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無とは何か  別冊ニュートン

2022年02月24日 09時00分00秒 | 雷日記

こんにちは。落雷翼英の松本です。

 宗教的な観点からの「無」とは何かも興味深い所ですが、これは純粋に科学的な「無」についての考察です。 雑誌「ニュートン」の良さは、図表が大きく分かり易く、見開き2ページの中に図とほんの数行の文字しかなくても、その数行の解説だけで何分も思いを巡らせることができるので、活字に疲れた時に目を休める絶好の材料となる事です。 普段、当たり前すぎて何も考えないことでも、そう言われててみれば、どうして? という驚きが詰まっています。 この雑誌、テーマとしては、同じ分野の繰り返しの事もありますが、今回の話題は「無」についてです。

 「無」と言えば、真空で、何もない状態をイメージします。 今、我々が呼吸している、この空気ですが、窒素と酸素の分子から構成されます。その分子の大きさは非常に小さく1立方センチメートルに2.5X 10の19乗の個数があるそうですが、分子がピッタリと隣り合うのかと言えば、そうではなく、分子間距離は数ナノメートルあり、つまり、分子と分子の間は何もない『真空』と同じであるというのです。 実際には、湿度の基となる水の分子や、気体の分子よりもはるかに大きなエアロゾルと呼ばれるゴミの類も漂っていますし、今話題の二酸化炭素も室内で5%程度、10%となると換気が悪いという事になるそうです。

原子、分子まで小さなスケールで見るのと、大気という大きな塊で見るのとでは様子が大きく変わります。 大気圧というのが同じ地点で高さにより変化しますが、高気圧、低気圧というのは酸素と窒素の分子による圧力に水蒸気圧力も加わっていることでしょうが、主として上昇気流で上空に向かって流れる分が、大気を押している重さよりも軽くなるので低気圧、周囲の上空の空気の塊から下降する分があると、地面への圧力は高くなるので高気圧と呼んでいるようですが、原子、分子のスケールとつじつまが合うように考えるのはレンジが大きすぎます。 日常的に接する数字のスケールが全く異なる次元の数字を考えてみることは、自分の固定観念を打破し、自由な発想を得るためには役に立ちます。

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