も~なんなんだよ~。おちおち寝てもいられねぇのかよぉ~! どうもこんばんは、そうだいです。
いやー、揺れた揺れた。朝の8時すぎでしたっけ? たった半日前の夕方にでっかいのがきたばっかなんですぜ!
昨日も毎度毎度のお仕事を終えて夜中に帰ってきたわけなんですけど、いつものようにこの『長岡京エイリアン』をつづったり本を読んだりしてたんですな。
んで、寝つきが悪いのは慣れっこだったんですが、夕べにいたってはやっと眠れたのが午前6時だったのよ。もはや「夕べ」じゃないですね。
かと思ったら2時間後にはドドドドドのズダダダダですよ! キッツいなぁ~。
思えば、私があわてて外に飛び出たのはまる1ヶ月ぶりのことでした。1ヶ月たったのにこの規模の余震なんだぁ……と、あきれるやらかなしくなるやらで晴天の空をながめてしまいました。
今回のやつは、こきざみなタテ揺れとドカドカッときたヨコ揺れが半々という印象で、ひたすらとてつもないヨコ揺れだけが延々と続いていた3月11日のものとはだいぶ違う感じがありましたね。実際に震源もだいぶ近い千葉県沖だったし。
まいりましたね。計画停電もいったん終わって、暖かくなってこれからどうしようかってところなんですけど……なにが起きるかわからんちん。
考えてみれば、被災していない私も過去のなにかがちょっと変わっていれば4月を迎えていなかったのかもしれない。『仮面ライダー』だなんだと言っていられない状況にいたのかもしれない。まぁ、震災が関係していなくても大変な目にあうこともありえたでしょうし。
なんだかわかんないんですけど、今朝の地震に文字通りたたき起こされて、私はますます『仮面ライダー』の新作映画が観たくなりました。いや、「楽しみきってやりたくなった」という感じでしょうか。
なんちゅうか……「自粛しなきゃ。」っていう考え方って、「私は安全な場所で生きているから。」っていう前提があるような気がするのね。
気分がのらないからという理由があるのならなにも文句はないのですが、なんとなく自粛するくらいなら、今現在生きている人間しか楽しめないような「生の楽しみをあじわう」方がよっぽどいいような気がするんだなぁ。
「生の楽しみ」なんていう大それたことを口走ってしまったんですが、私の場合、今回まで長々とつづってきた「仮面ライダーに思いをめぐらすこと」だってそのうちのひとつなわけなんですよ。いま劇場でやっている新作映画の出来はわかりませんが、それを誰よりもお得に楽しみ尽くす自信だけはありますよ、あたしゃ!!
っつうことで前回にもまとめた通り、めでたく現在公開中の『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』で通算36作目をかぞえる伝統ある劇場版『仮面ライダー』シリーズのことを考えてみたいと思います。
ほんのちょっと断片的なデータをならべてみただけだったんですが、まずわかるのは、劇場版『仮面ライダー』というものが普通の「映画」とはまったくちがう境遇にあることですね。
さすがというかなんというか、作品としての劇場版『仮面ライダー』は今も昔も、見事なまでに東映という巨大映画会社の「プログラム番組」におさまってますね。
第1~3期のライダー映画のほとんどは春夏恒例の「東映まんがまつり」のメインどころをおさえており、例外の『ZO』も『J』も、他の実写特撮ドラマの劇場版とあわせた3本立てのひとつとして公開されています。
「東映まんがまつり」……なつかしいねぇ~。よく観ましたね、『キン肉マン』とか『ドラゴンボール(Zじゃない)』とか。ほんとに楽しみだったな。
ただ私、ジャスト小学校低学年だったはずなんですけど、劇場で『仮面ライダーBLACK』を観た記憶はないんだよなぁ……当時は『大長編 ドラえもん』派になってたからかな? この裏切り者!
