三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

沖縄の豊かな食生活~中村家5

2006年03月19日 07時28分07秒 | Weblog

いや~、この家、いまにも暮らしがにおってくる臨場感。
写真は食堂・台所・隣接する食器、食材収納の様子なんです。
かまどがとっても大きくて、食堂側になんと3口の「コンロ」
台所側にはもっと大きな「コンロ」が2口。
そのほかにも右下写真のように、下ごしらえ用かと思われるコンロが1口ありました。
これだと相当の大人数の食事を調理できたことでしょう。
調理にあたる人数も3人くらいは必要だったと思われます。
左下の写真は、泡盛の瓶などが置かれている保存用食材などの収納室。
正面奥には格子の建具がはめられていて、食品の保存に配慮していることが明快。
食堂の隣、奥まった部屋です。
食事とともに、ここから酒を出してきて、楽しんだ様子が目に浮かんできます。
また、その様々な容器などから、沖縄の暮らし、食事の豊かさが、実感できます。
天井から吊されている収納容器がありますが、
これはネズミなどの食害から食材を守った工夫とか。

台所自体は土間空間全体のようです。
ここから外に出ればすぐに、井戸があって、水が得られる。
その右手には家畜の飼育小屋が隣接しています。
ハレの日などには、きっとその家畜をつぶしたりして、ごちそうにしたのでしょう。
沖縄らしく豚の飼育場所は分けられてスペースが確保されていました。

こういう毎日の食生活をかいま見られるスペースで
わかってくるのは、その家、その地方での本当の暮らし心地。
この家は、海からはちょっと高台に建てられていますが、
それでも車では、ほんの5分もあれば海辺に到達する位置。
昔の人の活発な行動範囲を考えれば、
この家で食された素材は、相当にバラエティ豊かなものが想像されます。
っていうか、まぁ、なんでも食べることができたのではないでしょうか?

沖縄は、薩摩に支配されていたとはいえ、中国とは定期的に交易を行っていたし
したがって昆布や俵ものと呼ばれる、中国人が好む海の幸の乾物など
日本全域、北海の海の幸までも流通させていた。
そのうえ、近海の海の幸は日常的に取れた。
豚料理は沖縄の十八番。
野菜の類も、市場などに行ってみると、本土とはまったく違う
でも、何ともバラエティ豊かな食材の宝庫。
なんて考えてくると、まさに天国に一番近い島だったのだろうか?
そんな豊かな生活を感じてきますね。
すいません、食いしんぼなもので、食べ物のことになると
想像力が無限に膨らんできて、止まらなくなってしまうんです(笑)。

って、最後はすっかり食欲の塊みたいになってしまった、
今回の「中村家住宅」シリーズでした。
でもいいよなぁ、こんな沖縄の食事を
楽しい歌や舞いとともに楽しんでみたいですよね、みなさん。
コメント
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