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どうやって絵を描いているかその2 カラー編

2011-12-07 | つれづれなるままに

決して自分で上手い絵だと思って載せているわけではないですが、
イラストにも興味を持って下さる方が一定数おられることが最近分かってきました。
以前、加山雄三扮する新名記者の絵を製作する過程をアップしたところ、
結構な数の方が今も見てくださっているのです。

ところが、何の不具合か、製作過程がいくつか再生不可能になってしまっているのです。
あらためて抜けてしまった部分をアップロードし直そうと思って画像フォルダを探したのですが、
何故か自分で削除してしまっていた模様。
画像フォルダから削除してしまうと、アップロードされたブログからも消えてしまうんですね。

それを知っていながら、なぜ、消す。
こんなときには、心底自分が情けなくなるのですが、
気を取り直して今日はもう一度、絵の制作過程を、ここにご紹介することにします。

冒頭写真は「エリート養成機関ナポラ」(何て邦題・・・・)から、クライマックスシーン。
主人公フリードリッヒとアルブレヒトが、色々あって抱き合うシーンです。
この映画についてまた書く予定ですので、詳細はそのときに。
パソコンで再生した画像を写真に撮りました。
何から何まで鮮明さとは対極の画像。
これをもとに、さあ、どんな絵ができるでしょうか?


例によって下絵から。
パソコンのせいかもしれませんし、二人の着ているカーキの制服のせいかもしれないのですが、
やたら画面が・・・人の顔ですら緑っぽいのです。
ですが、人間の肌の色を最初に入れておかないと、死人のような顔色になってしまうので、
とりあえずオレンジがかった色をつけておきました。


色を選ぶのは、例えばカーキなら、カーキをパレットに出して、濃度を上げ下げしていくと、
「カーキ延長線上の黒」「カーキ延長線上の白」が作れます。
フリードリッヒの金髪も、結局カーキっぽい色調に見えているので、下地はやはりカーキ系。




いきなり過程が進んでしまいました。
というか、描いているときに我を忘れて(最近とみに我を忘れがち)、過程を保存するのを忘れてしまったのです。
金髪は、下にブラウンを一旦かけて、やはりカーキの延長線上の白と、クリーム色の明度を、
マックスにしたり、透明度を下げたりしながらタッチを変えて一本ずつ描きます。
基本的に濃い線はブラウンなのですが、それでは全体的にボケてしまうので、
ところどころ黒を入れて引き締めました。
唇も、少し紅すぎるかな?くらいに一旦塗っています。



何が違うんだ、って?
この段階では、耳、唇、手の影などの細かいところを描いていますから、あまり変化はありません。
一旦筆を置いて、ソフトフォーカスをかけました。
いつもはやらないのですが、今回は、元画像があまりに不鮮明で、タッチが強いと全く別のものになってしまうということから、あえてやってみました。
後ろのタイル(ここは洗面所の床)を描き込みました。

 

これも何が違うんだ状態ですが、実は3枚目からあたりの方がかける時間が長いのです。
ですから、耳の形とか、しわの出来具合とかがよく見ると違っています。
拡大して、粗い線を描き直したりし、サインをいれました。

アラが目立つので実はやりたくはありませんが、参考写真と並べてみました。
所用時間は約一時間半です。

明日はモノクロ画像の制作過程をアップします。