POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
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通年化(?)するインフルエンザの流行とワクチン接種の効果
インフルエンザ
/
2011年01月24日 06時27分33秒
日本でのインフルエンザの流行は、これまでは冬季に集中していました。一般的傾向として、第46週(2010年度は11月15日~11月21日、11月中旬)あたりからインフルエンザの患者数が徐々に増加し始め、第4週(2011年度は1月24日~1月30日、1月末)あたりにピークを迎え、第8週(2011年度は2月21日~2月27日、2月末)あたりに患者数は大きく減ります。
しかし、2008/2009年シーズン(2008年7月~2009年6月)と2009/2010年シーズン(2009年7月~2010年6月)は特殊でした。流行の通年化が見られたのです。2008/2009年シーズンの季節性インフルエンザの流行は、11月にAH1亜型、AH3亜型のインフルエンザの同時流行があり、2009年3月に入ってからはB型のインフルエンザ(ビクトリア系統)が流行し、5月にはAH3亜型のインフルエンザが流行するという事態になりました。このため、流行期が長期間に及ぶことになってしまいました。
東京都では、2008年9月から2009年8月までに、定点医療機関、公立の学校(幼稚園、小中学校、高校)、医療機関から搬入された検体(咽頭拭い液、鼻咽頭拭い液、うがい液)について、インフルエンザウイルスの遺伝子検査を行ったところ、AH1亜型(Aソ連型、AH1季節性)が約56%、AH3亜型(A香港型)が約24%件、B型が約20%だったようです。
2009年4月26日に、「
豚インフルエンザの脅威-パンデミック(世界的大流行)の予兆?
」というタイトルで書いたブログ記事からです。
日本ではタレントの泥酔騒動の陰に隠れ、そのニュースの重要性がまだ知られていないようですが、海の向こう「メキシコ」で大変な事態が発生しています。外務省の「海外安全ホームページ」から該当するページの記述を見てみます。「メキシコ:H1N1亜型由来豚インフルエンザの発生について(注意喚起:その2)」(2009/04/25)からです。
「4月25日現在、メキシコにおいてインフルエンザと似た症状を示す比較的重い呼吸器疾患が流行しています。メキシコ厚生大臣は記者会見で、これまでメキシコ全国で1,004人の症例があり、4月23日までに68人が死亡(うち、20人の死因がインフルエンザであることを確認済み)していること及び以下の対策をとったことを発表しました。なお、死亡した20人の地域別内訳は、メキシコ市13人、サン・ルイス・ポトシ州4人、バハ・カリフォルニア州2人、オアハカ州1人とされています。」
この情報から予測すると、「インフルエンザと似た症状を示す比較的重い呼吸器疾患」の致死率は、68÷1004×100で、7%ほど。致死率がこの水準だと、大流行する可能性があります。罹患者がそうとは知らず、多くの人と接触して感染させることが起こるからです。「パンデミック(インフルエンザなどの感染症が世界的規模で同時に流行すること)」という事態が起こりえます。
この「豚インフルエンザ」はやがて「新型インフルエンザ」と呼ばれるようになり、致死率はそれほど高いものではないことが分ったのですが、日本でも感染を広げていくようになります。東京都でも、このインフルエンザの遺伝子検査を行うようになり、2009年4月末から8月末までの検査では、新型インフルエンザウイルス(AH1pdm亜型)が約79%に及ぶことになります。AH3亜型(A香港型)は約20%なのだったのですが、AH1亜型(Aソ連型)は0.5%にも満たなくなっていきます。Aソ連型はAH1pdm(pdmは、pandemic(パンデミック)から)に取って代わられたことになります。
(参考) 「
インフルエンザに罹ったらそれは「新型AH1pdm」と見ていいのか。
」
(注) この記事の中で「新型の流行でA香港型とAソ連型は、ほぼなくなるだろうという予測をしている」と述べていますが、実際はAソ連型がほぼ姿を消し、新型に取って代わられましたが、A香港型はいまだ流行を起こしています。(注終わり)
東京都では、2009年第31週(7月27日~8月2日、7月末)あたりから新型インフルエンザの感染者が急増し始め、第41週(10月5日~10月11日、10月初め)あたりにピークを迎えます。そのまま感染者数は大きく減ることはなく、2010年第8週(2月22日~2月28日、2月末)あたりにようやく大きく減少し始めます。
