長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

未完の大器・第8使徒サンダルフォンの悲劇 Ver.かれい

2011年04月04日 23時28分01秒 | エヴァンゲリオン使徒大行進
《前回までのあらすじ》
 みんな知ってる? ほんとは「エヴァンゲリオン」の使徒は17体いるんだぜ! 13体じゃないんだぜ。
 なんとなく扱いの良くない子・第8使徒サンダルフォンのかなしき物語が、いま始まる……


「長野・群馬県境にある活火山・浅間山の火口マグマ内に正体不明の潜行物体あり。」

 第3新東京市にあるネルフ本部の頭脳とも言うべきスーパーコンピュータシステム「MAGI」の報告を受け、ここのところヒマで酒量が増加していたエヴァ作戦指揮官と、そんな彼女にほのかな慕情をいだいていた助手オペレーターのメガネくんが現地に急行します。
 浅間山にあった地震研究所をなかば強引に占拠した2人は、研究所の虎の子だったバチスカーフ型無人観測機(深海をリモート操作で潜行・調査するみたいなやつ)を火口のマグマ内に投入します。
 どんどん潜行していく観測機ですが、なかなか例の物体はCTモニターで感知できません。火口からの深度は1000メートルを超えてしまった!
 ハンパない圧力の上昇にギシギシと悲鳴をあげる観測機の機体。早く引き上げないと観測機がブッ壊れるとびびりまくる研究員に対して、気の強い作戦指揮官は、
「壊れたらうちで弁償します。もっと潜行させてください!」
 と言い放つ相変わらずの猪突猛進っぷり。内心「きたきた~。」とほくそえむメガネくん。

 しかし、彼女の判断は正しかった。ほぼ限界に達していた深度1300メートル地点でやっと問題のブツを探知した観測機は、見事にその詳細な情報を研究所に送信してその直後にベキベキにつぶれてしまいました。よくやった、えらい!!
 そして、送信された情報をたよりにネルフがくだした判定は……

「パターン青。使徒です!」

 出た、使徒だ! 非常に珍しいことに、今回の第8使徒は、第3新東京市の「北」に出現しました。
 今までの使徒は、瞬間的に第3新東京市の近くにパッと現れたものもいたのですが、例外なく、2000年にあの「セカンドインパクト」が発生した南極と日本列島とをつなぐライン上から出てきていました。つまり、必ず太平洋、第3新東京市の「南」からやって来るのがふつうになっていたのです。
 北から攻めてくる使徒っていうのはそうとうレアなんですよ! アメリカで活躍した『新劇場版・破』の使徒はおいといて、17体いる使徒のうち、北からやって来たのはたったの2体しかいません。そして、第8使徒じゃないほうの使徒は、ネルフ側の都合で長野県の松代市に連れてこられてから活動を開始した経緯があるので、純粋に北で生まれた使徒は第8使徒ただ1人ということになるのです。サンダルフォン、超レア!! まぁ「東西南北もへったくれもない場所からやってくる」使徒もいるんですけどね。そ、そ、そっちのほうが、スゲ~。

 とにかく、「日本列島のド真ん中に使徒あらわる」の報は、人類側を充分に震撼させるニュースとなりました。一般の国民に知らされることはなかったと思われるのですが、第8使徒を殲滅する当日にそうとうな数の国連軍大型爆撃機が浅間山上空を飛行していたので、なにかしら尋常でない物騒な空気が流れていたことは間違いないでしょう。
 個人的に私がちょっとだけ気になるのは、第8使徒サンダルフォンが発見された浅間山が、第3新東京市よりもむしろ、2015年当時に日本の首都だった「第2新東京市」に近かったことです。

 第2新東京市とは、かつて「長野県松本市」だった都市に遷都された日本の首都で、かつての東京都はセカンドインパクトによるゴタゴタの末に壊滅してしまったのだそうです。大変だったんだねぇ……
 日本の首都であるほか、国際連合の本部も移転されていた世界的主要都市・第2新東京市ですが、浅間山の西わずか50キロという近さにあるのです。
 私はここが気になる。第2新東京市にいる「日本政府」は、ネルフとかなり疎遠な関係にあることで有名です。明確に対立しているわけではないのですが、なにかと「使徒殲滅が最優先」という名分をかかげて政府を超えた権力を行使するネルフにたいしてどんな感情をいだいていたのか……明らかに気分はよくないよねぇ。
 日本政府そのものにそんな力はないでしょうが、もし! もし使徒をあやつっている「黒幕の存在」があるのだとしたら、それが第8使徒を浅間山に仕込むことを政府は見て見ぬふりするか、ことによってはネルフにばれないように隠蔽する手助けぐらいはしていたのかもしれない! 今までの使徒についてわかっている情報から見ても、使徒が第3新東京市以外の都市を襲う可能性はゼロに近いわけですからね。

