私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ。タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!さらに地元の生き物探しへ!

台灣馬口魚(タイワンアカハラ)を釣るの巻  台湾釣(ガサ)行記④  釣査45種目

2016-12-30 09:28:17 | 台湾の魚たち
 2016年12月23日 金曜日

魚名は、台湾での代表的な書き方(日本名)で書き表すことにする。
台湾に生息する魚なので台湾に敬意を示すのは当たり前だと思うからである。

高雄市から台東市へ高い山脈を避けるように続く南回りの道沿いの渓流でとりあえず1ヶ所やってみる。
「どこかよさそうなポイントがあれば言うてよお。」
馴れない左ハンドルに格闘中の友が言う。
「分かった。しっかり見とくけえな。」
乾いた石だらけの大きな渓谷が見える。
その支流を探しているのだ。

そして、忘れもしない2・3本目の渓谷を過ぎた何本目かの渓谷(忘れとるやないの!)である。


渓流のトロ場にかろうじて水がある。しかもよく澄んでいる。降りやすそうな階段もある。
「見てみようや。わっ! 魚がたまっとるがな。」
二人ともそそくさと車へ戻り、それぞれ釣り、水中撮影の準備にかかる。

第一投。タイワンアカハラである。


初めて手にしたが次々と釣れるために日本でカワムツを釣ってる気分になり感動が薄まる。
が、やっぱり日本のカワムツやヌマムツとは尾柄部の縦線がまったく違うねえ。


台湾固有種である。
全土に分布するが、本来北西部に多く東部へは人為的移入であるという。
「我的水中夥伴」2015刊・方力行著(今回たまたま購入)によれば(あくまで私の理解にすぎないけど)、
① 700万年前:温暖な時期による海水面の上昇で、淡水起源の淡水魚類は絶滅する。
② 150万年前:寒冷な時期による海水面の低下で、北部と南部の2ヶ所で中国大陸とつながる。
③ 南北に連なる3000m級の山脈により、西部と東部の河川が完全に分けられる。
④ 南部・東部へは黒潮の影響が大きく海洋起源の淡水魚類がウェイトを占めてくる。
⑤ このようにして地域ごとに特色のある淡水魚類相になる。
⑥ 以上が生息する淡水起源の純淡水魚47種のうち、37種が台湾固有種となった要因である。
らしい。

国土は九州程度と小さくても、日本での純淡水魚類相とよく似ていておもしろい。
純淡水魚の自然分布は進化のようすを物語ってくれる。
そこには壮大なロマンがある。
やたら放流したり環境破壊したりしちゃいけないなあ、とあらためて思うのであった。
東部でもたくさんいたもんなあ。
この日、南東部で友が採集したタイワンアカハラの成熟個体も載せておく。


こいつは人が移動させた名残なんじゃねえ。

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