私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

50年続けた魚遊び。胴長ガサガサもしんどい。ならば釣りだ!野遊びだ!タナゴから珍魚・駄魚釣りへ!地元の生き物探しへ!

ダンダラトラギス Parapercis cylindrica :地魚だとかん違い

2023-03-29 09:00:54 | 海水魚
2023年3月29日(水)

ダンダラトラギス Parapercis cylindrica

20230327 体長10cmほど

この日、福山大マリンバイオセンターで地元の生き物情報・記録をまとめようと小さな会合が開かれた。
その終わりに今回も施設を見学させてもらって・・・
とある水槽にはたぶん意識したことのないトラギスがいて・・・

これまでタナゴ竿・仕掛けで釣ったマトウトラギスや


クラカケトラギスを思い浮かべつつ


「瀬戸内海の深場には、このトラギスなど未知の魚がいるんだなあ」と勝手に想像して・・・

しかも、地元のキュウセンとともに飼われていたものだから

つい、このダンダラトラギスは地元の魚だと思いこんでしまった。 

帰宅後、いつものように調べる。

ダンダラトラギスは南方系のトラギスで、日本では沖縄などの海水浴場などの砂底で普通に見られ、よく釣られてもいるそうだ。
小さいために食用にもされないとのこと。

いやあ、知らないことばかりだ!

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ソラスズメダイ Pomacentrus coelestis :無効分散の幼魚たち

2022-11-18 18:13:33 | 海水魚
2022年11月18日(金)

ソラスズメダイ Pomacentrus coelestis 幼魚

20221101  体長40mmほど

所用で日本海側へ出かけ、余った1時間ほどタナゴ仕掛けの釣り。
エサも用意しておらず、磯で小さなマツバガイを拾い、細かく切って・・・
ホンベラ・ホシササノハベラ・カワハギが次々釣れるのだけれど・・・

私がねらっていたのは群れていたコイツら。

まだ日本海側で釣ったことがないし、以前紀州で釣った時の撮影に納得がいってなかったし。

以前の撮影はこんなへたくそ。


興奮すると黒くなる。
だから、釣りをやめ、ゆっくり時間をかけ・・・
少しずつ青く戻っていくのを待って・・・


いくら対馬暖流によって運ばれ、冬季には低水温によって死滅していく無効分散の命だとしても
釣った立場で偉そうには言えないが、粗末に扱いたくはない。
手を濡らし、しっかり冷やして、そっとスレ針をはずし、撮影ケースへ入れる。

のんびり泳ぎ始めた。


無効分散は、いずれ大きな環境変動があり、例えば海水温が上昇し適温になったとき、初めて有効な分散となる。
その日に備え、種の生息域拡大を毎年繰り返している分散だ。
死滅回遊という表現がよく知られているが、回遊しているわけではないし
死滅という言い方を嫌い季節来遊という表現を使う人もいるが、流されたのであって来遊したわけではなく、死滅することから目をそらしているようで、私は使わない。

などと思いを巡らしていたら、通りすがりの小学校の遠足の子たちに見つかって・・・
「きれいだ」「かわいい」とはしゃぐから、ちょっぴりうんちくをたれていたら・・・
ソラスズメダイくんまで興奮して、黒くなってしまった。

と、たまには釣りや魚の話をはさんでおこう。
最近、赤・白・黄・黒・茶の虫・鳥・花のことばかりだったしね。
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オクヨウジがこんなに綺麗だとは!:真夏のアマモ場

2021-12-11 16:48:07 | 海水魚
2021年12月11日(土)

オクヨウジ 体長8cmほど

20210806

真夏の干潟のアマモ場調査で採集した。

皮弁がかなり発達してて、尾びれが痕跡的に小さくて
ヨウジウオなのにタツノオトシゴみたくアマモに巻きついて暮らしてる。
そのことは、過去データにも書いてるけど・・・
オクヨウジ:夏の干潟の魚たち⑫

今回、驚いたのは頭部周辺の艶やかさ


オクヨウジってこんなに綺麗だったんかいっ!

背景を海にして撮影したら、ひれが鮮明に写らんし・・・


コンクリートにしたら、地味になるし・・・


炎天下、撮影ケースに塩分がこびりつく。
何よりクネクネと泳ぎよるからピント合わせが大変じゃ~!

オクヨウジという和名がどのようにして命名されたかはよく知らんけど
何となく人名にもありそうだよね。
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オオカズナギをめぐる2つの大失敗:春の大潮 瀬戸内の磯採集Ⅶ

2021-05-07 09:46:32 | 海水魚
2021年5月7日(金)

オオカズナギ 体長7cmほど


大きくなっても10cmくらい。
瀬戸内海を中心に主に西日本に分布するギンポの仲間。
オス同士の大口あけての争いの様子は大迫力。
テレビの自然番組でもネット動画でも面白おかしく取り上げられてるから有名なのかな?