余談ですが、映画版『BLACK』の第2作目(1988年公開)の舞台は北海道の夕張になっていて、物語の序盤で悪のライダーことシャドームーンが夕張を見おろして、
「地理的にも守りやすく交通の要衝でもあるこの夕張……わがゴルゴムの新しき都となるに実にふさわしい地だ!」
とかなんとかベタぼめしているシーンがあるんですが……21世紀にDVDでこれを見直した時、私はまるで『平家物語』を読んでいるかのような無常感にさいなまれてしまいました。シャドームーンは経済にはうといようです。
それはさておき、第1~3期のライダー映画についてもうひとつ気がつくのは、上映時間が約30~45分とコンパクトにまとめられていて、それにしたがって映画の内容も非常にスマートになっていること。これは大事だな~。
まだ最新作を観ていない段階で言うのもなんですが、私の中では30本以上ある劇場版『仮面ライダー』シリーズでも不動のベスト3というものがあります。
1、第2作『仮面ライダー対ショッカー』
2、第4作『仮面ライダーV3対デストロン怪人』
3、第1作『ゴーゴー仮面ライダー』
「オイオイそうだい、昭和ライダー万歳主義もいいかげんにしやがれ!」とお怒りの方もおられることでしょう。だいいち、第3位の『ゴーゴー仮面ライダー』にいたっては、TVで放送された回をただ劇場上映用にプリントし直ししただけなのでオリジナル作品ですらありません。
でも、いい!! とてつもなく、いい!!
まず、どれもストーリー展開にムダがない。それもそのはず、3つとも30分前後というタイトな容量で、しかもその中にこれでもかというほどギュウギュウにおもしろさが詰まっているんです。
劇場用オリジナル作品としては最初のものである『仮面ライダー対ショッカー』がトップにあるのは、すべての要素がのちのシリーズ作品のエポックになっているからです。
歴代ライダーの集合(『仮面ライダー対ショッカー』では2人だけだけど)、映画オリジナルの強豪改造人間の登場、それまでたおれていった数々の再生改造人間たちの復活、ふつうのTV放送の規模を超えた予算での大盤ぶるまい……
仮面ライダーだショッカーだと聞いて、「ストーリーが幼稚」だとか「ショッカーの作戦がくだらなすぎる」というイメージを持たれる方もおられることでしょう。『仮面ライダー』は子どもの観るもの。確かにそうだと思います。『仮面ライダー』が、これから立派な大人に成長していく子ども達にいちばん観てほしい作品であることは間違いありません。だからこそ、劇場版『仮面ライダー』の上映時間は短くなっていて、そこに極限まで単純化された「善と悪との闘い」が描きこまれているのです。
しかし! だからこそ、劇場版『仮面ライダー』は大人が観ても楽しめる作品になっているんだと思うんです。つまり、
「子どもたちに心からのメッセージを伝えるために、一流の大人たちがどんな取捨選択をしてこの作品を創ったのか?」
という部分を観る楽しみ方をすれば、これほどおもしろい映画はありません。いや、これはむしろ、かろうじて映画という形をとっている「正義は勝つ。」というジャンルの娯楽なんですね。
いちいち紹介はできないのですが、それにかけた作り手側の情熱が、はからずも一番よく作品に反映できたのがオリジナル第1作の『仮面ライダー対ショッカー』だったんです。しょっぱなにこんなホームランがでちゃうと、後続はキツイな~。
この作品でもっとも光っているのは、やっぱり仮面ライダー新1号を演じている藤岡弘、さん。
ここでの藤岡さんは、まごうことなき「正義のヒーロー」になっています。ただの若者でもなく、ただの異形の超人でもない、正真正銘のヒーロー。
セリフのひとつひとつが独特の「あたたかみ」を持っているんだなぁ。子ども達にはあたたかく、ショッカーには不動明王の発する炎のような焦熱に感じられる温度です。
劇中で改造人間たちにさらわれかけた少女を手際よく助け出して、「ここを動くんじゃないよ。」と言ってからさっそうと敵陣の中に飛び込んでいくそのカッコよさときたら!