2010年は第13週あたりから第39週あたりまでは感染者はほとんど報告されませんでした。190日程度の期間、ほぼ平穏だったといえます。インフルエンザ感染の通年化ということは避けられたのでしょうか。
2008/2009年シーズン(2008年9月1日~2009年8月30日)のインフルエンザウイルスの検出割合は、AH1型が約41%、AH3型が約20%、B型が約19%、新型が約20%でした。AH1型:AH3型:B型:AH1pdm(新型)=2:1:1:1 だったと言えます。しかし、2009/2010年シーズン(2009年8月31日~2010年9月5日)は、新型が圧倒的に多く、98%に及んでいました。
心配しているのは、インフルエンザ感染が通年化すると、インフルエンザワクチンの効果はどうなるのかということです。ワクチンが充分に効果を生じている期間は3~5か月と短いのだそうです。通年化すると、年に2~3回の接種が必要になるのでしょうか。それならば、覚悟を決めて、自然感染で抗体を獲得した方がいいとも思えます。自然感染で獲得した抗体は、インフルエンザウイルスが変異を繰り返し大きく変化するまではそのタイプには有効です。
ワクチンの接種は受けないで(または1度のみで)、感染しないように心がけて、それでももし感染してしまったら、「タミフル」(経口薬)、「リレンザ」(吸入薬)、「ラピアクタ」(点滴)といった抗インフルエンザウイルス薬によって重症化を防ぐという戦略はどうでしょう。しかし、これらの抗インフルエンザウイルス薬によって治療を受けた場合、充分な抗体を獲得できない、という話もあります。どうすればいいのでしょう。
間近に迫った今年の家族旅行の目的地はヨーロッパです。いま、ヨーロッパではイギリスに始まった新型のインフルエンザが感染を広げています。2009/2010年シーズンでは、ヨーロッパでは、アメリカなどと異なり、新型インフルエンザの流行は小規模でした。そのため、抗体を持っている人が少なく、2010/2011年シーズンには流行し易い環境にあるのです。
一般的傾向としては、アメリカでは昨シーズンには流行しなかったA香港型が今シーズンの流行の主流を占め、昨シーズンにA香港型の流行のあったヨーロッパでは新型の流行という構図になりそうなのです。去年のイタリア旅行では、現地で「新型」の流行の話は聞かなかったのですが、今年は様相が異なりそうです。オランダ、ベルギー、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリアと飛行機で移動するので、多くの人と狭い空間に閉じ込められるような時間がかなりあります。感染リスクが高まります。
(参考) 「
インフルエンザワクチンの有効期間(効果の継続期間)はどのくらい?
」
病院の病棟も飛行機の機内と同じように多くの人と共有する狭い空間といえます。2011年1月21日に、茨城県の大洗海岸病院で季節性インフルエンザの集団感染があったことが発表されました。90歳代の入院患者の女性が死亡し、他の入院患者や看護師ら計20人の感染が確認されたのです。
同病院では1月18日頃から、発熱を訴える患者が出始め、21日現在では、死亡した女性以外に入院患者145人中50歳代から90歳代の16人と、看護師ら職員4人からA型の陽性反応が出たそうです。
死亡した女性は、2010年12月27日、急性腸炎で入院します。1月15日に発熱や咳の症状が出て、18日には熱が40℃に上がります。インフルエンザ感染が疑われ、簡易検査をしたところ、インフルエンザA型の陽性反応が出ます。抗インフルエンザウイルス薬「ラピアクタ」の点滴投与を受けますが、1月21日に呼吸不全に陥り、死亡します。死因は「肺炎」でした。
妻「家に籠っていない限り、インフルエンザに感染するリスクは避けられないのよ。」
私「そうだね。」
妻
「社会生活を送っていれば、人と接しないわけにはいかないの。人ごみを避けろといったって、、、」
私
「無理だね。」
妻
「飛行機の機内も通勤電車の車内と同じよ。」
私
「通勤電車の方がもっと感染しやすいかもね。」
妻
「そうよ。だから、旅行には行くわよ。どこにいたって、リスクは同じなんだから。」
私
「・・・」
(この項 健人のパパ)
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