POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 





 台湾や香港、東南アジアの華人居住地域を特徴づけるものは「儒教」、「道教」、「仏教」です。しかし、中国文化圏の地域を旅行していると、「道教」>「儒教」>「仏教」の順で、目に触れることが多いと思います。日本では、「仏教」>「儒教」>「道教」(日本にある道教寺院(「道観」という)の例としては、埼玉県坂戸市越塚にある「聖天宮」(せいてんきゅう、道教廟三清宮)。「康 國典」氏建立、1995年開廟)の順であるのに比べると、逆転しています。

(参考)「廟」(びょう)は、祖先の霊を祭る建物ですが、祖先の霊だけではなく、民衆が尊敬する人物の霊を祭っている建物でもあります。その例が、孔子を祀る「孔子廟(「文廟」ともいう)」や関羽を祀る「関帝廟(「武廟」ともいう)」です。ちなみに、聖天宮は、元始天尊、道徳天尊、霊宝天尊という道教の神々を祀っているそうな。



 「儒教」は、春秋時代の孔子が大成させます。現在においても、孔子を崇敬する人は多く、中国文化圏の各地に孔子を祀る廟(「孔子廟」、「孔廟」、「文廟」)があります。中国本土の孔子廟の多くは、文化大革命の時にいろいろな損傷を受けています。しかし、中国本土以外の孔子廟は、いまも無事に残っています。

 台湾には、台北孔廟、桃園孔廟、新竹孔廟、台中孔廟、彰化孔廟、嘉義孔子廟、台南孔廟、高雄孔廟、高雄舊城孔廟、旗山孔廟、屏東孔廟、宜蘭孔廟、澎湖孔廟などの孔子廟があります。

 日本にも孔子廟があり、「湯島聖堂」がその例です。江戸時代、徳川幕府は儒教(朱子学)を学問の中心と位置づけました。そのため、幕府や各藩の学校では孔子を祀る廟が建てました。他に、佐賀県多久市の「多久聖廟」、栃木県足利市の「足利学校」にある孔子廟、福島県会津若松市にある「會津藩校 日新館」の「大成殿」(「大成殿」は孔子廟の本殿)などがあります。

 「関帝廟」(参考ページ 「横浜中華街関帝廟」)に祀られる「関羽」が「商売の神さま」であるならば、「孔子廟」に祀られる「孔子」は「学問の神さま」です。齢を重ねても、学ぶ意欲の衰えない私は、この意欲ゆえに人生が楽しい。これに感謝するために台湾の第二の目的地「高雄」で孔子廟に参拝に行こうと考えています。



 高雄の孔子廟は、「左営蓮池潭公園」に面してあります。高雄捷運(地下鉄)の「左営」駅で降りると徒歩圏です。「蓮池潭」は南北に長い楕円形をしており、長径が1.4km、短径が0.4kmほどです。蓮池潭の西岸には、廟が林立しており、20以上あります。見て歩いて面白いかは別にして、全部見るのに多分1日では足りないでしょう。





 孔子廟を後にして、蓮潭路を南に下ると湖畔に「北極亭」が見えてきます。北極星を人格化したのが「玄天上帝(北極大帝)」。病を直すとされています。その元帝という道教の神を祀る廟が『元帝廟』。その元帝廟の東側の蓮池潭の湖畔にあるのが「北極亭」であり、湖の中にあるのが「玄天上帝神像」です。

 さらに下ると「春秋閣」が目に入ってきます。2つの塔からなり、春閣、秋閣と呼ばれています。その春秋閣の西側正面に啓明堂があり、本殿にあたる「東南帝關」には関羽が祀られています。「関帝廟」と言っていいのでしょう。

 宋の名医「呉本」は宋の仁宗の皇后の病気を全快させたことから、「保生大帝」の称号を贈られ、道教の神の一人に加えられたといいます。その保生大帝を祀る「慈濟宮」に属する「龍虎塔」は、「龍」の口から入り「虎」の口から出ると善人になれると言われているそうです。



 中国文化の根底にある思想を学ぶには、「蓮池潭」は面白い場所だと思われます。楽しみにしています。

        (この項 健人のパパ)     

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