はじめての紹介だと思います。鹿児島県宝島産の縞の木から生まれた覆輪品種です。
いまどきこの程度のアマミ系覆輪だとどうってことないかもしれませんが、私にとっては思い出深い木です。
30年ほど前、まだアマミフウランが珍しかった頃に私の師匠の松岡さんが、宝島の岩場で採れた山木を大量に仕入れていて、
その頃に選別されたのが無地葉変わりの「笹の舞」と虎斑の「雪舟」です。
この木の親木は、無地葉の山木を近所の園芸店に卸した中から出た縞の木で、10年くらいはそこで栽培されていました。
子供が取れたら分けてくれる約束でしたが、出る子は全て青葉ばかり、もう諦めたからと譲ってもらったものの、
そのうち親木自体の縞が地味になってしまい、天葉が青くなってこれまでかと思ったところに、最後の力を振り絞ってこの覆輪を生んでくれました。
まだ覆輪として完成はしてませんが、下葉がこんなに地味なのに、よくここまで一気に変身したものです。
25年ほど見守ってきて、やっとなんとかこの1本なんです。
その後、親木は柄無しになっていまいましたが、最近また思い出したかのように縞を出してくれてます。
富貴蘭を長く栽培していると、こういった自分だけの思い出&思い入れの深い木が沢山あります。
あまり世話はしてあげられてませんが、それでもそれぞれ私なりに大切にしてるつもりです。
我が家の富貴蘭たちもこのブログを読んでくれたら、少しは機嫌を直してくれるかもしれませんが、
たぶんまともに世話してくれない棚に来てしまったことを嘆いていることでしょう。