国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

北朝鮮との国交正常化の意志を鮮明にした日本:李明博新政権への痛烈な一撃

2008年01月01日 | 韓国・北朝鮮
米国の世界覇権崩壊後は日本が東アジアでその地位を受け継ぐと想像されることを考えるとき、不法占拠した竹島の領有と反日を国家団結の象徴にしてしまった韓国国民の民意は韓国が日本の衛星国の地位を獲得するのに大きな障害となっている。一方、北朝鮮は日本との間に領土問題を抱えておらず、その政府は旧帝国陸軍以来の日本大陸派と強い繋がりを持ち、更に金正日という国家団結の象徴を既に保有するために反日政策をとる必要もない。政治的に見たとき、北朝鮮は韓国より日本に近い上、韓国の民度を考えるなら民主主義の存在は重荷でしかないのだ。では、経済的に見てみよう。日朝貿易とは異なり日韓両国間の貿易は盛んで、日本は多額の貿易黒字を稼ぎ出している。しかし、韓国の主要輸出産業は鉄鋼・造船・自動車・液晶パネル・半導体など、日本と激しく競合する分野に集中している。同じ東アジア工業国でも日本との競合の少ない台湾とは対照的であり、日本にとって韓国の製造業の存在は決して有益ではないのだ。このように考えると、日朝国交正常化は韓国にとって悪夢に他ならないだろう。そして、12月19日の李明博大統領候補当選と時期を同じくして日本が急速に日朝国交正常化に進み始めたことは、対日関係改善を狙う李明博氏に対する「韓国切り捨て」通告であると想像される。韓国が今後、地域覇権国日本の衛星国の立場を獲得し先進工業国であり続けるためには、もはや「対日戦争を実行しわざと負けることで竹島問題や歴史認識を巡る韓国国民の日本観をコペルニクス的に転換する」という「面白い発想だが」さんの指摘する方法以外には残されていないように思われる。李明博新政権は竹島問題などできっかけを見つければ対日戦争に踏み込むかもしれない(しかし、韓国が対日戦争で敗北しても日本には韓国を衛星国化する意志が無く、結果的に韓国の滅亡と北朝鮮による統一は避けられないように思われるが)。また、日韓戦争の有無に関わらず韓国国内には北朝鮮政策を巡って深刻な政党間対立と地域間対立が存在する。今後予想される金大中・盧武鉉両氏の逮捕・死刑宣告をきっかけに韓国は内乱状態から北朝鮮の武力介入、統一に至る可能性もある。その様な朝鮮半島有事に対応するために、日本は朝鮮半島専門家を外務省の主要ポストに配置したのではないかと想像する。 . . . 本文を読む
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