そして、ヒーローがそうやって輝けば輝くほど、悪の組織の改造人間や戦闘員、1人1人がおびる「悪の情熱」も相対的に上がりっぱなしになるのです。
改 「ふざけるなライダーめ、栄光あるわがショッカーの偉業にたてつくその愚かさ、身をもって思い知らせてやる!」
戦 「やっべぇ~、俺、絶対に死ぬわ……でも、万が一ライダーに勝てたら改造してもらえるかもしんないし。よし、そのチャンスに賭けるぞオレは! おかぁ~さ~ん!!」
見よ、この人と人との熱いこぶしのやりとりを。命と命のはなちあうスパークを。
なんだかんだ言いましたが、そのへんのバランスが最高なのが『仮面ライダー対ショッカー』なわけなのね。
ちょっとだけ触れておきますと、第2位の『仮面ライダーV3対デストロン怪人』は、今ではぜーっっっったい!!に許可されないであろう、その使用火薬の分量が最大のみどころですね。
『仮面ライダーV3対デストロン怪人』の火薬量はとんでもねぇよ……だって、ロケ地の地形が変わって、撮影中に近所の住民が「どっかの工場が爆発している!」と通報したくらいなんですからね。まさに現場は戦場だ。
第3位の『ゴーゴー仮面ライダー』については一言でいうと、ふつうは語られないはずの「ヒーローの物語の裏側」が鮮明に記録されている奇跡の作品だから、ということですね。これはDVDが観られるようになったら真っ先に買いたいな~。すげぇんだ、これは。
だいぶ話が第1~3期ライダーにかたよってしまったんですが、私が好きな仮面ライダーは、やっぱりそこにあるんです。理屈じゃないヒーロー・仮面ライダーと、理屈じゃない悪の組織・ショッカー。
理屈じゃなく、とにかく俺達がやらなければならないという「情熱」があるからこそ、それぞれの行動に少々の破綻があっても、幼稚だと大人にあざ笑われても、彼らの背中はいつ観てもすばらしいんです。
で! そのあたりが現在の第4期に継承されているのかってことなのね。
たとえば、私は『仮面ライダーカブト ゴッドスピード・ラヴ』をTVで観て、よくできてるいい映画だなぁなんて思ったりもしたんですが、結局は「映画」なんだよな。「仮面ライダー」である必要はないと思うんですけど……
私はねぇ、90分から2時間という上映時間はちょっと「仮面ライダー」には長いような気がするんですね。ストーリーは二転三転させなきゃならないし、セリフも多くなっちゃうし。
現在のところシリーズ史上最長となっている113分の『仮面ライダーTHE NEXT』を観るとわかりやすいかと思います。あれはもう、「仮面ライダー」に水増しで入れた「ホラー映画」がカレーとチョコパフェぐらいに分離してしまっていました。あわねぇ~。
『THE NEXT』はライダー要素だけで1時間の作品にしたら最高だったのになぁ。でも、そこを単独上映の2時間にしなきゃいけなかったのが「大人の事情」なのかしらネェ。ともあれ、これによってV3まできたせっかくの「新生昭和ライダーシリーズ」がついえてしまったのは実に残念なことでした。
ただ、妙にブラッシュアップされた「結城丈二」役でGACKTさんが出演しているところを見てもわかるとおり、『仮面ライダーディケイド』で展開された昭和ライダーの復活がいくらか『THE FIRST』の流れを継承した上でのことであることも忘れてはならないでしょう。黄川田ライダー1号は無駄じゃなかった!
そんなこんなもあって、最近は2時間ほどの上映時間を3部構成に分けたりする作戦もとられていたりするのですが、どうやら現在上映されている『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』は、90分間1本勝負の作品になっているようですね。
さぁ、久しぶりにメインをはる昭和仮面ライダー。その出来のほどはいかに!?
