三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【花鳥風月もだしがたし秋爛漫】

2016年11月18日 07時24分23秒 | Weblog


さて3日間にわたったいわき・仙台への出張を終えて
きのう深夜に札幌に帰還いたしました。
とくにきのうは、興味深いセミナーが東北電力さんの主催で開かれ、
北総研の鈴木大隆さんと函館の渋谷建設・渋谷さんの講演は
どちらもたいへん面白いテーマ構成でしたので、
追って、内容をご報告させていただきます。

ということで、慌ただしい日程を過ごしていたわけですが、
季節はまことに極彩色のきわみのような美を見せてくれております。
ふとした瞬間にも、四季変化の美が襲ってくる(笑)。
時間に追われながらもそういう景観が足を止めさせ、魅入っていかざるをえない。
でも時間がないので、束の間、写真を取るくらいしか出来ない。
きのう朝、仙台駅近く中心街のホテルから、わが社事務所への通り道、
仙台市若林区の「新寺小路緑道」を歩いておりました。
この道は、仙台での通り道では時間がない中では
たいへん有意義に四季変化を感受させてくれる散策路。
おりから乱舞する落葉が風に吹かれてザワザワとした踏み音を返してくれる。
さらにモミジの見事な紅葉が、お寺の庭につい引き込み誘ってくる(笑)。
目の前で、緑道から見事なモミジの中に引き込まれていくひとを見て
なんとも、ため息の出るような思いをさせられました(笑)。

日本という国土は、世界の中でも山の多い火山列島地形、
そしてアジアモンスーンのヒマラヤからの偏西風が通り抜けていって
ある高緯度という条件から、明瞭くっきりとした四季変化を持つ。
縄文の、あるいはそれ以前の石器時代からの定住によって、
この四季の輪廻が、この地に生きる人びとの心象風景に大きく関わった。
まわりを海に囲まれ、その上多雨な気候から、
「水に流す」という不思議な寛容性を育んだように思うし、
多様に移り変わっていく四季は、花鳥風月という心象の基本を作ったように思う。
そのなかでも、北海道という国土を得たことは、
その花鳥風月のスパンを大きく拡大させてもきたのだろう。
南北東西に長い国土の中で、多様な四季変化が同時進行し、
それがひとつの共通意識文化圏を構成していることから、
生々流転、輪廻転生といった感受性を育んできたに違いないと思っている。
時折、足を止めてじっくりと風土の呼吸感に身を委ねていたいと
そんな「もだしがたい」気分に襲われますね。
本日はちょっとテーマひと休みでした、明日からは住宅ネタ、閑話休題(笑)。
コメント
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