日 05時10分29秒 | 教師論
以下引用。

「孟母三遷の教え」という言葉がある。
意味は次の通りである。

孟母(孟子の母)の家族は、はじめ墓場のそばに住んでいた。
孟子は葬式のまねばかりして遊んでいるので、次は市場の近くに引っ越した。
すると、今度は市場の駆け引きのまねばかりをして遊ぶので、次は学校の近くに移り住んだ。
すると今回は、礼儀作法をまねるようになったので、この場所こそが子どもの教育にふさわしいと三回目にしてそこに定住したという。

不良ばかり集まる場所で暮らしたり、不良グループに出入りすれば、不良になる。
勉強好きで、起業する意欲のある人たちが集まる勉強会に参加すれば、多くは起業するようになる。
また、「魚のいるところで釣りをせよ」ということわざがある。
どんなに釣りが上手であっても、魚が一匹もいないプールに糸を垂らしていたら、そこに何日いようが魚は釣れない。

「幸運は、よい場所に、よいときにいるだけで訪れる」と言う言葉を忘れずにいたい。

引用終わり。

教師なら誰しも子どもたちを成長させたいと思う。
子どもたちの知的好奇心を高揚させ、自ら学んでいけるような力をつけてあげたいと思う。
そのためには、どの教師も苦労を厭わないだろう。
働き方改革が進められるなか、長時間労働が問題になっているが、その中身も検討する必要がある。
ただ時間が長いというだけで悪であるという考え方には賛成できない。
意味のある時間の使い方をしているかどうかが問題なのだ。

どんなことに時間を多く使いますかという質問と、どんなことに一番疲れやストレスを感じますかという質問の答えは必ずしも一致しない。
理不尽はクレーム対応、意味のない会議、本来教師が追うべきではない業務、効率化が図れるにも関わらず明確な根拠なしに続けられる行事、こういったことに費やされる時間に対しては長時間労働に該当する。
しかし、自分を高めるために読書をしたり、研修会(意味のある)に出かけたりすること。
また、良い授業をするために教材研究をすることに使う時間は長時間労働とは思わない。

どんな職種であれ、自分の専門性を高めるために教養を高めたり、該当する分野での知識を身につけることは時間外にもしているはずである。
また、昇任試験や資格取得のために勉強はプライベートの時間の使っているはずである。

自分を高めるためには相当の時間が必要である。
そして、その時間を費やす環境も注意が必要だ。
正しい場所で正しい人の指導を受ける必要がある。
正しい人が集まっている場所が正しい場所なのだ。
魚のいちばんよく釣れる場所を知りたかったら、魚をたくさん釣った人を探し、その人がいつどこへ行くのかを観察する必要がある。
魚の釣れる場所を知らない人の指導を受けたところで永久に魚は釣れるようにはならない。

だから「幸運は、よい場所に、よいときにいるだけで訪れる」と言われるのである。

saitani


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