三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

札幌らしい建物の色

2007年11月08日 05時47分46秒 | 住宅取材&ウラ話


写真は北海道開拓の村に移築されている
旧北海中学校の校舎です。案内には、

この校舎は、明治41年(1908)から翌年にわたって建築された本館部分である。創立は明治38年(1905)で、前身は札幌農学校第三期生らが中心となり明治18年(1885)に設立した私立北海英語学校である。外観の意匠は、明治半ばから大正期の官庁や学校の木造建築によく見られる様式である。

とあります。まぁ、札幌の街には擬洋風建築と呼ぶべき
デザインが多かったので、そういう系譜のなかの建物でしょう。
で、気がついたのは、建物の内外装の色。
この空色掛かったクリーム色、と表現すべき色、
札幌の多くの建物に使われていたなぁ、と思ったのですね。
ちょうど、先日見てきた北大植物園内の建物群でも
同様な彩色が施されていました。
これって、示し合わせてこのように決定してきたモノなのでしょうか?
あるいは、単純に偶然の一致なのでしょうか?
このように建物に色を施すというのは、
それまでの日本の建築には強くない発想。
開拓期以来の洋風尊重の姿勢の成せる技だったろうと思うのですが、
それにしても、色まで特定させていたものなのかどうか、
たいへん、不思議に思います。
このように塗装をするというのは、
外装材の風化予防という意味が強いものですが、
単純に色は、この色がたくさん出回っていて、価格的に安かった、
というような想像は無理があるでしょう。
だとすれば、ある了解事項に基づいて、選択されたと思われます。
その了解事項の決定動機って、さてなんだったのか?
この間から、機会があれば調べてみたいと思っていて、
そのまんま、なんですね(笑)。

スウェーデンなんかの住宅の色のなかに赤い独特の色がありますが、
あれなんかの場合は、彼の地で採れる鉱物資源の再利用だということ。
地域で産出する材料を無駄なく使った結果が、
あのような地域独特の色合いとして存続したのですね。
札幌や、日本の都市では、そこまでの決定的な色って、
なかったのではないかと思うのですが、
写真で見るこの色には、どうも惹かれるものがあって、
「札幌らしい」という色合いに近いのではないか、と思った次第なんです。
みなさん、どのような印象を持たれるでしょうか?
コメント
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