三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

極彩色の建具ー東照宮3

2009年05月21日 06時10分21秒 | Weblog



写真を再度チェックしていて、まぁ、圧倒される。
ここまでデザインもキッチュで、ファンキーなテーマで、
しかもカラフルでにぎにぎしい。
陽明門の左右の塀を飾っている間の戸、嵌め込まれた建具の様子。
柱の寸法は決めているでしょうから、
この彫刻建具は、たぶん、製作の工房で集中的に仕上げられたものでしょうね。
デザインモチーフと、下絵のような設計図が彫刻職人に渡されて
大量生産のように生み出されたものと思われます。

わたしたちが、日本の伝統とかいう場合、基本的には
「わびさび」というような世界の表現が思い起こされるのが一般的。
幽玄であるとかの、静謐な世界というのが想起される。
そういうのって、哲学的には禅の影響が大きいのか、
それとも、仏教的な価値観による無常観が支配的と言うことを表しているのか。
いずれにせよ、表現物の先に精神性の世界が見え隠れする。
そういう一般的日本文化に対して、
どうにもこの江戸初期の文化世界の極彩色文化は特徴的。
上方から権力の中心を無理矢理持ってきた
江戸の新興の文化の初々しさが、こんな表現につながったのか。
やはり浅草寺とか、江戸の町人文化の色合いを強く感じる。
逆に、こういう東照宮造営というような巨大公共事業が、
江戸の庶民的なわかりやすい極彩色文化を生み出していく母体になったのか。
それまでの文化が、京都を中心にして生み出されてきたのに対して、
新開地としての江戸に権力が移ってきて、
そういう浮き浮きとしたような気分が、こういうデザインを生んだのでしょうか?

思い切り現世利益的で、蠱惑的な
経済的にも、バブリーな世相を感じさせるようです。
たぶん、江戸の下町で、こういう彫刻建具を制作して大きな金額を手にして、
降るように金が動いていたのが、江戸初期の世界だったのかも知れません。
永く続いた乱世を収束させ、
政権の安定を考えれば、景気対策として好況を演出する必要があり、
こうした大枚の公共事業が、その役割を担っていたものと思われます。
そういった雰囲気が、こういうデザインからは推測されてなりません。
戦国乱世のプロセスで、争った結果として各地の経済力が向上し、
そういう生産力の向上が、庶民経済の時代の到来を準備したものでしょうか。

まるで曼荼羅世界のような繰り返しの大量な極彩色の世界を見て、
その背景を考えてみるとき、
そんなような思いが募ってきます。



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陽明門ー東照宮2

2009年05月20日 05時54分50秒 | Weblog



日光東照宮といえば、極めつけというのは陽明門。
どの建物も凄い装飾性で目を奪われますが、
そのなかでも極めつけにすごいデコレーションが施されている。
入母屋の屋根で唐破風が東西南北に配置されている。
門本体部分から、屋根に掛けてせりあがりの美しさが圧倒的。
そのせりあがりも、さまざまな動物の彫刻がなんども繰り返されている。
ここでは龍や狛犬が主要な動物。
この建物は、方角的にまっすぐ南下すると江戸城に至り、
まっすぐ北側には北斗七星が位置することになっている。
「我、八州の守護たらん」と、死後の役割を規定していた徳川家康の意志を
建築的に表現しているのだそうです。

こういう装飾性の豪華さに目を奪われてきて
ふと、ヨーロッパのベルサイユ宮殿などとの類推が頭に浮かんできました。
時代的には、ほぼ同時代と考えられるのですが、
この時代の精神性に、こういう建築表現が合ったのかも知れないと思います。
同時代の建築家といってもいい、と思われる小堀遠州の作庭にも通ずる
「豪華絢爛」への憧憬が強烈だった、のでしょうか。
現代では、このような時代精神は思い起こそうとしても感受しにくい。
現代で立派な建築という場合、
装飾性というのは、このような方向性を向くことはない。
どう考えても、機能性という部分で、あまりにも装飾が過剰すぎる。
こういう建築的な志向性というのは
やはり建築主の精神性を色濃く反映してはいるのだろうと思う。
そう考えると徳川家康というのは、日本史上でも稀有なシステム構築者だと思うのです。
徳川時代という安定的な社会システムを
実にあれこれ作ってきたひとだと思う。
戦国期を通して巨大なパワーを持っていた本願寺勢力を
東西に分断して勢力を各個分散させて支配したあたりなど、
実に巧妙な仕掛けとか、仕組み作りに長けていた。
そういった支配者の個性を把握して、建築を考えた担当者たちが、
こういった建築のデザインを作っていったというものなのではないか。
細かく組み上げられている建築装飾の連続性などに
ふと、システム構築的な粘着的な精神性を見る思いがしてくるのです。
公共事業的に大変な費用がこれらの建築には費やされただろうけれど、
その計画立案にあたっては、施主側に計画が採用されねばならないわけで、
権力側の意志とか、好みのようなものをデザイン的に満たす必要は当然あったでしょう。

