POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
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「ミャンマー(ビルマ)へ」 - 5つある航空会社の機材は老朽化しているのか。
ミャンマー(ビルマ)旅行
/
2012年12月31日 06時15分32秒
ミャンマー(ビルマ)は、縦に長い菱形の凧の右下に短い尾がついたような地形をしています。ミャンマーは、東南アジアと南西アジアの接点に位置しており、菱形の左上(北西部の国境)はインドやバングラデシュに、右上(北東部の国境)は中国に、菱形の右下(南東部の国境)はラオスとタイに接しています。
ミャンマー(ビルマ)は、中国に接するカチン州、シャン州(ラオスとも接する)、タイと接するカヤー州、カイン州(カレン州)、インドに接するチン州、バングラデシュの接するラカイン州、アンダマン海に面するモン州の7つの州(pyi ne、ピーネー、州名は民族名に由来する)と7つの管区(taing detha gyi、タイン・データー・ジー)に行政区画されています。
シャン州は、ミャンマーの東部中央に位置していて、中国、ラオス、タイの3国に接しています。その面積は、155,800 km²で、ビルマの面積676,600km²の23%ほどにもなり、シャン州はビルマ全土の4分の1ほどの面積を占めるといえます(シャン州の人口は800万人ほどといわれ、ミャンマーの人口約6,000万人の13%ほど)。しかし、シャン州には大きな都市といえば、 ラショー(Lashio、la hri:、人口13万人ほど)、チェントン(Kengtung、kyuing:tum、人口6万人ほど)、そして、州都の「タウンジー(Taunggyi、taung kri:、ミャンマー第4の都市で人口20万人ほど)」くらいしかありません。
この地域は、1,000mを超える高原が続き、昔からシャン族が支配していました。東京外国語大学のラオス語の講師であった「土橋泰子」さんの著書「ラオス万華鏡」(連合出版、2009年刊)によると、シャン族は、「
ビルマでは周辺民族からはシャン族と呼ばれていますが、彼ら自身はタイ族と呼称し、
」「
その同族は中国南部から東南アジア一帯、インド北部に至る広大な地域に居住しており、この範囲ではむしろ主流民族なの
」だそうです。
ミャンマー(ビルマ)では、このシャン族は、古い調査(1983年)ですが、ミャンマーの総人口の8.5%を占めており(ビルマ族は69%ほど)、ミャンマー人の12人に1人はシャン族ということになります。「
シャン族は、ミャンマーにおいては、少数民族ですが、ビルマ文字に似た固有の文字を持っており、この文字はモン族から仏教とともに伝えられたモン文字を基にして作られている
」そうです。
シャン族はビルマ族と同様にその多くが仏教徒であり、「
すでに焼畑耕作という移動生活の段階を脱しており、ビルマ族の地方居住者と変わりない生活をしている
」といいます。
「シャン州(Shan State)」が西隣の「マンダレー管区(Mandalay Region)」と接するあたりに、「インレー湖(Inle lake)」という外国人観光客にとって非常に人気の高い湖があります。インレー湖は、南北に長く(雨期には20km以上、乾期では15kmほど)、東西には短い(雨期には12kmほど、乾期では6kmほど)、周囲を山に囲まれて、標高も高く(875m)、季節によっては酷暑の続くミャンマーにあって、高原リゾートとして人気の高い観光地です。
ミャンマーは熱帯気候で、夏期(2月中旬~5月中旬、ほぼ3か月間)、雨期(5月中旬~10月中旬、5月間)、乾期(10月中旬~2月中旬、4月間、この時期が比較的過ごしやすく観光のベストシーズン)と3つの季節が移り変ります。ヤンゴンの平均気温で言うならば、11月(乾期)に18℃前後であったものが、2月(乾期から夏期へ)には急激に+5℃程度の23℃前後になり、3月(夏期)にはさらに+5℃程度の29℃ほどになり、4月・5月はそのさらに+4℃程度の33℃ほどにもなります。雨期の期間もその温度は徐々に下降する(5月間かけて-5℃程度)にすぎません。雨期の終わりでも28℃ほどあります。乾期に入ると、急激に温度が下がり、18℃前後になります。
インレー湖の観光の基点となるのは、「ニャウン シュエ(Nyaung Shwe)」という小さな町。町からは運河がインレー湖にボートで15分ほどでつながっています。ニャウンシュエの町はインレー湖の北にあり、車で1時間ほどのところにある「へーホー(Heho)」に空港があります。そのへーホーには飛行機によるアクセスが便利で、「ヤンゴン(Yangon)」から直行便で1時間10分ほど、「マンダレー(Mandaley)」経由で1時間50分ほどです。
直木賞作家「乃南アサ」の著作「ミャンマー 失われるアジアのふるさと」(文藝春秋、2008年刊)では次のように描かれます。
「
ヤンゴンから1時間ばかり飛んだところにへーホーという町がある。そこから車に乗り換えてニャウンシュエを目指した。アスファルトの道に沿って点在する
」「
いくつかの小さな集落を通っては山を越えるうち、ある谷に差しかかった。そこには1本の大きな菩提樹が生えており、その木を目印のように三方から延びてきた道が交差している。