明日、観てきま~す。
いやー、揺れた揺れた。朝の8時すぎでしたっけ? たった半日前の夕方にでっかいのがきたばっかなんですぜ!
昨日も毎度毎度のお仕事を終えて夜中に帰ってきたわけなんですけど、いつものようにこの『長岡京エイリアン』をつづったり本を読んだりしてたんですな。
んで、寝つきが悪いのは慣れっこだったんですが、夕べにいたってはやっと眠れたのが午前6時だったのよ。もはや「夕べ」じゃないですね。
かと思ったら2時間後にはドドドドドのズダダダダですよ! キッツいなぁ~。
思えば、私があわてて外に飛び出たのはまる1ヶ月ぶりのことでした。1ヶ月たったのにこの規模の余震なんだぁ……と、あきれるやらかなしくなるやらで晴天の空をながめてしまいました。
今回のやつは、こきざみなタテ揺れとドカドカッときたヨコ揺れが半々という印象で、ひたすらとてつもないヨコ揺れだけが延々と続いていた3月11日のものとはだいぶ違う感じがありましたね。実際に震源もだいぶ近い千葉県沖だったし。
まいりましたね。計画停電もいったん終わって、暖かくなってこれからどうしようかってところなんですけど……なにが起きるかわからんちん。
考えてみれば、被災していない私も過去のなにかがちょっと変わっていれば4月を迎えていなかったのかもしれない。『仮面ライダー』だなんだと言っていられない状況にいたのかもしれない。まぁ、震災が関係していなくても大変な目にあうこともありえたでしょうし。
なんだかわかんないんですけど、今朝の地震に文字通りたたき起こされて、私はますます『仮面ライダー』の新作映画が観たくなりました。いや、「楽しみきってやりたくなった」という感じでしょうか。
なんちゅうか……「自粛しなきゃ。」っていう考え方って、「私は安全な場所で生きているから。」っていう前提があるような気がするのね。
気分がのらないからという理由があるのならなにも文句はないのですが、なんとなく自粛するくらいなら、今現在生きている人間しか楽しめないような「生の楽しみをあじわう」方がよっぽどいいような気がするんだなぁ。
「生の楽しみ」なんていう大それたことを口走ってしまったんですが、私の場合、今回まで長々とつづってきた「仮面ライダーに思いをめぐらすこと」だってそのうちのひとつなわけなんですよ。いま劇場でやっている新作映画の出来はわかりませんが、それを誰よりもお得に楽しみ尽くす自信だけはありますよ、あたしゃ!!
っつうことで前回にもまとめた通り、めでたく現在公開中の『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』で通算36作目をかぞえる伝統ある劇場版『仮面ライダー』シリーズのことを考えてみたいと思います。
ほんのちょっと断片的なデータをならべてみただけだったんですが、まずわかるのは、劇場版『仮面ライダー』というものが普通の「映画」とはまったくちがう境遇にあることですね。
さすがというかなんというか、作品としての劇場版『仮面ライダー』は今も昔も、見事なまでに東映という巨大映画会社の「プログラム番組」におさまってますね。
第1~3期のライダー映画のほとんどは春夏恒例の「東映まんがまつり」のメインどころをおさえており、例外の『ZO』も『J』も、他の実写特撮ドラマの劇場版とあわせた3本立てのひとつとして公開されています。
「東映まんがまつり」……なつかしいねぇ~。よく観ましたね、『キン肉マン』とか『ドラゴンボール(Zじゃない)』とか。ほんとに楽しみだったな。
ただ私、ジャスト小学校低学年だったはずなんですけど、劇場で『仮面ライダーBLACK』を観た記憶はないんだよなぁ……当時は『大長編 ドラえもん』派になってたからかな? この裏切り者!