この陽明門の意匠デザインを見ていて、
繰り返し展開される装飾世界に、そんなような印象を抱いた次第です。




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日光東照宮探訪ー1

2009年05月19日 07時03分58秒 | Weblog



以前にも一度、駆け足で見てきた日光東照宮。
やはり建築に関連するものとしては興味があり、出張の帰路、立ち寄ってみました。
若いころには、日光東照宮というと、
あまりにも俗物的な表現に反感に近いような感覚を持っていました。
徳川の政権を覆した薩長政権が自らの正統性を高めるために
日光東照宮のような世界を否定し、
脱亜入欧的な文化政策を当然のように展開する中で、
俗物的、というような評価を世間に広めたことが
わたしのようなものにも、予断として刷り込まれていたのかも知れません。

進行している権力争奪としての歴史というのは、
たぶん、前政権を否定することが一般的なので、
このような先入観念が一般的に刷り込まれるのは、当たり前でしょうね。
ただし、戦後の昭和30年代、40年代に青春期を過ごしたわたしのようなものでも
そういう雰囲気に飲み込まれていたというのは、
そのプロパガンダがいかに強烈だったのか、
ということを表しているのでしょうか。
しかし、写真や文献などで紹介される日光東照宮のウリには
やはり、そういうプロパガンダが、さもありなんと思える雰囲気はある。
というようなことで、初めて日光を訪れたのも5年前くらいでしょうか。
今回は、純粋に古い建築に接する気持ちで
訪れてみた次第です。

まぁ、やはり写真のような
「過剰な装飾性」というのが、圧倒的に迫ってきます。
これでもか、という色彩、飾り物の絢爛豪華さ、が見るものに訴えかけてくる。
同時代の、というか、徳川権力へのゴマすりとも思える
仙台伊達家の遺講でも共通している、色彩とゴテゴテしさの世界。
写真はいくつかある山門の様子ですが、
これでもかこれでもかと、飾り物が目を奪う色彩で展開する。
で、一方、この立地は江戸からだと将軍の移動に
3泊4日の往路が予定されていたという山深い場所です。
宇都宮からでも相当な距離がある。
緑と自然豊かな山間に、忽然と出現するきらびやかな浄土世界、
というのが建築空間としての意図なのでしょうね。
領域の広大さから言えば、また宗教施設従事者の数の多さからいえば、
これは都市建設といってもいい規模。
こういう場所であれば、
わびさびの世界を展開しても、ニーズには合わない。
庶民の活気ある現世的なアクティブな装飾性が似合うとも言える。
極彩色の曼荼羅のような世界が、庶民にはわかりやすいでしょう。
鎌倉期の武家政権は、禅宗世界を自らの精神性として主張したと言えますが、
それに対して、江戸の武家政権は現世利益的な
大衆的な文化を採用したと言えるのでしょうか。
下克上の、熾烈な社会的な身分の対流作用が活発に展開した結果としての
平和国家社会としての江戸社会を表現したのか。
まぁ、いろいろな見方は出来る空間だと思います。



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夜間救急病院

2009年05月18日 07時31分28秒 | Weblog



きのう夜、息子の様子があわただしい。
わたしの就寝は早かったけれど、家人の様子に目覚める。
嘔吐の症状があって、2度ほど続いているという。
やむなく11時過ぎ、夜間救急病院に。
到着すると小児科、内科とも「2時間待ち」という案内があるほどの混雑。
さすがに12時半を過ぎて、診察してもらえて、
その診察中に再び嘔吐。
でも、ようやくお腹の中がスッキリしたのか、
表情にゆとりが見えてきました。
嘔吐の症状を緩和させる点滴を打ってもらい、帰宅。
食事のせいなのかどうか、まだよくわかりませんが、
やや、症状は緩和してきたので、
念のため、きょう病院で診察を受けたいと考えています。

不安そうな表情の親たちと、泣き叫んでいるようなこどもたち。
なんとも、いたたまれないけれど、
子を思う親の気持ちや、かわいいこどもたちの姿に
久しぶりにたくさんふれあうことが出来る。