 いや~、なんだか『MMR』みたいになってまいりました!
 なんでも原因を「政府の陰謀」にしちゃうのは良くないことなんですが、ついついそう考えてしまうくらいに、今回の「浅間山に使徒出現」という事件は、実に唐突で不可解なものなんですよ。

 話を戻しまして、当の「第8使徒サンダルフォン」は、どうやらすぐには活動を開始しない「さなぎ」のような状態にあるようです。
 CTモニターによる画像情報によると、まるで人間の胎児のような姿をしている第8使徒は、直径およそ100メートルという巨大な「まゆ」の中に入って孵化の瞬間を虎視眈々と待っているご様子。

 いつ孵化するのかもわからない状況なのですが、エヴァ作戦指揮官はかなり早い時期で、「まだ覚醒していない段階の使徒を生きたまま捕獲する」という、大胆不敵な「A-17作戦」の実行を決断します。

「ええ~っ! 使徒を生きたまま捕獲!?」

 今まで、第4使徒シャムシエルや第5使徒ラミエルの「死骸」をもとにした使徒研究はなされていたのですが、もしも生きている使徒を捕獲することができたら研究が格段に進むことは間違いなく、今後に現れる新たな使徒に対して大きなアドヴァンテージを得ることができるかもしれない! まぁ、へたしたらサードインパクトが起きちゃうかもなんですが……

 しかし、やらないで後悔するよりやって後悔したほうがいい!!
 わずかな可能性にすべてを賭け(すぎ)る作戦指揮官の男気に心をうたれたのか、あやしいネルフ総司令も即座に同意し、前代未聞の「使徒捕獲作戦」はすみやかに発動されることとなったのです。

 作戦の内容はいたってシンプル。エヴァンゲリオンが浅間山のマグマ内に潜入して使徒のさなぎを持ってくるだけ。

 エヴァンゲリオンはマグマの中でも動けるのか!? 溶けないの?
 大丈夫、エヴァンゲリオンには「耐熱耐圧耐核目的」に特化した「D型装備」というアタッチメント装甲があったのです!
 これは、ふつうの丸腰のエヴァンゲリオンB(Basic)型装備が「宇宙服」みたいな「ぬいぐるみ」みたいなスーツをまとっているような外見になる特殊装備なんですね。今回はさらに冷却液を全体に循環させるパイプもつけてマグマにそなえます。

 今回のD型装備に対応できるのは、エヴァンゲリオンの初号機か2号機のどっちかだったのですが、ネルフはあっさりと自分で立候補してきたドイツ娘の2号機に白羽の矢を立てます。
 この時のネルフの2号機選抜に、いっつも最前線でヒドい目にあわされてきていた初号機パイロットの中学生男子はいささかの違和感をおぼえるのですが、これが果たしてネルフの、
「チョロい作戦なので2号機にまかせた」
 という判断だったのか、それとも
「エヴァンゲリオンを1機ダメにするかもしれないヤバい作戦だったのでどっちかっていうといらない2号機にまかせた」
 だったのか……とにかく最終的に自分で手をあげたのはドイツ娘だったのでネルフ側の真意は明確ではないのですが、実際の作戦の経過を見るにつけて、私はどう見ても後者の理由で2号機を選んだように思えて仕方がないんですけどね……あわれドイツ娘!

 ともあれ、エヴァンゲリオン2号機のD型装備換装作業はスムースにおこなわれ、2号機とそのサポートにまわる初号機は現地の浅間山に空輸、運命のA-17作戦はすみやかに決行されるはこびとなりました。もう、いつ第8使徒が孵化してもおかしくない状況なんですからね。時間との闘いですよ!

 しかし、私はこの動きを見るにつけて、A-17作戦がどうこうよりも、ついつい別のところに目がいってしまうのです。

 第3新東京市、無防備すぎだろ!!

 ここ! ここが使徒のみなさんにとって最大のチャンスだったんですよ。
 だって、A-17作戦をやってる時の第3新東京市はガラ空き、エヴァンゲリオンは、あのまともに起動するかどうかもわかんない0号機(当時改造中)しかいなかったんだから。0号機なんかあなた、実戦経験はでっかい楯を持ってつっ立ってたくらいしかないんですからね。
 嗚呼、この時ほど第3新東京市を落としやすいタイミングはなかったというのに……もうさぁ、準備不足だろうがスケジュールがケツカッチンだろうが、誰でもいいから別の使徒がチャチャッと行っちゃえばよかったんだよ! 明智光秀だったら絶対にいってたぞ!!

 これだから第9使徒マトリエルはダメなんだよ……千載一遇のチャンスを活かせないんだなぁ。
 なぜかサンダルフォンじゃなくてマトリエルにダメ出しをしてしまいました。まだ早いよ!

 ま、とにかく、こんな第3新東京市のリスクを負いつつも決行された浅間山のA-17作戦。
 いったいどうなることやら~。

 サンダルフォンネタブログ、まさかの3回目につづくぞ!
コメント
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