POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





2009年5月5日、スポーツ報知のコラム「舛添要一の永田町奮戦ルポ」からです。

-大臣を始め、過剰に反応することで、国民が必要以上に不安を感じるのでは?
 
 「危機管理は最悪の状況を想定して取り組むものだが、日本人はとかく楽観主義だ。私は海外経験が長かったが、外国人は自分の身に降りかかる脅威に対する意識が高いように思う。もちろん国民には冷静な対応を求めるが、危機管理に“やり過ぎ”はない。」




 危機管理とは、組織が受ける不利益を「可能性」の段階から予防し、それでも発生する「被害」は最小限に抑制することを目的とした対策を意味します。しかし、危機管理には費用がかかり、「費用対効果」の点で「徹底的、完全」にといった対策は講じることができません。危機管理には生産性はなく、その対策を講じたとしても「獲得利益」はないのですから、その対策を講じなかったことによる「逸失利益」を「費用」と利益考量するしかありません。

 舛添厚生労働大臣は、今回の事態に際して、「積極的な対応」を心掛け、当事者としての主導権を握っていて、時には無責任な報道に走るマスコミやマスコミに扇動される世論を封じています。専門家の意見を取り入れながら対応策を決め、問題解決のために努力する「積極的な姿勢」を見せているのでしょう。危機管理としては望ましい姿といえます。

 「情報は基本的に公開して提供できるものは提供する。もちろん個人のプライバシー等は伏せますが、それが一番の危機管理の基本だと思っております。」 (大臣発言2009年5月1日)

 しかしそれでも、新型インフルエンザの日本侵入は防ぐことはできないでしょう。それを舛添大臣も認めています。「検疫」では新型インフルエンザの日本侵入を防ぐことはできず、各自治体の国内体制が整うまでの「時間稼ぎ」だと舛添大臣は考えているようです。さらに望んで、ワクチンを開発するまでの時間稼ぎをしたいというのが正直なところと言えそうです。

 「(政府の行動計画の)何段階とかいうのが大事ではなくて、国内で発生したという途端に発想を変えないといけません。これが大事です。ですから、私が昨日(2009年4月30日)深夜に会見をしたのは、発想を変えないといけない、「全国民が発想を変えてくださいよ」と言うためです。大幅に変える必要があると思っております。」「くしゃみをするだけで百万から二百万のウイルスが飛散するわけですから、感染力は非常に強いと思います。基本的には体制を大きく変える。だから国内で戦う、具体的に言えば医療、初期出動の体制、それでなくても医師不足で困っているのですが、そこに重点的に人を当てます。」「国内体制に切り替わった時に現場の自治体がしっかりしているか、首長がしっかりしているかで全く様相が違います。ですから、ある街に住んでいたら命が助かるのですが、この街に住んでいたら命が助からないということが起こりうるのです。ですから地方自治と口でいうのは簡単ですが、それだけ厳しい重いものなのです。」「我々は全面的に協力します。ですが、現場が一番大事です。大変御苦労ですし、自治体の職員の皆様も、首長も大変だと思いますが、ここが正念場ですから第一線ががんばっていただきたいと思います。」 (大臣発言2009年5月1日)

 医療関係者も「検疫」で、すべての「新型インフルエンザ」感染者を見つけ出せるとは考えていないようです。そのため、東京都内の病院で、「インフルエンザ」に特徴の「発熱」などの症状がある患者の診察を拒否する例が起こっているようです。病院がパニックに陥っているのです。

 2009年5月5日の毎日新聞の記事です。

 「新型インフルエンザへの警戒が強まる中、東京都内の病院で、発熱などの症状がある患者が診察を拒否される例が相次いでいることが分かった。」「新型への感染を恐れたためとみられるが、感染者が出た国への渡航歴などがない患者ばかりで、診察拒否は医師法違反の可能性がある。」「拒否の理由について都は「万一、新型インフルエンザだった場合を恐れているのでは」と推測する。拒否されたため、都が区などと調整して診療できる病院を紹介した例も複数あった。「保健所の診断結果を持参して」と患者に求めた病院や、成田空港に勤務しているとの理由で拒否した例もあった。友人に外国人がいるというだけで拒否された患者もいたという。」

 比較的軽度といわれる「新型インフルエンザ(H1N1型)」でこのようなことが起こるのですから、「鳥インフルエンザ(H5N1型)」では医療知識がある病院ですら大きなパニックになることが予想されます。頼りないことこの上ない。

 厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部は、2009年5月6日付けで「国内未発生期における発熱外来を置かない医療機関への発熱患者の受診について」という文書を各都道府県衛生主管部医務担当者に向けて出しました。