しばらくぶりにこんな体験が続いております。
先々週には、インフルエンザに罹患してお世話になったばかり。
しかし、先々週とは大違いだったのが、救急病院の混雑ぶり。
それも、多くのみなさんがマスクをしていて、
神戸で確認された新型インフルエンザの国内感染の情報に敏感になっている。
札幌ではゴールデンウィーク以降、低温の傾向が出ているので、
風邪にかかっている子どもたちが増えているのでしょう。
大いに気をつけていかなければならないですね。
<写真は無関係です。>




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いちごジェラート

2009年05月17日 05時45分19秒 | Weblog



昨年あたりから、関東地域への縁が強くなりそうでして、
今回東北~東京出張でも、土地勘を養う意味もあって
仙台からはレンタカーで東京へ移動してみました。
っていっても、東京都内では目的地周辺で駐車場探しになるので、
ホテルに駐車させて移動はもっぱら電車利用。
なのですが、移動で土地勘を養う意味では、クルマでベタに地面に吸い付いていると
さまざまな情報が飛び込んでくるので有意義。

そういう移動での唯一の楽しみが、高速パーキングB級グルメ(笑)。
昨年も取材で北関東地域はあちこち移動していたので、
まぁ、目星は付けているワケなのですが(笑)、
東北道佐野の高速パーキング、なぜか、下り側だけで販売しているのがこれ。
値段はちょっと高い、430円。
っておい、そりゃぁ高いだろうとおもうのですが
どうにも、こういうのに弱い。
わたしは、お酒はまぁ、ほんの付き合い程度でして、
その分、こういうお子様向けデザートの類には
昔の、母に連れられていったデパート食堂でのバナナパフェ以来、
無抵抗に近いくらいにカラダが反応する。
おいしい、という口コミには徹底的に弱いのです。
やむなく、430円をはたいて、写真に収めてから、
やおら口に入れてみた。
って、まぁ、完全にノックアウトであります。
頭のなかに★が出てきては、あちこちあちこち、★だらけ(笑)。
いや、正しくは、★☆★☆、というような表現に近い。

ナマのイチゴがアイスクリームに練り込んであって、
それが口の中で、さわやかに弾け返る次第なのであります。
甘さと、さわやかさの2重奏とでもいいましょうか。
実は、往きの上り線のPAからでも購入可能になっているそうです。
このPAは両方から出入り可能な造りになっているそうなのですね。
まぁ、たまたま、ある人の口コミで耳にしただけで、
普段、いちごジェラートなるものの存在を知っていたわけでもなく、
食べたことなんて、あるわけもないので、
いちごジェラート、今回がはじめての食感体験ですので、
どこのどれと比べて、というような評価は出来ません。
でも、まぁ、430円でもうまかったのは事実。
仕事で、これからもちょくちょく出張は可能性があるのですが、
そうなると、佐野PAは外せないポイントになる予感がしています(笑)。
参ったな~。



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北海道の2提案、長期優良モデル事業に

2009年05月16日 08時36分41秒 | Weblog



きのう午後、道庁の方からメールでお知らせがありまして、
北海道が関与する2つの「長期優良住宅先導的モデル」応募、
どちらも採択されたというお知らせ。
このブログで、何回かお伝えしていますが、
新築の方では、「北方型ECO」が昨年度も事業採択されていますが、
今年度も引き続き採択されたものです。
それに加えて、わたし自身もメンバーになっている
「北海道R住宅推進協議会」でのリフォーム事業提案も受理されました。

ことしの受理提案を見ていると、
地方公共団体の関与は、見る限り北海道だけと推測されます。
やはり、というべきか。
昨年度、北海道が提案して受理されたときには
全国各自治体からの問い合わせが殺到したと言うことでしたが、
そういう動きも、なかなか国交省への提案までとなると
着手が難しい、ということのようですね。
東北地域や中部地域など、地元の工務店などからは
このような北海道の動きを憧憬していて、
ぜひ地元自治体にも取り組んでもらいたいという希望を聞きました。
しかし、北海道とその他自治体とを比較してみると、
北海道という地方自治体は、住宅施策についての経験蓄積に大きな違いがある。
北海道では、それこそ「開拓使」の時代から始まる
北方圏住宅への豊富な経験が存在している。
国土交通省以上の実際的な業界コントロール力があるのですね。
開拓の最初の段階から、どうしたら北方圏に似合う住宅が可能か
それこそ、「地域共通の問題」として立ち向かってきた歴史がある。
ブロックで住宅を造ったり、高断熱高気密技術を地域全体で作り上げてきた。
今日の「省エネ基準」でも、その根幹は北海道がリードしてきた経緯がある。
寒冷地住宅技術は、世界的にも省エネの基本。
その意味で、北海道という地方政府はもっと情報発信すべきだと思っています。
たぶん、北欧やカナダ政府レベルの北方圏住宅への知恵と経験を持っている。
国交省をもリードするような存在なのですね。
その辺のことが、どうも
中央官僚出身の現職の知事さんにはイマイチ理解されていない感じはする(笑)。
もっと誇りを持って、
この蓄積された情報知識資産を活用すべきなのだと考えます。