」
「
その三叉路を過ぎて、やがて大きな山を回り込むようにして越えたところに、山間を通る長い鉄橋が見えてくる。眼下には平坦な大地が広がる。この景色をみると、もうニャウンシュエが近いのだと思う。
」
ニャウンシュエの町は、インレー湖からは少し離れており、運河でアクセスする必要があり、船着場で「
乗り込むのは細長く小さな木製のボートで、モーターこそついているものの、大人が4、5人乗り込んで、さらに大きなトランクを積み込むと、船縁はかなり水面に近いところまで沈んでしまう。
」「
ボートに縦一列にしつらえられているのは幼稚園にあるような小さな背もたれのついた椅子。腰掛けると視点は本当に水面に近くなり、文字通り自分が水上を走っているような気分になる。
」
この記事は、12月25日午前、ミャンマー中部のマンダレーを離陸して東部のヘーホーに向かっていたミャンマーの民間航空会社「バガン航空(Air Bagan)」の旅客機「フォッカー100型機(Fokker-100)」が、空港に迫ったところで、2つあるエンジンのうち1つが爆発し、ヘーホーの空港の手前、およそ3kmの道路に不時着し、両方の主翼が折れるなど、大きく壊れたというニュースを聞いて書き始めました。しかし、ミャンマーについての知識が足りず、調べながら記事を仕上げているうちに、1週間ほどが経ってしまいました。
旅客機には、乗客・乗員合わせて71人(乗客は63人で、乗員は6人、さらに2人の航空保安官)が乗っていましたが、このうち11歳と見られるビルマ人の男の子1人とツアーガイド1人、地上の道路でバイクに乗っていた住民1人が巻き込まれて、合わせて3人が死亡したということです。ミャンマーでは、民主化に伴い外国からの観光客が急増していて、不時着した旅客機にもインレー湖を訪れようとしていた外国人観光客が51人乗り合わせていたそうです。
「パガン航空(
Air Bagan
)」の「ヤンゴン発、マンダレー経由、へーホー行き」のW9-011便のフォッカー100型機は就航して22年も経っており、また、当日の空港周辺では雪が激しく降っており(霧が出ていたとも)、滑走路の近くの水田に不時着してから火を噴いたという報道もあります。負傷した11名(深刻な状態であるとも言われている。うち4名が外国人(アメリカ人が2人、英国籍の1人、韓国人が1人))は、州都「タウンジー(Taunggyi)」の‘Saosanhtun Hospital’に収容されたといいます。
「タン・シュエ(Than Shwe)」は、1992年4月23日より、ミャンマー(ビルマ)の軍事政権トップとして独裁的地位にあった人物です。2011年3月30日に国家元首(大統領)の地位を「テイン・セイン(Thein Sein)」に、国軍最高司令官を「ミン・アウン・フライン(Min Aung Hlaing)」に渡しました。「バガン航空(Air Bagan)」のオーナーであるミャンマーで著名な実業家「テーザ(Tay Za)」はタン・シュエと親しく、政商(「トゥー・トレーディング(Htoo Trading Company)」を所有)であるとされ、2007年からアメリカのミャンマー経済制裁が強まると、バガン航空のシンガポール路線の閉鎖を余儀なくされ、今は国際線はチアンマイ(チェンマイ)とプーケットに運行しています。ミャンマーの民主化を阻害する人物とみなされており、アメリカ、EU、カナダ、アーストラリアでは商取引ができず、ビザも発行されません(2011年3月時点)。
ミャンマーには航空会社が5つあり、バガン航空(Air Bagan、フォッカー機(小型双発ジェット)とATR機(ターボプロップ双発)を保有)、ミャンマー国際航空(
Myanmar Airways International
、エアバス機)、マンダレー航空(
Air Mandalay
、ATR機)、ミャンマー航空(
Air Myanmar
、国営、フォッカー機(ターボプロップ双発と短距離用双発ジェット)とATR機)、ヤンゴン航空(
Yangon Airways
、ATR機)です。
民間航空機は飛行耐用年数を50年と計算して設計されているのだそうです。しかし、先進国などの航空会社では20~30年くらいで新しい飛行機に更新しています(JALやANAでは20年、SQでは10年)。中古機は売却されて、発展途上国で旅客機として、あるいは改造されて貨物機として、飛び続けることになります。
1986年11月30日に初飛行をした「フォッカー 100(Fokker 100)」は、フォッカー社が倒産した1997年に生産が終了し、総生産機体数は283機であったようです。倒産して15年が経ちますが、機体の優れた操作性と安価な運航コストから、フォッカー機はいまだ世界の空を飛び続けています。
当然のことながら、外国を旅行するということはある程度のリスクを覚悟しなければなりません。しかし、そのリスクを知っているのと知らないのでは行動に雲泥の差が生じます。近いうちにミャンマーへ旅行することを考えているので、政治情勢を含めて、ミャンマーに関する情報を収集中です。
(この項 健人のパパ)
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