東日本にはよく似た近縁のカズナギなんかが生息してる。


福山大学の阪本先生のご厚意で「磯の生物採集記録定期調査」のすみっこに参加した日の最終話。

このオオカズナギ、悔いが残る2つの大失敗をしちゃった!

福山大学マリンバイオセンターに到着後
「オオカズナギ、昨日採集した個体をまだ逃がしてないんですよ。たぶん採られたことがないと思って・・・」と阪本先生。
「ありがとうございます! 採集を始める前にすぐ撮影します!」と私。

見た瞬間、数年前に干潟で採集したギンポ類の画像が頭に浮かんだ👇
ギンポの稚魚:春の干潟の魚たち④(この記事適当に書いたのに、なぜかいつまでも人気)

「あ~! コイツ採ったことありますよ~!」なんてなこと言っちゃった。
早とちりもいいとこだ。

数年前に採ったのは、ダイナンギンポの稚魚とギンポかタケギンポの幼魚じゃないかっ!
コイツら、背びれ後方に尾びれが独立してるし~
背びれや尻びれに2本ペアになった暗い筋が全然違うじゃん!

オオカズナギは、どこからどこまで背びれか尾びれか尻びれかわからない。


背びれや尻びれに2本ペアになった暗い筋もくっきりはっきり!


阪本先生、また早とちりして間違えました! ごめんなさい!

「また早とちり」と書いたのは、前回誘っていただいたときも👇
ハートを背にする稚魚は誰?:5年目突入記念!

これが1つ目の大失敗!


もう1つの大失敗は、いろんなチームが磯へと渡りはじめて
逆に、私が磯採集をひとまず切り上げ、ウミウシ類の撮影をはじめたときに気づいた!


「なんじゃこりぁ~! なんでいつのまに露出+1.0になっとんなあ~っ!」

帰宅後、ファイルを恐る恐る開けてみて、うっすいうっすいやたら明るい画像を見たとき、涙が出そうになった。


そうじゃなくても、磯場に生活するギンポの仲間らしく、クネクネ動き続けるし、静止中は必ず体を曲げてるし・・・

ともあれ、福山大学の阪本先生、海の生き物を知るいい機会を与えてくださり、心から感謝です。
学生たちの節度ある優しく的確な対応にも心から感謝です。
本当に腰の低さと知識・採集能力の高さが完ぺきなまでに反比例してるチームです。

長く自然保護や保全活動をしてきたご褒美は、こうして必ず未経験の生態系への野外活動へのお誘いとなって帰ってくるんだなあ。
年をとっても、こうしたつきあいが生まれるから幸せだわあ。

おねげえでございますだ!
これに懲りずに、また6月のフィールドワークにも声をかけてやってくだされ!
コメント (2)
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オニオコゼ:春の大潮 瀬戸内の磯採集Ⅵ

2021-05-06 07:36:55 | 海水魚
2021年5月6日(木)

オニオコゼ 体長10cmほど


背びれなどの棘に猛毒を持つから取り扱いに注意しながらの撮影。

福山大学の阪本先生のご厚意で「磯の生物採集記録定期調査」のすみっこに参加した日の第六話。

魚のことを書くのは久しぶりだ。
コロナ禍がおさまるまで、個人的な遊びとしての釣りやガサは止めたからね。

コイツは阪本先生たちがタモ網で採集した。
ブログ初登場なので、撮影させてもらった。

「1才か2才魚でしょう。オニオコゼの成長は遅いから」と阪本先生。
「磯の浅瀬にもいるんですね。底引き網漁でしか見たことがありませんでした」と私。

憶測にすぎないが、コイツも水試での人工繁殖・稚魚放流されたもんじゃなかろうか?
広島県でのオニオコゼ稚魚放流は続けられており、漁獲量は以前より増えている。
底引き漁の浜売りをのぞいてみると、小さなオニオコゼがやたらと多く、安く売られてたりもするしなあ。

以前から疑問なのだが、キジハタやオニオコゼといった肉食魚ばかり放流し続けて大丈夫なのだろうか?
エサとなる小魚たちとのバランスはくずれてないのだろうか?
オオカミが減ったからと、オオカミばかり増やして森林に放し続けてるのと同じような気がするんだけどなあ。

さてさて、ここでクイズ。

下の2枚の画像から違いを探してね。




水滴の有無とか体色とかじゃなくて・・・
実は、撮影中オモロイことに気づいたんだよね。

そう! 背景がずれてるでしょ!

コイツ、歩くのである。
胸ビレ下端の2本の軟条が遊離してて、歩脚のようになってて
撮影ケースの中をもぞもぞと移動してく。
ホウボウとよく似てる。

その2本の脚の位置がすっかり変わってるでしょ?(拡大せんと見えんわいっ!)

何? よくわからんだと!
ほれ、2本の脚は胸びれ(黄線)のここ(赤線)!


んでもって、『地域の生き物たち』の記録に仲間入り。

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