なにはともあれ、これでいろいろな計画のスタートラインは確定。
これから、全力を挙げて
さまざまな活動を展開させていきたいと考えています。



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官僚機構とロビー活動

2009年05月15日 06時46分28秒 | Weblog


住宅の政策って、これまでは
企業育成的な、たとえば「ハウス55」政策のような
大量生産をするための政策誘導という側面が大きかったと思います。
っていっても、多くのみなさんはなじみがないと思います。
戦後の高度成長期に、日本の産業政策が国際競争力の強化
大企業の育成という「経済成長」追求型の政策誘導だった時期に、
地方から大量に「大企業従業員」を大都市に集中させる必要があり、
そのかれらのために、「東京で家を建てる」という目標を
人生の大きな目標として持たせる政策誘導を行った。
そのときに、同時に住宅業界にも「大企業」を創出しようと取り組んだ政策が
「ハウス55」政策だったと言われます。
大工工務店の伝統的住宅生産システムでは
このような社会が要求するレベルの大量の住宅生産は不可能であり、
それを可能にするには、住宅生産のプレファブ化が必要。
そういう提案に対して、補助金を出したり、政策優遇することで
骨格的な「住宅業界」が形成されてきたのは、否めない事実だったのですね。
良くも悪くも、やはり、日本の場合、政府の政策誘導が産業にとって決定的であった。

そのような産業政策の中で、
驚くことに、ついこの間まで、
まともに「工務店の立場」からの住宅政策への提言というのは、ほぼなかった。
官僚機構側としては、
政策立案のアドバイザーとしての学者さんたちや、
産業界代表としての大手ハウスメーカー、およびそれが主導する業界団体、
さらには、素材生産のメーカーおよび、その業界団体などとは
人脈的にも多くの絡まり合いがあり、
いわば、住宅政策の進路方向検討の「ロビー」団体として活用できていた。
しかし零細な工務店には、そういう活性化した業界ロビー団体がなかった。
いまでこそ、「全建連」という眠っていたような団体が
活性化してきて、工務店側の「物申す」団体になってきたけれど、
これまで実に長い期間、本当になかったのだと言うことです。
このことは、工務店業界団体側からも、
官僚機構側からもヒアリングしているので、
おおむね間違いがありません。

このような経緯に対して、
今後の、よりよき業界環境、目指すべき住宅の姿を
国の政策に反映させていく活動は、やはり必要不可欠だと思います。
地域住宅雑誌として、多少なりとも
こういう事柄についても、情報収集と関与をする必要はある。
そういうなかから、いろいろなものが明確になってくると考えています。
<写真は文章と無関係。住宅に似合う日除けです>



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北のくらしデザインセンター最新情報

2009年05月14日 06時12分39秒 | Weblog



建築家イベント、2巡してリニューアル!
登録していただいている建築家の数では33人という大人数。
なので、イベントを毎回仕掛けていっても
一回での参加は上限がほぼ6人くらいが上限。
そんななかで参加建築家メンバーが2巡した次第です。

で、今回からは「女性建築家DAY」の企画をはじめます。
北海道で活躍する女性建築家のみなさんの特別イベント。
住宅の主役は主婦としての女性。
日常使いの視点であるとか、素材に対する感覚など
同性としての相談しやすさが女性ならでは。
結局住宅は夫婦を基本とした両性の共存する空間であって、
そのここちよさの検討には、両性的な視点が不可欠だと思うのです。
ところが、建築家でもやはりメインは男性が多い。
どうしても女性的な視点は欠きやすい。
そんなことから、今回から女性建築家だけのイベントを仕掛けてみたのです。
さて、どんな反応が返ってくるか、楽しみ。

また、通常のイベントは
特定テーマに絞った話し合いを行っていきたいと思っています。
しかも開催日程を集中して土日連続開催。
土曜日はどうしても都合がつかない、っていう要望に応えます。
テーマは、6月は「燃費と外観」
エコというよりも、やはりランニングコストを考えた
「生活の燃費」というような切り口が、ユーザーの求めるもの。
そういう考え方に、各建築家のプレゼンが展開されます。