○ 蔓延国への渡航歴や患者との接触歴が認められる発熱患者が、発熱相談センターを通じずに発熱外来を置かない医療機関を受診したり、電話による相談があった場合には、まず発熱相談センターに電話で相談し、必要に応じて紹介される適切な医療機関を受診するように勧めること。
○ 発熱相談センターの指導に従って発熱者が発熱外来を置かない医療機関に受診した場合は、患者にマスク等を使用するように指導するなど、感染予防に必要な指導を行った上で、当該医療機関が診察すること。


 熱帯雨林へ人間の侵入、人口増加による公衆衛生環境の変化、抗生物質の濫用による薬剤耐性菌の出現などで、従来みられなかったウイルス感染症が突然に出現(emere、エマージ)しています。HIV(ヒト免疫不全ウイルス、human immunodeficiency virus)感染症であるエイズ(AIDS、acquired immune deficiency syndrome、後天性免疫不全症候群)が「エマージング・ウイルス(emerging virus)」の代表的なものといえます。人類はこの「エマージング・ウイルス」との戦いを余儀なくされています。豚インフルエンザウイルスや鳥インフルエンザウイルスは、人類にとって、既知のウイルスですが、そのウイルスとの戦いも必要なのです。

 「問題はH5N1の鳥インフルエンザ、強毒性を想定した行動対処方針です。ですから本当に弱毒であって、死者の数がメキシコ以外ではさほど拡がっていないということを考えますと、そのままH5N1用の対処方針でいいのかどうなのかというのはあります。やはり、皆様外出したり、お買いものに行ったりしますし、学校も休校しない方がいいわけです。国民の利便性、経済活動もありますし、それと生命も守らないということとのバランスを、ウイルスの特性、国際情勢を見て、全体状況を把握しながら行動したいと思っておりますから、(政府の行動計画を)何段階上げるとか、下げるとかいうことではなくて何が一番国民にとっていいのか。」 (大臣発言2009年5月1日)

 メキシコに端を発した「新型インフルエンザ」は、「鳥インフルエンザ」対策の有効性を試す機会です。シミュレーションを政府と国民がともに体験している面があります。私たちはこの機会を十分に活用しなくてはなりません。人獣共通感染症の脅威に私たちは曝されているのです。 

 病院は頼りない。感染してしまうと、自分の身を守れそうにもありません。感染しないように対策を講じなくてはいけません。そこで、厚生労働省のホームページから個人が取れる対策をみてみます。

2)感染拡大の防止
○ 発症した人がマスクをすることによって他の人に感染させないという効果は認められており、自分が発症した場合にはマスクを着用することが必要である。他方、まだ感染していない者がマスクをすることによってウイルスの吸い込みを完全に防ぐという明確な科学的根拠はないため、マスクを着用することのみによる防御を過信せず、お互いに距離をとるなど他の感染防止策も講ずる必要がある。
○ 食料品・生活必需品等の買出しや重要業務を継続するためなどのやむを得ない出勤等の場合を除き、感染を回避するため、不要不急の外出は自粛するとともに、やむを得ない外出の際にも、混雑した公共交通機関の利用を避けるなどの工夫が必要である。

(別添2)
個人での備蓄物品の例
○日用品・医療品の例
 マスク(不織布製マスク)、体温計、ゴム手袋(破れにくいもの)、水枕・氷枕(頭や腋下の冷却用)、漂白剤(次亜塩素酸:消毒効果がある)、消毒用アルコール(アルコールが60%~80%程度含まれている消毒薬)、常備薬(胃腸薬、痛み止め、その他持病の処方薬)、絆創膏、ガーゼ・コットン、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、保湿ティッシュ(アルコールのあるものとないもの)、洗剤(衣類・食器等)・石鹸、シャンプー・リンス、紙おむつ、生理用品(女性用)、ごみ用ビニール袋、ビニール袋(汚染されたごみの密封等に利用)、カセットコンロ、ボンベ、懐中電灯、乾電池


 殆どが我が家にあるが、足りないものは買いに行かなくては。

(追記) 厚生労働省は、カナダのオンタリオ州オークビル市から米デトロイト経由で成田空港に帰国した3人の「新型インフルエンザ」感染を確認しました。3人はいずれも大阪府在住の男性で、46歳(引率教師)が1人と10代(高校2年生)が2人。8日午後4時半過ぎ、ノースウエスト航空25便で成田空港に到着し、簡易検査でA型インフルエンザと判定されので、ウイルスの遺伝子検査が行われていました。

          (この項 健人のパパ)

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