国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

日韓シャトル外交の復活を日本が拒否したのは何故か?

2008年01月11日 | 韓国・北朝鮮
1月9日の朝日新聞で、日韓シャトル外交の復活を日本側が否定したという興味深い記事があった。韓国の外交通商省当局者は9日、「今後、可能な限り首脳外交を活発に行うことを大まかな方向性として意見交換した」と述べたという。韓国側がシャトル外交の復活を強く求めたのに対して、日本側はそれに同意せず、結果的に意見交換のみにとどまったということだろう。では、日本側がシャトル外交の復活を拒んだ理由は何だろうか? 最も可能性が高いのは、日本政府が今年中に日朝国交回復を実行する予定であり、今後の朝鮮半島政策は韓国ではなく北朝鮮を中心に行うという方針が固まっているからではないだろうか。日韓シャトル外交の復活拒否は日本から北朝鮮への友好のメッセージであったと想像する。 第二次大戦後、共産主義のランドパワーを資本主義のシーパワーが包囲するという冷戦体制の元で日本政府は韓国支援を余儀なくされ、大東亜共栄圏の正統な後継国家の一つである北朝鮮と日本の関係は朝鮮総連や日本社会党といった隠れ蓑を通じて細々と維持されてきたのだと思われる。しかし、米国の世界覇権崩壊とそれに続く世界の多極化は朝鮮半島の冷戦状態を打ち破り、日朝の友好関係が表面に出てくることが可能になると想像される。それと同時に日本は米国に強いられてきた韓国支援を打ち切り、竹島問題や知的財産権問題などでより強硬な姿勢に出て韓国を政治的・経済的に追い込むことも可能になると想像される。それは李明博新大統領の対日宣戦布告とそれに続く敗北によって日本が韓国を衛星国として背負い込みかねない危険性を秘めている。 . . . 本文を読む
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