前回、参加された多くのみなさんから大好評だった
「建築家住宅バス見学会」。
今回はスポンサー提供が着きましたので
ユーザーのみなさんの負担はゼロ、無料でご提供いたします。
札幌市内で建てられている実際の建築家関与の住宅を
現在のところ6件、見学に行く予定になっています。
見どころ満載の個性派住宅に、見学者はため息、実感。
百聞は一見にしかず。
こういう機会をご提供できるのは、
北のくらしデザインセンターの最大のセールスポイントだと考えています。
建築家住宅に限らず、新築を考えている多くのみなさんにも
絶対に参考になる実例見学会です。
ぜひ、多くのみなさんのご参加をお待ちしています。

っていうことで、きょうは
出来上がってきた広告の一部をご紹介しながらの
自社宣伝ブログ(笑)、であります。
どうぞよろしくお願いいたします。ではでは。




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地域工務店の存在意義

2009年05月13日 07時09分52秒 | Weblog



きのうは仙台で、山本里見さんとの対談取材。
次号・東北版Replan誌面での企画です。
本誌も、地域工務店の重要性について、大きな関心を持っていますが、
山本里見さんは東北仙台を拠点にしながら、
地域工務店の情報共有・経営的な協力体制の構築に
精力的に関わって来られています。
そういうことから、誌面企画で対談させていただいた次第。

お話しの中心は、
「住環境研究」とでもいえるような事柄についてでした。
建築という領域は存在するけれど、
肝心の、その中での暮らし場面での「居住環境性能」について
人間主体のスタンスで提言してきているのは少ない。
どうしても、建築や構造に論点がいってしまって、
そこで暮らし始めたときに決定的な「ユーザー視点」が
見失われがちになってしまう現状を指摘していました。
その意味で、地域に暮らして、そこでの気候風土を
一ユーザーとしても体感し続けている
地域工務店という存在は、逃げも隠れもせずに
その地域のために、その地域での暮らしに灯台のように
道を照らし続ける存在でなければならないのでしょう。
もし、そういう存在が経営的に行き詰まって
存在し続けられなくなったら、その地域は確実に損失になる。
住宅というものづくりの、地域におけるセンター機能を持っているのですね。

そのような活動を10年以上続けてこられて
年に一度の「健康住宅サミット」も毎回成功させてきています。
ちょうど、北海道ではアース21という団体が活動を活発化させていますが、
基本的には、理念を共有していると思います。
工務店の横のつながりというのは、これまでは
特定のメーカーが主導するようななんとか工法のグループが多く、
本来の工務店主体の活動とは言い切れなかった。
そういうなかで、本格的な工務店のための自主的な活動、
今後も、大いに広がっていくべきものと感じています。
<写真は仙台の楽天の球場>


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オホーツク文化人の住宅

2009年05月12日 08時56分08秒 | Weblog



日本列島の歴史の中で、きわめて特異な存在が
8世紀ころから12世紀ころまでその存在が確認されている
オホーツク文化人。
北海道島の発展の中でも、石器・縄文からアイヌまでの
文化的な流れとはやはり異質。
海獣を主要な狩猟対象として海民としての文化を持っている。
アジアのバイキング集団というようにも言われている。
北海道でもオホーツク海一帯の海辺にその生活痕跡が残されている。
一方で、王朝国家とも交易関係で結びついていて、
北方の狩猟産品の高級品では、
どう考えても彼らの手で採集されていたに違いない産品が、
皇族や貴族の高級趣味生活をうるおしていたと想像される。

で、今回のところ遺跡の森の展示館で
発見したのが、写真のジオラマなんですね。
住宅の形式も違いがあるとは聞いていたのですが、
このジオラマはほかの文化民族の竪穴とはかなり趣が違う。
なにより大型で、20人くらいの共同生活が考えられるという。
後のアイヌの文化に引き継がれた狩猟動物の頭骨を
祭壇のように飾っている。
木材で床組みしてベッドスペースを作っていて、
共同の土間は踏み固められている。
出入り口は、屋根頂部からになっている。
出入りが屋根からという形式は、北東アジア人の特徴という。

後の世のアイヌの衣装が、
「蝦夷錦」というもので、中国皇帝権力機構の
「官服」だったということからも知れるように、
北海道では、北からの交易関係がヤマト国家との関係よりも
むしろ大きいものだったということを表していると思います。
そういう流れの中に、このオホーツク文化人というのは存在している。
どうも、このひとびとの有り様を見ていると、
日本というまとまりではない、広がりの深さを感じざるを得ません。
かれらがどのような考え方、感じ方を持っていたのか、
もっともっと、知りたくなってくる気持ちを抑えることが出来ません。
う~む、面白いというか、泥沼というか(笑)・・・。



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