中村家住宅続編の1です。
沖縄の家には、っていうか、建物という建物には
シンボルのようにシーサーが乗っかってたり、前で番兵していたりしますよね。
こんな地域性の強いシンボルって、ほかの日本の地域にはないといえます。
それぞれの家で表情豊かなシーサーがいて、とても楽しい。
ですがこの屋根に載せるという風習は、案外新しいのだって聞きました。
中村家にも屋根の上で、来客を思いっきり楽しくさせてくれるごらんのシーサー。
いかにも屋根瓦とマッチしています。
素材も屋根瓦と同様のものを使っているように見受けられますね。
沖縄の家はほとんどが寄せ棟で、それもまわりの塀よりも軒が
下がっている場合が多いようです。
だから外観プロポーションを撮影しにくい、という家が古い家には多い。
そして屋根は、ご覧のような重々しい印象の重厚な瓦葺き。
要するに、台風への備えなんでしょうね。
寄せ棟が一番、風の被害に対して強そうですよね。
まぁ、できれば丸い屋根にしたいところなんだけど、無理だから
寄せ棟を選択しているっていう感じでしょうか。
また、台風の時のことを考えたら
必然的に軒は低く抑えて、屋根が吹き飛ばされないようにしているのでしょうね。
重厚な瓦というのも、そういう配慮と考えれば、実に自然な選択です。
こういう屋根が、沖縄の家を特徴づけているのですが
現在でも、ほとんど全国ハウスメーカーの家を見かけません。
近年建てられている住宅はほとんどがコンクリート製。
やっぱり台風のことを考えたら、木造やプレハブはこの地域では
不向きなのだと言えますね。
そうしたものが、全国唯一といってもいい、
特徴の豊かな沖縄の街並みを作っていて、私たちを迎えてくれます。
ただ単に、温暖で海洋性の気候からだけ沖縄が好かれているのではなく
こういう豊かな地域性、個性のようなものが
一体となって沖縄らしい魅力を作っているのだ、
と考えるのは、わたしだけでしょうか?