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 多くの地域で9月1日から新学期が始まります。これがインフルエンザA(H1N1)(いわゆる「新型インフルエンザ」)の感染急拡大につながることはほぼ間違いのないことと言えそうです。

 都教育委員会のまとめたところによると(都内の公立小中高校ではすでに新学期が始まっている)、8月27日までに学年閉鎖、学級閉鎖を決めたのは小学校6校、中学校1校、高校1校の計8校となり、都内の公立小中高校で、夏休み中に新型インフルエンザに集団感染した児童、生徒が計808人(小中学生が345人、高校生が463人)に上っているのだそうです。多くは部活動や学校行事などで感染したようです。

 アメリカ疾病予防管理センター(米疾病対策センター、Centers for Disease Control and Prevention、 CDC)は、“Novel H1N1 Flu: Facts and Figures” というページで、“How have different age groups in the United States been impacted by novel H1N1 flu in terms of infection rates?”(感染率に関して、各年齢層によってどの程度の違いがあるのですか?) という問いに答えています。



 結論から言うと、5~24歳の人たち(若年層)は65歳以上の高齢者に比べ、20倍も新型インフルエンザにかかる可能性が高いとする報告をしています。26.7÷1.3=20.5となります。また、アメリカで2009年4月15日から7月24日までにインフルエンザAに罹患した人は、25歳未満で10万人に24.8人の割合になり、25歳以上で10万人に4.06人と比べると、6倍になります。これは有意な数字であり、若年層が今回のインフルエンザAに感染しやすいことは明白です。

 “How have different age groups been impacted by novel H1N1 flu in terms of hospitalization rates in the United States?”(入院率に関して、各年齢層によってどの程度の違いがあるのですか?) という問いにも答えています。

 これは0歳から4歳までの幼児が10万人に4.5人入院して、25歳から49歳の1.1人と比べると、4倍以上多いことが分かります。厚生労働省が8月27日に開いた、専門家や薬害被害者団体などとの会合で、「新型インフルエンザ」のワクチン接種について、「持病のある人」、「妊婦」(妊婦(110万人)ならびに産後6か月以内の婦人(55万人)を日本産科婦人科学会は要望した)、「6歳未満の小児」、「患者を診察する医療従事者」を優先する方向が固まっています。幼児は明らかに感染しやすく、感染すると入院を必要とすることにもなります。罹患すると5人に1人は入院を必要としたことになります。厚生労働省のガイドラインによると、幼児はインフルエンザへの感染が疑われるときは速やかに抗インフルエンザ薬を投与するとことしています。ところが、5歳から24歳までの若年層は感染しやすいが入院は13人に1人と重症化しにくいことがみてとれます。(Graph B (below) shows the estimated novel H1N1 flu hospitalization rate in the United States by age group from April 15 to July 24, 2009. These estimates are based on the 4,738* hospitalizations that were reported to CDC during this time period. The reported hospitalization rate per 100,000** people was highest among children in the 0 to 4 years of age group. The hospitalization rate of children in the 0 to 4 age group with novel H1N1 flu illness was 4.5 children per 100,000. The next highest reported hospitalization rate was in the 5 to 24 years of age group, which had a hospitalization rate of 2.1 per 100,000 people. The hospitalization rate for people in the 25 to 49 years of age group was lowest at 1.1 per 100,000 people. The hospitalization rate for people 50 to 64 years of age was 1.2 per 100,000 people, and the hospitalization rate for people 65 years and older was 1.7 per 100,000.



 国立感染症研究所感染症情報センターによると、今年第28週(7月6-12日)から第33週(8月10-16日)の間に、全国の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者(1万8438人)の年代別の割合は0~4歳10.6%、5~9歳20.3%、10~14歳21.0%、15~19歳17.9%、20~29歳15.7%、30~39歳6.6%、40~49歳4.1%、50~59歳2.0%、60歳以上1.8%だったそうです。

 これによると、罹患者の約85%に当たる1万5768人が20歳代以下だったことになります。ただ、このデータは年齢構成比を考慮してはいないので、若年層が感染しやすいとするアメリカのデータと比較することはできません。しかし、日本の年齢構成比は、若年層の割合が多いピラミッド型ではなく、各年齢層の割合が大きく変わらない釣鐘型ですから、日本でも若年層が感染しやすいとは言えます。

 “How have different age groups been affected by novel H1N1 flu in terms of deaths?”(死亡に関して、各年齢層によってどの程度の違いがあるのですか?) という問いにも答えています。(CDC studied the hospital records of 268 patients hospitalized with novel H1N1 flu early on during the outbreak. The number of deaths was highest among people 25 to 49 years of age (39%), followed by people 50 to 64 year of age (25%) and people 5 to 24 year of age (16%) This is a very different pattern from what is seen in seasonal influenza, where an estimated 90% of influenza-related deaths occur in people 65 years of age and older.



 これは流行初期に感染し死亡した268例を調べたもので、5歳から24歳までの死者は16%、25歳から49歳までは41%、50歳から64歳までは24%などとなっており、25歳から49歳までの年齢層に属する人たちは感染しにくく、入院もしないことが多いが、その死者は多いということになります。

 私はこの年齢層に属しませんがその上の年齢層50歳~64歳も24%と高い。これはこの年齢層の人たちの中に糖尿病などの「ハイリスク群」や肥満が多いことを意味するのでしょうか。このデータだけでは知ることができません。インフルエンザAでの日本での死者の1例目は、男性で57歳でした。慢性腎不全を患っていたようです。5例目は、男性で30代。慢性心不全でした。

 これらのデータから言えることは,インフルエンザAへの感染は若年層が中心で、インフルエンザAでの死者は、壮中年層が中心にあると言えそうです。働き手を突然失うことになるのですから、家庭に対するインパクトは大きなものとなります。インフルエンザAのウィルスを子どもたちが家庭に持ち込まないように、玄関先にアルコール消毒の容器を置いて、帰宅した子どもたちに使わせる、手洗いを十分にさせるなどの感染予防策を講じて、特にリスク要因を抱えた家庭は気をつけて欲しいものです。

              (この項 健人のパパ)


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