余談ですが、映画版『BLACK』の第2作目(1988年公開)の舞台は北海道の夕張になっていて、物語の序盤で悪のライダーことシャドームーンが夕張を見おろして、
「地理的にも守りやすく交通の要衝でもあるこの夕張……わがゴルゴムの新しき都となるに実にふさわしい地だ!」
とかなんとかベタぼめしているシーンがあるんですが……21世紀にDVDでこれを見直した時、私はまるで『平家物語』を読んでいるかのような無常感にさいなまれてしまいました。シャドームーンは経済にはうといようです。
それはさておき、第1~3期のライダー映画についてもうひとつ気がつくのは、上映時間が約30~45分とコンパクトにまとめられていて、それにしたがって映画の内容も非常にスマートになっていること。これは大事だな~。
まだ最新作を観ていない段階で言うのもなんですが、私の中では30本以上ある劇場版『仮面ライダー』シリーズでも不動のベスト3というものがあります。
1、第2作『仮面ライダー対ショッカー』
2、第4作『仮面ライダーV3対デストロン怪人』
3、第1作『ゴーゴー仮面ライダー』
「オイオイそうだい、昭和ライダー万歳主義もいいかげんにしやがれ!」とお怒りの方もおられることでしょう。だいいち、第3位の『ゴーゴー仮面ライダー』にいたっては、TVで放送された回をただ劇場上映用にプリントし直ししただけなのでオリジナル作品ですらありません。
でも、いい!! とてつもなく、いい!!
まず、どれもストーリー展開にムダがない。それもそのはず、3つとも30分前後というタイトな容量で、しかもその中にこれでもかというほどギュウギュウにおもしろさが詰まっているんです。
劇場用オリジナル作品としては最初のものである『仮面ライダー対ショッカー』がトップにあるのは、すべての要素がのちのシリーズ作品のエポックになっているからです。
歴代ライダーの集合(『仮面ライダー対ショッカー』では2人だけだけど)、映画オリジナルの強豪改造人間の登場、それまでたおれていった数々の再生改造人間たちの復活、ふつうのTV放送の規模を超えた予算での大盤ぶるまい……
仮面ライダーだショッカーだと聞いて、「ストーリーが幼稚」だとか「ショッカーの作戦がくだらなすぎる」というイメージを持たれる方もおられることでしょう。『仮面ライダー』は子どもの観るもの。確かにそうだと思います。『仮面ライダー』が、これから立派な大人に成長していく子ども達にいちばん観てほしい作品であることは間違いありません。だからこそ、劇場版『仮面ライダー』の上映時間は短くなっていて、そこに極限まで単純化された「善と悪との闘い」が描きこまれているのです。
しかし! だからこそ、劇場版『仮面ライダー』は大人が観ても楽しめる作品になっているんだと思うんです。つまり、
「子どもたちに心からのメッセージを伝えるために、一流の大人たちがどんな取捨選択をしてこの作品を創ったのか?」
という部分を観る楽しみ方をすれば、これほどおもしろい映画はありません。いや、これはむしろ、かろうじて映画という形をとっている「正義は勝つ。」というジャンルの娯楽なんですね。
いちいち紹介はできないのですが、それにかけた作り手側の情熱が、はからずも一番よく作品に反映できたのがオリジナル第1作の『仮面ライダー対ショッカー』だったんです。しょっぱなにこんなホームランがでちゃうと、後続はキツイな~。
この作品でもっとも光っているのは、やっぱり仮面ライダー新1号を演じている藤岡弘、さん。
ここでの藤岡さんは、まごうことなき「正義のヒーロー」になっています。ただの若者でもなく、ただの異形の超人でもない、正真正銘のヒーロー。
セリフのひとつひとつが独特の「あたたかみ」を持っているんだなぁ。子ども達にはあたたかく、ショッカーには不動明王の発する炎のような焦熱に感じられる温度です。
劇中で改造人間たちにさらわれかけた少女を手際よく助け出して、「ここを動くんじゃないよ。」と言ってからさっそうと敵陣の中に飛び込んでいくそのカッコよさときたら!
そして、ヒーローがそうやって輝けば輝くほど、悪の組織の改造人間や戦闘員、1人1人がおびる「悪の情熱」も相対的に上がりっぱなしになるのです。
改 「ふざけるなライダーめ、栄光あるわがショッカーの偉業にたてつくその愚かさ、身をもって思い知らせてやる!」
戦 「やっべぇ~、俺、絶対に死ぬわ……でも、万が一ライダーに勝てたら改造してもらえるかもしんないし。よし、そのチャンスに賭けるぞオレは! おかぁ~さ~ん!!」
見よ、この人と人との熱いこぶしのやりとりを。命と命のはなちあうスパークを。
なんだかんだ言いましたが、そのへんのバランスが最高なのが『仮面ライダー対ショッカー』なわけなのね。
ちょっとだけ触れておきますと、第2位の『仮面ライダーV3対デストロン怪人』は、今ではぜーっっっったい!!に許可されないであろう、その使用火薬の分量が最大のみどころですね。
『仮面ライダーV3対デストロン怪人』の火薬量はとんでもねぇよ……だって、ロケ地の地形が変わって、撮影中に近所の住民が「どっかの工場が爆発している!」と通報したくらいなんですからね。まさに現場は戦場だ。
第3位の『ゴーゴー仮面ライダー』については一言でいうと、ふつうは語られないはずの「ヒーローの物語の裏側」が鮮明に記録されている奇跡の作品だから、ということですね。これはDVDが観られるようになったら真っ先に買いたいな~。すげぇんだ、これは。
だいぶ話が第1~3期ライダーにかたよってしまったんですが、私が好きな仮面ライダーは、やっぱりそこにあるんです。理屈じゃないヒーロー・仮面ライダーと、理屈じゃない悪の組織・ショッカー。
理屈じゃなく、とにかく俺達がやらなければならないという「情熱」があるからこそ、それぞれの行動に少々の破綻があっても、幼稚だと大人にあざ笑われても、彼らの背中はいつ観てもすばらしいんです。
で! そのあたりが現在の第4期に継承されているのかってことなのね。
たとえば、私は『仮面ライダーカブト ゴッドスピード・ラヴ』をTVで観て、よくできてるいい映画だなぁなんて思ったりもしたんですが、結局は「映画」なんだよな。「仮面ライダー」である必要はないと思うんですけど……
私はねぇ、90分から2時間という上映時間はちょっと「仮面ライダー」には長いような気がするんですね。ストーリーは二転三転させなきゃならないし、セリフも多くなっちゃうし。
現在のところシリーズ史上最長となっている113分の『仮面ライダーTHE NEXT』を観るとわかりやすいかと思います。あれはもう、「仮面ライダー」に水増しで入れた「ホラー映画」がカレーとチョコパフェぐらいに分離してしまっていました。あわねぇ~。
『THE NEXT』はライダー要素だけで1時間の作品にしたら最高だったのになぁ。でも、そこを単独上映の2時間にしなきゃいけなかったのが「大人の事情」なのかしらネェ。ともあれ、これによってV3まできたせっかくの「新生昭和ライダーシリーズ」がついえてしまったのは実に残念なことでした。
ただ、妙にブラッシュアップされた「結城丈二」役でGACKTさんが出演しているところを見てもわかるとおり、『仮面ライダーディケイド』で展開された昭和ライダーの復活がいくらか『THE FIRST』の流れを継承した上でのことであることも忘れてはならないでしょう。黄川田ライダー1号は無駄じゃなかった!
そんなこんなもあって、最近は2時間ほどの上映時間を3部構成に分けたりする作戦もとられていたりするのですが、どうやら現在上映されている『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』は、90分間1本勝負の作品になっているようですね。
さぁ、久しぶりにメインをはる昭和仮面ライダー。その出来のほどはいかに!?
明日、観てきま~す。